イベルタル
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「愛してるわ、イベルタル」
私はそう言って、彼の事をぎゅっと抱き締める。あなたをどうしようもなく愛してしまったの。私をこんなに愚かな女にした責任を取って頂戴よ。
「ナマエ、やめろ。そんな言葉を俺に吐くな」
だが彼は怯えたように声を震わせながら私の体をそっと押し返すと、耐えきれなくなったかのように青色の瞳からポロポロと涙を流してそのまま両手で顔を覆った。
彼は愛を知らないのだ。私のような小娘とは違って、ずっと疎まれながら長い長い時を生きてきたのだから。愛してもいずれ自分で破壊してしまう。そして疎まれ、怖がられ、愛されることのなかった惨めな子。それが彼なのだから。
「こらイベルタル、泣かないの。折角の格好良い顔が台無しじゃない」
私はそう言って彼の背中をそっと擦る。その背中はまだ震えていて、男性の大きな背中だとはとても思えなかった。
「ねぇイベルタル、お願いがあるの」
「なんだ?ナマエ」
彼は涙を必死に拭いながら私にそう尋ねる。その仕草があまりに可愛らしくて、つい笑ってしまいそうになるだらしのない表情筋を必死に抑えた。
「私の事抱き締めてよ、思いっきり」
「そんな事をしては、また壊してしまう」
「そんなに私ヤワじゃないわよ」
「でも、俺は」
「愛してるわ、イベルタル。ねぇ、あなたも私の事、思いっきり愛してよ」
「……わかった」
彼は消え入りそうな声でそう言うと、ゆっくりとその両腕を私の背中に回した。私も彼の大きな体に腕を回してぎゅっと力を込めて抱きしめ返し、彼の胸元にそっと顔を埋めた。
あなたは疎まれるような存在じゃないわ。それに、私はあなたを怖いだなんて絶対に思わない。だってこんなにも愛しているんだもの。
背中に回されていた彼の腕の力が少し弱まる。どうしたのかと思い彼を見上げると、彼は恐る恐ると言った様子で私の顔に手を伸ばした。その手は私の頰に触れるか触れないかの所で止まり、躊躇うように震えていた。そしてやがて決心したように私の手を軽く握ると、イベルタルはその指で私の唇にそっと触れる。
「…してくれないの?」
「どうしても怖いんだ。知らない内にナマエの生命を吸ってしまいそうで」
「いくじなしね」
私はそう言って小さく笑い、イベルタルの赤い髪をそっと撫でた。するとイベルタルもそれに釣られて、少し安堵したように表情を和らげた。
私達はそのまましばらくの間何も言わずに身を寄せ合う。あなたの不安が晴れるまでいくらでも待つわ、それぐらい待ってあげるわよ。だって好きなんですもの、馬鹿な女と嗤ってもいいわ。
私はあなたのトレーナーなんだから。あなたの事を1番愛してあげられる存在だもの。生命を吸われようが何されようが、ずっとあなたの味方よ。
私はそう言って、彼の事をぎゅっと抱き締める。あなたをどうしようもなく愛してしまったの。私をこんなに愚かな女にした責任を取って頂戴よ。
「ナマエ、やめろ。そんな言葉を俺に吐くな」
だが彼は怯えたように声を震わせながら私の体をそっと押し返すと、耐えきれなくなったかのように青色の瞳からポロポロと涙を流してそのまま両手で顔を覆った。
彼は愛を知らないのだ。私のような小娘とは違って、ずっと疎まれながら長い長い時を生きてきたのだから。愛してもいずれ自分で破壊してしまう。そして疎まれ、怖がられ、愛されることのなかった惨めな子。それが彼なのだから。
「こらイベルタル、泣かないの。折角の格好良い顔が台無しじゃない」
私はそう言って彼の背中をそっと擦る。その背中はまだ震えていて、男性の大きな背中だとはとても思えなかった。
「ねぇイベルタル、お願いがあるの」
「なんだ?ナマエ」
彼は涙を必死に拭いながら私にそう尋ねる。その仕草があまりに可愛らしくて、つい笑ってしまいそうになるだらしのない表情筋を必死に抑えた。
「私の事抱き締めてよ、思いっきり」
「そんな事をしては、また壊してしまう」
「そんなに私ヤワじゃないわよ」
「でも、俺は」
「愛してるわ、イベルタル。ねぇ、あなたも私の事、思いっきり愛してよ」
「……わかった」
彼は消え入りそうな声でそう言うと、ゆっくりとその両腕を私の背中に回した。私も彼の大きな体に腕を回してぎゅっと力を込めて抱きしめ返し、彼の胸元にそっと顔を埋めた。
あなたは疎まれるような存在じゃないわ。それに、私はあなたを怖いだなんて絶対に思わない。だってこんなにも愛しているんだもの。
背中に回されていた彼の腕の力が少し弱まる。どうしたのかと思い彼を見上げると、彼は恐る恐ると言った様子で私の顔に手を伸ばした。その手は私の頰に触れるか触れないかの所で止まり、躊躇うように震えていた。そしてやがて決心したように私の手を軽く握ると、イベルタルはその指で私の唇にそっと触れる。
「…してくれないの?」
「どうしても怖いんだ。知らない内にナマエの生命を吸ってしまいそうで」
「いくじなしね」
私はそう言って小さく笑い、イベルタルの赤い髪をそっと撫でた。するとイベルタルもそれに釣られて、少し安堵したように表情を和らげた。
私達はそのまましばらくの間何も言わずに身を寄せ合う。あなたの不安が晴れるまでいくらでも待つわ、それぐらい待ってあげるわよ。だって好きなんですもの、馬鹿な女と嗤ってもいいわ。
私はあなたのトレーナーなんだから。あなたの事を1番愛してあげられる存在だもの。生命を吸われようが何されようが、ずっとあなたの味方よ。
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