サンダー
Name Change
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森を散歩していたら、傷だらけの男とぶつかった。ポケモンの毒を受けていた様で、放っておけばすぐに死んでしまいそうな状態だ。
生憎自分はお人好しな性分では無いのだが、流石にこんな状態の人に対して見て見ぬふりが出来るほど落ちぶれてはいなかった様で。
「大丈夫?」
彼の頬にある薄紫色の痣を見つめながら、そんな風に声をかけてみたら。
「これみて大丈夫に見えるのかよ、クソ女」
初対面の女性に対してその呼び方は如何なものかと少々不快な気分にはなったが、傷だらけの状態でそんな減らず口を叩かれても怖いわけが無い。
「ひとまずこっちにおいでよ」
彼の手を引いて、隠れるのに丁度良い茂みの中へ連れて行く。何度も手を振り払われそうになったが、「手当てするから」と言ってキズぐすりをチラつかせれば嘘のように大人しくなった。
もう一度言うが、私は別にお人好しな性格の訳では無い。ただこうして鉢合わせた手前、放っておくのも忍びないだけだ。
「ほら、腕出して」
「…別に手当なんぞ頼んでねえよ」
「いいから出して」
「…」
男性とは思えない程細いその傷だらけの身体に手当を施し、毒も薬で綺麗さっぱりと身体から消してやる。鞄の奥深くに眠っていたおいしいみずを飲ませて暫く待てば、徐々に彼の息が落ち着いて来たのが分かった。
それじゃあ手当もしたしこれでさようなら、という訳にもいかなくなってきたので、どうしてこんなに弱っているのか理由を聞いてみる事にしてみる。手当てを終えたら帰ろうと思っていたのに、今日の私は気でも狂っているのだろうか。そうとしか考えようがない。
「どうしてこんな状態に?」
「…追われてたんだよ」
「追われるような事したの?」
「…違ぇよ」
「俺の種族が珍しいから…だから皆俺を狙うんだ」と、彼は目を伏せてポツリと零した。
「種族って…貴方名前は?」
「…人間なんぞに教えるかよ」
「手当してあげたじゃない」
「…サンダー」
「サンダー」と、今聞いたその名前を私は反芻させる。私のような一般人でも名前だけは聞いた事がある、伝説の鳥ポケモン。
「サンダー」
「何だよ、手当て受けてやったんだからもう良いだろ」
そう言って茂みから立ち去ろうとするサンダーを放っておけず、私は彼にこう言った。
「サンダーさえ良ければ、私のポケモンにならない?」
「…は?」
「だって、このままだとまた狙われちゃうでしょ」と言って、私は鞄の中から赤と白のモンスターボールを取り出す。
「悪い提案じゃないと思うけど」
「…良いのかよ、お前は」
「別に構わないよ、これでもトレーナーだし」
「だからさ、おいでよ」と言った直後、おずおずとモンスターボールに触れられたサンダーの指先。その直後にカチリと音が鳴って、モンスターボールに僅かな重みが増した。
「よろしくね、サンダー」
赤と白のモンスターボールを撫でて、私はそっと呟いた。さてと、取り敢えずポケモンセンター行かないと。
生憎自分はお人好しな性分では無いのだが、流石にこんな状態の人に対して見て見ぬふりが出来るほど落ちぶれてはいなかった様で。
「大丈夫?」
彼の頬にある薄紫色の痣を見つめながら、そんな風に声をかけてみたら。
「これみて大丈夫に見えるのかよ、クソ女」
初対面の女性に対してその呼び方は如何なものかと少々不快な気分にはなったが、傷だらけの状態でそんな減らず口を叩かれても怖いわけが無い。
「ひとまずこっちにおいでよ」
彼の手を引いて、隠れるのに丁度良い茂みの中へ連れて行く。何度も手を振り払われそうになったが、「手当てするから」と言ってキズぐすりをチラつかせれば嘘のように大人しくなった。
もう一度言うが、私は別にお人好しな性格の訳では無い。ただこうして鉢合わせた手前、放っておくのも忍びないだけだ。
「ほら、腕出して」
「…別に手当なんぞ頼んでねえよ」
「いいから出して」
「…」
男性とは思えない程細いその傷だらけの身体に手当を施し、毒も薬で綺麗さっぱりと身体から消してやる。鞄の奥深くに眠っていたおいしいみずを飲ませて暫く待てば、徐々に彼の息が落ち着いて来たのが分かった。
それじゃあ手当もしたしこれでさようなら、という訳にもいかなくなってきたので、どうしてこんなに弱っているのか理由を聞いてみる事にしてみる。手当てを終えたら帰ろうと思っていたのに、今日の私は気でも狂っているのだろうか。そうとしか考えようがない。
「どうしてこんな状態に?」
「…追われてたんだよ」
「追われるような事したの?」
「…違ぇよ」
「俺の種族が珍しいから…だから皆俺を狙うんだ」と、彼は目を伏せてポツリと零した。
「種族って…貴方名前は?」
「…人間なんぞに教えるかよ」
「手当してあげたじゃない」
「…サンダー」
「サンダー」と、今聞いたその名前を私は反芻させる。私のような一般人でも名前だけは聞いた事がある、伝説の鳥ポケモン。
「サンダー」
「何だよ、手当て受けてやったんだからもう良いだろ」
そう言って茂みから立ち去ろうとするサンダーを放っておけず、私は彼にこう言った。
「サンダーさえ良ければ、私のポケモンにならない?」
「…は?」
「だって、このままだとまた狙われちゃうでしょ」と言って、私は鞄の中から赤と白のモンスターボールを取り出す。
「悪い提案じゃないと思うけど」
「…良いのかよ、お前は」
「別に構わないよ、これでもトレーナーだし」
「だからさ、おいでよ」と言った直後、おずおずとモンスターボールに触れられたサンダーの指先。その直後にカチリと音が鳴って、モンスターボールに僅かな重みが増した。
「よろしくね、サンダー」
赤と白のモンスターボールを撫でて、私はそっと呟いた。さてと、取り敢えずポケモンセンター行かないと。
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