Happy Valentine!
「はいこれバレンタインのチョコ」
「は?」
そう言って俺の眼前に乱暴に突き出された、小さな四角いチョコレート。明らかにその辺のコンビニのお菓子コーナーに安値で置いてありそうなそのチョコレートを俺はおずおずと受け取って、慣れない手つきで包みを剥がして口の中へと放り込む。ほの甘いミルクチョコレートの風味と共に、中に埋め込まれていたアーモンドの固い食感を口内で暫く楽しみながら静かにチョコレートを嚥下すると、彼女は満足気な顔をして俺の頭を撫でた。
「ホウオウ、美味しかった?」
「…安っぽい味だが食えんことは無いな」
「相変わらず素直じゃないねえ」
眉尻を下げて呆れたようにそう言って笑った俺の主は、俺の手中からチョコレートの包み紙を奪うと、それを小さく丸めてゴミ箱へポイっと放り込んだ。
「来年はもっと良いやつくれよ」
「貴方が良い子にしてたらね」
何だそれ、俺はいつでも良い子だろ。とムッとしながら反論すれば、そういうとこだぞと彼女に笑われてしまった。曰く「貰えるだけマシだと思え」という事らしい。
┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈
数ヶ月前に更新履歴に置いて温めてたバレンタインのゆめしょです。
本当は少しだけ加筆を加えてmainページに載せる予定だったのですが、管理人のイヴがバレンタイン当日にインフルエンザにかかってしまっていてサイト更新どころじゃなかったので、今更ながらここに供養する事にします。
「は?」
そう言って俺の眼前に乱暴に突き出された、小さな四角いチョコレート。明らかにその辺のコンビニのお菓子コーナーに安値で置いてありそうなそのチョコレートを俺はおずおずと受け取って、慣れない手つきで包みを剥がして口の中へと放り込む。ほの甘いミルクチョコレートの風味と共に、中に埋め込まれていたアーモンドの固い食感を口内で暫く楽しみながら静かにチョコレートを嚥下すると、彼女は満足気な顔をして俺の頭を撫でた。
「ホウオウ、美味しかった?」
「…安っぽい味だが食えんことは無いな」
「相変わらず素直じゃないねえ」
眉尻を下げて呆れたようにそう言って笑った俺の主は、俺の手中からチョコレートの包み紙を奪うと、それを小さく丸めてゴミ箱へポイっと放り込んだ。
「来年はもっと良いやつくれよ」
「貴方が良い子にしてたらね」
何だそれ、俺はいつでも良い子だろ。とムッとしながら反論すれば、そういうとこだぞと彼女に笑われてしまった。曰く「貰えるだけマシだと思え」という事らしい。
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数ヶ月前に更新履歴に置いて温めてたバレンタインのゆめしょです。
本当は少しだけ加筆を加えてmainページに載せる予定だったのですが、管理人のイヴがバレンタイン当日にインフルエンザにかかってしまっていてサイト更新どころじゃなかったので、今更ながらここに供養する事にします。