Extraordinary!
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元の世界の倉庫で出会った不思議な玉との再会を果たした後、昼食を食べ終えてスイクンさんと一緒に夕食の買い出しに行こうという話になった。私としても、別の世界から来た人間だからといってスイクンさんの屋敷にいつまでも引きこもっている訳にはいかないと思っていたので、有難くそのお誘いに乗らせて頂く事にした。…実はほんの少しだけポケモンの世界を生身で体験出来る事に対して心を踊らせているのは内緒だ。
「せや!夕食の買い出しついでにナマエの服とかも買いに行かん?俺、もし自分に娘がおったらすっごい可愛く着飾らせてみたかったんやけど…」
「そ、それはすっごく有難いです!いつまでもスイクンさんのお洋服借り続ける訳にもいかないと思ってたので…!」
あの白い玉を除いて、私が元の世界から持って来れた物はこの五体満足の身体と、部活動に参加するにあたって身に付けていた学校指定の体操服だけだった。なので体操服を洗濯している間はずっとスイクンさんの服を借りていたのだが、まあ当然サイズとか丈とか長さとか、私には何もかも合っていなかった。それに、服を着ているというよりも服に着られているような感じがして、どうにもスイクンさんの服を着ていると落ち着かなかったのだ。
だが私だけを屋敷に残してスイクンさん1人に女物の服を買いに行かせる訳にもいかない。私の背丈や服のサイズなどは流石にスイクンさんには分からないだろうし、何よりスイクンさんにも面子というものがある。ただでさえ珍しいポケモンかつ目立つ容姿をした人なのに、女性服売り場に男性1人で乗り込ませて更に目立たせる訳にもいかない。その為スイクンさんに服を貸してもらう度に申し訳ないと謝られていたのだが、こちらも服を貸してもらう身で余計な事は口に出来ず、私もスイクンさんもこの衣服問題に関してはかなり参っていたのだ。
「それじゃあ準備したらすぐ出よか。今俺がちゃちゃっと皿全部洗っとくから、ナマエはその間に準備終わらせといで」
「分かりました!」
*
という訳で、私はスイクンさんと手を繋いで一緒にエンジュシティにあるデパートの服屋を巡る事になった。父親以外の異性と手を繋ぐなんて初めての事だったので最初はやんわりと断っていたのだが、あまりに人混みが激しくてすぐ迷子になってしまいそうだったので、やむを得ず手を繋がせて貰うことにしたのだ。まあスイクンさんは私よりも遥かに年上だし、この世界でいう私の保護者的存在の人なので、そこまで手を繋ぐことに抵抗がある訳では無かった。ていうかスイクンさんの手冷たすぎないかな。もしかして水タイプなのが関係しているのだろうか。
「ん〜…このブラウス、フリルがいっぱい付いとって可愛ええなあ。ナマエが着たらお人形さんみたいになってええんちゃう?…あ、でもこっちの白いワンピースもええな…やっぱり若い女の子は何でも似合うから、色んな服着せたくなるわあ」
そう言って私以上に服選びを楽しんでいるスイクンさんに着せ替え人形にされながら、私は色々な服を試着させられていた。流石に肩やら足が出過ぎている派手な服は断らせて貰ったが、スイクンさんの選ぶ服のセンスがとても良かった為、私もスイクンさんに負けず劣らず凄くこの服選びの時間を楽しませてもらっていた。ワンピースやらスカートやらブラウスやらニットなど、スイクンさんと私のお眼鏡に叶った物はどんどんカゴの中に入れられ、最終的に滅茶苦茶高そうなお店のブローチやらネックレスなどを買おうとしたスイクンさんを全力で止める羽目になったが、まあそれもそれで良い思い出だ。…どこからお金出てるんだろこの人。
「え〜、ナマエにこのネックレスとか髪飾りとか似合うと思うんに…お金なら心配あらへんで?」
「流石に養ってもらってる身でこんな高い物を幾つも買っていただく訳には…!」
「さよか…」
「捨てられた子犬の様な目で見ても駄目です…!それにもし買って頂いたとしても、汚したり壊したりした時に申し訳なさ過ぎて付けれませんから!」
数日一緒に過ごしてみて分かったのだが、スイクンさんは多分めっちゃ子煩悩なタイプの人だ。料理も上手だし優しいし気になった事は何でも教えてくれるし…このままだと私、元の世界に帰る頃にはすっかり自堕落なダメ人間になってしまうのでは?スイクンさん無しで生きられなくなったらどうしよう。スイクンさん責任取ってくれるかな。
