ケモノとヒトのコ
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無人発電所を出て私達が向かった先は、ハナダシティのポケモンセンターだった。流石に2日連続で野宿する訳にもいかないし、何より父は一応珍しいポケモンなので、安全な場所であろう室内を選ぶのがベストだと思ったのだ。何より私自身まだまだ父と折り入って話したい事も沢山あったので、落ち着いて話せるのに越したことはない。
「夕食はルームサービスでもいい?」
「別に良いぜ」
取り敢えずテレビを付けて適当なニュースを2人で流し見していたが、最近の税率やら新しいポケモン博士だとかそんな難しそうな話ばっかりで、特に私たちの興味を引く様なニュースは流れて来なかった。気まづくなって壁に掛けられている時計をじっと見つめていると、隣に居た父が「もうすぐ夕方だな」と話しかけてきた。その言葉に「もうそんな時間なんだ」と返し、またつまらないニュースに耳を傾ける。
「ところで名前は元気でやってんのか?」
「お母さん?勿論すっごい元気だよ。相変わらず朝弱いし感性はちょっと他の母親と比べてズレてるけど、その分強い人だし」
「そうか…変わんねえなあいつは」
そんな短い会話を繰り返していると、腰に付けていたボールの中からウインディとカメックスがポンと飛び出してきた。私のリュックの中やらテーブルの上やらを嗅ぎ回っている所を見るに、どうやら空腹で外に出てきたらしい。そんな2匹に「もう少しでルームサービス来るからね」と言って頭を撫でてやれば、理解してくれたのか2匹は大人しく私とお父さんの間に座って欠伸を一つ零した。そんな2匹の様子が移ったのか、私からも欠伸が零れる。
「そうだなまえ、家に帰る前に寄りてえ所があるんだが、別に良いか?」
「うん、別に大丈夫だよ。何処?」
そう言ってリュックから地図を取り出して机の上に広げると、父はここハナダシティから遠く離れたふたごじまを指さして、小さく「ここだ」と呟いた。
「ふたごじま?」
「あぁ。お前達と離れてた時に世話になった奴が此処にいてな。帰る前に一言言ってやりてえんだ」
「…分かった。でも遠いから、お父さんに乗って行こう。あんまりお母さんを待たせる訳にもいかないし」
「…それもそうだな」
「ところでお世話になった人って?」
「それは会ってからのお楽しみってやつだ」
話が一段落した所でまた時計を見てみると、もうすぐルームサービスが到着する時間だった。その事を父に伝えると、「じゃあその間に一服出来るな」と言って煙草を取り出すと隣に居たウインディの火を借りてこの場で煙草を吸い始め、それと同時に副流煙がもくもくと部屋を舞った。それを見咎めて「お父さんベランダでそれ吸って!」とわざとらしく鼻と口を覆いながら訴えれば、「分かった分かった 」と苦笑混じりに父は煙草片手にベランダへと消えて行く。
その後ろ姿を溜息混じりに見つめ、私はウインディに「もうお父さんに火貸さないで良いからね」と言い付けながら、カメックスのツルツルした甲羅に背を預けてルームサービスが来るまで寛ぐのだった。
「夕食はルームサービスでもいい?」
「別に良いぜ」
取り敢えずテレビを付けて適当なニュースを2人で流し見していたが、最近の税率やら新しいポケモン博士だとかそんな難しそうな話ばっかりで、特に私たちの興味を引く様なニュースは流れて来なかった。気まづくなって壁に掛けられている時計をじっと見つめていると、隣に居た父が「もうすぐ夕方だな」と話しかけてきた。その言葉に「もうそんな時間なんだ」と返し、またつまらないニュースに耳を傾ける。
「ところで名前は元気でやってんのか?」
「お母さん?勿論すっごい元気だよ。相変わらず朝弱いし感性はちょっと他の母親と比べてズレてるけど、その分強い人だし」
「そうか…変わんねえなあいつは」
そんな短い会話を繰り返していると、腰に付けていたボールの中からウインディとカメックスがポンと飛び出してきた。私のリュックの中やらテーブルの上やらを嗅ぎ回っている所を見るに、どうやら空腹で外に出てきたらしい。そんな2匹に「もう少しでルームサービス来るからね」と言って頭を撫でてやれば、理解してくれたのか2匹は大人しく私とお父さんの間に座って欠伸を一つ零した。そんな2匹の様子が移ったのか、私からも欠伸が零れる。
「そうだなまえ、家に帰る前に寄りてえ所があるんだが、別に良いか?」
「うん、別に大丈夫だよ。何処?」
そう言ってリュックから地図を取り出して机の上に広げると、父はここハナダシティから遠く離れたふたごじまを指さして、小さく「ここだ」と呟いた。
「ふたごじま?」
「あぁ。お前達と離れてた時に世話になった奴が此処にいてな。帰る前に一言言ってやりてえんだ」
「…分かった。でも遠いから、お父さんに乗って行こう。あんまりお母さんを待たせる訳にもいかないし」
「…それもそうだな」
「ところでお世話になった人って?」
「それは会ってからのお楽しみってやつだ」
話が一段落した所でまた時計を見てみると、もうすぐルームサービスが到着する時間だった。その事を父に伝えると、「じゃあその間に一服出来るな」と言って煙草を取り出すと隣に居たウインディの火を借りてこの場で煙草を吸い始め、それと同時に副流煙がもくもくと部屋を舞った。それを見咎めて「お父さんベランダでそれ吸って!」とわざとらしく鼻と口を覆いながら訴えれば、「分かった分かった 」と苦笑混じりに父は煙草片手にベランダへと消えて行く。
その後ろ姿を溜息混じりに見つめ、私はウインディに「もうお父さんに火貸さないで良いからね」と言い付けながら、カメックスのツルツルした甲羅に背を預けてルームサービスが来るまで寛ぐのだった。