ひかる「で、どうしてこんなことをしたんですか、教頭先生」
ここは学校の駐車場。僕と逢花は車に乗って駐車場から出ようとしていた教頭を無理やり止めて話していた。
教頭「どうしてって、授業中にカニを買うだなんて、ありえないことだろう？ だから、罰だ」
逢花「その罰を、生徒が受けているんですよ…それでも続けるんですか」
教頭「生徒が受ける？ そんなこと、ある訳がない、生徒が買ったものではないし」
教頭は煙草に火を付けた。
ひかる「あの教室…じゃなかった、教師がどんな人物なのか知っててそんなこと言えるんですか？ 」
やばい、噛んだ…
教頭「あの人はとても優しい方だよ、何かある度に企業の子会社の割引券くれるし…今回の件は、きっと何かがあったのだろうから、一時的な罰だ、きっとこれで治るはずだ」
金に弱すぎるよ、この教頭
逢花「じゃあ、返してくれますね？」
教頭「君たちには、渡さないよ…じゃ、煙草買ってくるから君たちは帰りなさい」
そう言って、車は国道へと走り去っていった。
僕の口からはため息が漏れた。


[RINE]
ひかる＜教頭が返さないだって(泣)
　　　そっちはどう？ ってゆーか、手がかりが絶対にない警察署に行かされてさ、大丈夫？＞
ミサ＜パスモの残額ヤバい
　　 明日の電車賃が足りない＞
京＜出かける金あんのかよ＞
ミサ＜とにかく、今金貸して＞
京＜は？ そんな貸すお金なんて持ってねーし＞
はるか＜そんなにピンチなんだねぇ～＞
ひかる＜つんは黙ってて、太一とでも遊んでたら＞
はるか＜りょーかい！＞
航輔＜ほのかは？いつも浮上してるよね？＞
ミサ＜電池ないって隣であたしのスマホ見てくる＞
ミサ＜誰かお金貸してっ！＞
ひかる＜まさか、ほのかも残額ピンチ？＞
ミサ＜大当たり＞
ひかる＜でもさ、ほのかは家に帰ればあるでしょ、お金＞
ミサ＜帰るお金がない＞
ひかる＜じゃ、帰ってきたら？ 供述は後で教えるから、戻ってきて＞
ミサ＜分かった＞
ミサ＜りょ＞