…なんて事を考えながら、私はスイクンさんに服やら靴やらが入った紙袋をいくつも持って貰いながら、一緒に夕飯の買い出しの為に食料品売り場へと足を進めるのだった。ちなみに服屋でお会計を終えた後、私が店員さんから紙袋を受け取ったはずなのだが、気が付いたらスイクンさんに荷物を全部奪われてしまっていた。元の世界の両親以上に甘やかされている気がするのは、私の気の所為だと思いたい。
「せや!夕食の買い出しついでにナマエの服とかも買いに行かん?俺、もし自分に娘がおったらすっごい可愛く着飾らせてみたかったんやけど…」
「そ、それはすっごく有難いです!いつまでもスイクンさんのお洋服借り続ける訳にもいかないと思ってたので…!」
あの白い玉を除いて、私が元の世界から持って来れた物はこの五体満足の身体と、部活動に参加するにあたって身に付けていた学校指定の体操服だけだった。なので体操服を洗濯している間はずっとスイクンさんの服を借りていたのだが、まあ当然サイズとか丈とか長さとか、私には何もかも合っていなかった。それに、服を着ているというよりも服に着られているような感じがして、どうにもスイクンさんの服を着ていると落ち着かなかったのだ。
だが私だけを屋敷に残してスイクンさん1人に女物の服を買いに行かせる訳にもいかない。私の背丈や服のサイズなどは流石にスイクンさんには分からないだろうし、何よりスイクンさんにも面子というものがある。ただでさえ珍しいポケモンかつ目立つ容姿をした人なのに、女性服売り場に男性1人で乗り込ませて更に目立たせる訳にもいかない。その為スイクンさんに服を貸してもらう度に申し訳ないと謝られていたのだが、こちらも服を貸してもらう身で余計な事は口に出来ず、私もスイクンさんもこの衣服問題に関してはかなり参っていたのだ。
「それじゃあ準備したらすぐ出よか。今俺がちゃちゃっと皿全部洗っとくから、ナマエはその間に準備終わらせといで」
「分かりました!」
*
という訳で、私はスイクンさんと手を繋いで一緒にエンジュシティにあるデパートの服屋を巡る事になった。父親以外の異性と手を繋ぐなんて初めての事だったので最初はやんわりと断っていたのだが、あまりに人混みが激しくてすぐ迷子になってしまいそうだったので、やむを得ず手を繋がせて貰うことにしたのだ。まあスイクンさんは私よりも遥かに年上だし、この世界でいう私の保護者的存在の人なので、そこまで手を繋ぐことに抵抗がある訳では無かった。ていうかスイクンさんの手冷たすぎないかな。もしかして水タイプなのが関係しているのだろうか。
「ん〜…このブラウス、フリルがいっぱい付いとって可愛ええなあ。ナマエが着たらお人形さんみたいになってええんちゃう?…あ、でもこっちの白いワンピースもええな…やっぱり若い女の子は何でも似合うから、色んな服着せたくなるわあ」
そう言って私以上に服選びを楽しんでいるスイクンさんに着せ替え人形にされながら、私は色々な服を試着させられていた。流石に肩やら足が出過ぎている派手な服は断らせて貰ったが、スイクンさんの選ぶ服のセンスがとても良かった為、私もスイクンさんに負けず劣らず凄くこの服選びの時間を楽しませてもらっていた。ワンピースやらスカートやらブラウスやらニットなど、スイクンさんと私のお眼鏡に叶った物はどんどんカゴの中に入れられ、最終的に滅茶苦茶高そうなお店のブローチやらネックレスなどを買おうとしたスイクンさんを全力で止める羽目になったが、まあそれもそれで良い思い出だ。…どこからお金出てるんだろこの人。
「え〜、ナマエにこのネックレスとか髪飾りとか似合うと思うんに…お金なら心配あらへんで?」
「流石に養ってもらってる身でこんな高い物を幾つも買っていただく訳には…!」
「さよか…」
「捨てられた子犬の様な目で見ても駄目です…!それにもし買って頂いたとしても、汚したり壊したりした時に申し訳なさ過ぎて付けれませんから!」
数日一緒に過ごしてみて分かったのだが、スイクンさんは多分めっちゃ子煩悩なタイプの人だ。料理も上手だし優しいし気になった事は何でも教えてくれるし…このままだと私、元の世界に帰る頃にはすっかり自堕落なダメ人間になってしまうのでは?スイクンさん無しで生きられなくなったらどうしよう。スイクンさん責任取ってくれるかな。
…なんて事を考えながら、私はスイクンさんに服やら靴やらが入った紙袋をいくつも持って貰いながら、一緒に夕飯の買い出しの為に食料品売り場へと足を進めるのだった。ちなみに服屋でお会計を終えた後、私が店員さんから紙袋を受け取ったはずなのだが、気が付いたらスイクンさんに荷物を全部奪われてしまっていた。元の世界の両親以上に甘やかされている気がするのは、私の気の所為だと思いたい。