ケモノとヒトのコ
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そんな感じで母に見送られながら、また私は地図を片手にリュックを背に家を出て言った。…今回は行く場所も目的もちゃんと定められている為、闇雲に強さを求めて旅していたあの頃よりもゆったりした旅路になりそうだ。
お父さんを探すついでに、行ったことのない場所にも行ってみたいな。あの時はジムやらリーグやら目指して一直線だったから、寄り道なんてほとんどして来なかったしね。
「よし、まずは下調べしてた無人発電所に行こう!」
ここから無人発電所までは結構遠い。それに加えて私の手持ちにはひこうタイプの子が居ないため、地道にせっせかせっせか歩いて行くしかないのである。…母のリザードンを借りてくれば良かったと落胆したが、生憎母のリザードンは意地っぱりで見栄っ張りな超お坊ちゃま気質の為、母の言う事以外全く聞かないのだ。まあ何やかんや私が小さかった頃は背中に乗せて遊んでくれてたけどね!まあそんな事はさておき。
*
「ぜえ…はぁ…そうだった…お月見山を超えなきゃ、発電所まで行けないんだった…」
現在地点はお月見山の頂上辺りだろうか。マサラタウンからトキワの森を超えてニビシティへと辿り着くまでおよそ半日。ニビシティのポケモンセンターで一泊してから進もうと思っていたのだが、生憎満室だった為ちょっとだけ無理してお月見山を数時間かけて登り、頂上でテントを貼って野宿する事となった。
「ウインディ、カメックス、今晩御飯用意するからね」
テントの周囲を見張ってくれている2匹にそう声を掛けて、私は母から押し付け…否、用意して貰ったレトルト食品をリュックから取り出すと、それをウインディの炎で起こした焚き火で温めて1人と2匹で分け合って食べた。小さい頃は母の料理ばかり食べていた為こういった物を口に入れた事は無いに等しかったが、旅をしていれば野宿する機会も多かった為、この添加物だらけの味にも自然と慣れてしまった。
ウインディとカメックスの口元を拭きながら「美味しかったね」と話し掛けてみるも、聞こえてくる返事はいつも通りの鳴き声のみ。確かに自分でも母の血の方を濃く遺伝した自覚はあるが、一応ポケモンの血も少しばかり入っているのだから、ポケモンと話す事が出来たり、1部の技を使う事が出来たら良かったのに。これじゃあただの人間と相違ないではないか。いやまあ昨日まで父の正体がポケモンという事すら知らなかった為、この十数年間自分の事をただの人間と思い込んで過ごして来てはいたが…こうも父要素が薄いと、何だか不安だ。
「明日こそは無人発電所まで行こうね、2匹とも」
地図を取り出してハナダとイワヤマトンネルの先にある無人発電所を指で差しながらそう言えば、2匹とも私の頭に身体をすりすりと擦り寄せながら眠る体制に入った。微笑ましくそれを見て、私も寝袋の中で静かに目を閉じたのだった。
お父さんを探すついでに、行ったことのない場所にも行ってみたいな。あの時はジムやらリーグやら目指して一直線だったから、寄り道なんてほとんどして来なかったしね。
「よし、まずは下調べしてた無人発電所に行こう!」
ここから無人発電所までは結構遠い。それに加えて私の手持ちにはひこうタイプの子が居ないため、地道にせっせかせっせか歩いて行くしかないのである。…母のリザードンを借りてくれば良かったと落胆したが、生憎母のリザードンは意地っぱりで見栄っ張りな超お坊ちゃま気質の為、母の言う事以外全く聞かないのだ。まあ何やかんや私が小さかった頃は背中に乗せて遊んでくれてたけどね!まあそんな事はさておき。
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「ぜえ…はぁ…そうだった…お月見山を超えなきゃ、発電所まで行けないんだった…」
現在地点はお月見山の頂上辺りだろうか。マサラタウンからトキワの森を超えてニビシティへと辿り着くまでおよそ半日。ニビシティのポケモンセンターで一泊してから進もうと思っていたのだが、生憎満室だった為ちょっとだけ無理してお月見山を数時間かけて登り、頂上でテントを貼って野宿する事となった。
「ウインディ、カメックス、今晩御飯用意するからね」
テントの周囲を見張ってくれている2匹にそう声を掛けて、私は母から押し付け…否、用意して貰ったレトルト食品をリュックから取り出すと、それをウインディの炎で起こした焚き火で温めて1人と2匹で分け合って食べた。小さい頃は母の料理ばかり食べていた為こういった物を口に入れた事は無いに等しかったが、旅をしていれば野宿する機会も多かった為、この添加物だらけの味にも自然と慣れてしまった。
ウインディとカメックスの口元を拭きながら「美味しかったね」と話し掛けてみるも、聞こえてくる返事はいつも通りの鳴き声のみ。確かに自分でも母の血の方を濃く遺伝した自覚はあるが、一応ポケモンの血も少しばかり入っているのだから、ポケモンと話す事が出来たり、1部の技を使う事が出来たら良かったのに。これじゃあただの人間と相違ないではないか。いやまあ昨日まで父の正体がポケモンという事すら知らなかった為、この十数年間自分の事をただの人間と思い込んで過ごして来てはいたが…こうも父要素が薄いと、何だか不安だ。
「明日こそは無人発電所まで行こうね、2匹とも」
地図を取り出してハナダとイワヤマトンネルの先にある無人発電所を指で差しながらそう言えば、2匹とも私の頭に身体をすりすりと擦り寄せながら眠る体制に入った。微笑ましくそれを見て、私も寝袋の中で静かに目を閉じたのだった。