Extraordinary!
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「野球バットでも無理かあ...」
脱出する為の道具を探し始めて早数十分。バスケットボールを扉に向かって全力投球してみたり、錆び付いた備え付けの部分をテニスラケットを使ってグリグリと押してみたり。そんな風に色々と試行錯誤を繰り返してはみたが、案の定倉庫の扉は開いてくれなかった。扉が壊れてくれる可能性が1番高いであろう野球バットでさえ効果はいまひとつ。この様な無惨な結果で終わってしまい、ナマエの心はとうとうぽっきりと折れてしまった。
「うぅ、帰りたいよお...先生...お父さん...お母さん...」
頬に涙が伝ってゆくのを感じながら、ナマエは倉庫の床へと力無くへたりこんでしまった。元々体力が少ないのに加え、テニス部での活動を終えて体力を消耗していた後に何度もバスケットボールを全力で投げたり野球バットを重たい扉に向かって思いっきり振ったりしたのだから、普段部活と授業以外でろくに運動もしない10代そこそこの少女であるナマエの体力が底をついてしまうのは至極当然の事と言えるだろう。
そんな中、力尽きてぐったりと座り込んでいるナマエが涙で濡れた目元を擦りながら倉庫の中を見渡していると、倉庫の隅で何かがキラリと光ったのが見えた。何だろうと思い恐る恐るそこへ近づいてみると、それは白く大きい水晶玉(のようなもの)であった。外の光を通す隙間も窓も無いこの暗い倉庫内で、不自然な程キラキラ光っているその白い玉は、この空間には些かミスマッチな代物に感じる。
「綺麗だけど...何だろう、これ」
その玉を無遠慮にペタペタと触りながら、ナマエはじっとそれを見つめていた。野球ボール程度のサイズをしたそれが運動で使われる様な物で無い事は一目瞭然であったが、ならばこの宝石の様な白い玉が一体何であるのかまではナマエにも流石に分からなかった。取り敢えず倉庫内が暗すぎる為、眩く光っているこの玉を肌身離さず持っている事にしたは良いが、だからと言ってこの倉庫から脱出出来る糸口が見つかったのかと言われればそうでも無い。
「警備員さんが誰かが、見つけてくれれば1番良いのだけれど...」
そんな事をぼやきながら、手中にある白い玉をじっと見つめるナマエ。今1番すべき事はこの玉の明るさを借りて扉を壊せそうな道具をもう一度隈なく探す事だと頭では理解しているのだが、ずっと暗い閉所にいるせいか、ナマエの精神は段々と弱ってきていた。それに加えて部活動で体力をかなり消耗していたのに加え、数時間前の昼食以降何も口に出来ていないせいか空腹感にまで襲われている始末。ナマエは身体的にも精神的にもボロボロであった。
「少しだけ眠っても、大丈夫だよね...」
運が良ければここで眠っている自分を、見回りに来る警備員の人が見つけてくれるだろう。こんなグラウンドの隅っこの錆れた倉庫にまで巡回に来てくれるかは分からないが、今はその小さな可能性に賭けてみるしかない。
ーー次に起きた時、自分はここから出られていますように。
ナマエは心の中でそう唱えると、重たく下がって来ていた瞼を自分からそっと閉じて意識を手放した。
脱出する為の道具を探し始めて早数十分。バスケットボールを扉に向かって全力投球してみたり、錆び付いた備え付けの部分をテニスラケットを使ってグリグリと押してみたり。そんな風に色々と試行錯誤を繰り返してはみたが、案の定倉庫の扉は開いてくれなかった。扉が壊れてくれる可能性が1番高いであろう野球バットでさえ効果はいまひとつ。この様な無惨な結果で終わってしまい、ナマエの心はとうとうぽっきりと折れてしまった。
「うぅ、帰りたいよお...先生...お父さん...お母さん...」
頬に涙が伝ってゆくのを感じながら、ナマエは倉庫の床へと力無くへたりこんでしまった。元々体力が少ないのに加え、テニス部での活動を終えて体力を消耗していた後に何度もバスケットボールを全力で投げたり野球バットを重たい扉に向かって思いっきり振ったりしたのだから、普段部活と授業以外でろくに運動もしない10代そこそこの少女であるナマエの体力が底をついてしまうのは至極当然の事と言えるだろう。
そんな中、力尽きてぐったりと座り込んでいるナマエが涙で濡れた目元を擦りながら倉庫の中を見渡していると、倉庫の隅で何かがキラリと光ったのが見えた。何だろうと思い恐る恐るそこへ近づいてみると、それは白く大きい水晶玉(のようなもの)であった。外の光を通す隙間も窓も無いこの暗い倉庫内で、不自然な程キラキラ光っているその白い玉は、この空間には些かミスマッチな代物に感じる。
「綺麗だけど...何だろう、これ」
その玉を無遠慮にペタペタと触りながら、ナマエはじっとそれを見つめていた。野球ボール程度のサイズをしたそれが運動で使われる様な物で無い事は一目瞭然であったが、ならばこの宝石の様な白い玉が一体何であるのかまではナマエにも流石に分からなかった。取り敢えず倉庫内が暗すぎる為、眩く光っているこの玉を肌身離さず持っている事にしたは良いが、だからと言ってこの倉庫から脱出出来る糸口が見つかったのかと言われればそうでも無い。
「警備員さんが誰かが、見つけてくれれば1番良いのだけれど...」
そんな事をぼやきながら、手中にある白い玉をじっと見つめるナマエ。今1番すべき事はこの玉の明るさを借りて扉を壊せそうな道具をもう一度隈なく探す事だと頭では理解しているのだが、ずっと暗い閉所にいるせいか、ナマエの精神は段々と弱ってきていた。それに加えて部活動で体力をかなり消耗していたのに加え、数時間前の昼食以降何も口に出来ていないせいか空腹感にまで襲われている始末。ナマエは身体的にも精神的にもボロボロであった。
「少しだけ眠っても、大丈夫だよね...」
運が良ければここで眠っている自分を、見回りに来る警備員の人が見つけてくれるだろう。こんなグラウンドの隅っこの錆れた倉庫にまで巡回に来てくれるかは分からないが、今はその小さな可能性に賭けてみるしかない。
ーー次に起きた時、自分はここから出られていますように。
ナマエは心の中でそう唱えると、重たく下がって来ていた瞼を自分からそっと閉じて意識を手放した。