放課後
呼ばれたメンバーは担任のいない教室に集まってはみたが、何をするのかが問題だ。
大嫌いな担任のために何かをするなんて、誰もが嫌だった。

逢花「もう、帰ろうよ」
逢花はスクバを持って教室から出ようとした。
ミサ「逢花、まだダメ」
ミサが出ようとした逢花を止めた。
ミサ「今出たら作戦練ってないのばれて、内申下げられるよ」

ひかる「なにすればいいの、あいつのために」
京「校長に言って、学校から追い出す？」
ほのか「校長の履歴書もやばくなるでしょ」
ミサ「もう、なんであいつが担任なの?」

みんなの顔は、もう絶望に満ちていた。

ルナ「あいつがいけねぇんだ、別にこっちは何もしてない、あたしは帰る」

それに続いてみんなで帰ろうとした。
が、担任登場。

担任「お前ら、作戦を立ててもすぐ実行しないのか？誘拐されたらすぐに助けるべきだろ」

仕方なく、全員教室に逆戻り。
しかし手掛かりは何もなく、聞き込みも税金で無駄ともいえるカニを買うなんてことをばらすことと同じ。担任が「名誉棄損だ」とか言って騒ぐことは目に見えている。
どうすればいいのか、途方に暮れるしかなかった。

ルナ「とりあえず、教室にいた生徒全員にアリバイはある」
急にルナがしゃべりだした。
そういえば、この人推理小説が好きだった。きっと再現だろう。
ルナ「あたしは一番後ろの席だから、前の席の人たちの足元までは見えなかった」
太一「俺は一番前の席だったけど、後ろを向いていたから分からないんだよな」
ほのか「私は席に戻ってすぐに宿題をやっていて前は向いてなかった」
航輔「寝てた」
逢花「前をずっと見る必要ないよね？だから、ずっと校庭の木の葉っぱの数数えてた」
京「ダンスの振り付け考えてて、前向いてなかった」
はるか「席に戻ってく途中で先生が騒ぎだしたんだよねぇ～」
ミサ「つんと同じく」
そうた「後ろの人たちが笑ってきたから、後ろ向いてた」
ひかる「僕は何も見てないよ、だって、ツグミの座高が高くて前が見えないんだもん」
太一「それってある意味陰口じゃないか？」

気づくと、担任はいなくなっていた。

小さな声でほのかが言った。
「カメラらしきものは窓から捨てて」
みんなで探して、いくつか捨てた。
担任にここまで警戒するなんて、暗○教室と同じ状態並みじゃないかと感じた。

ほのか「じゃ、帰ろっか」

下校を促すチャイムが鳴った。