グラードン
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「寒いから温めて」
小さな声を震わせながらそう言って、ナマエが珍しく俺の胸に倒れ込んできた。普段は寒かろうが寂しかろうが全くと言っていい程くっついて来ない癖に、どんな心境の変化だ。と不思議に思いながら、その薄くて柔らかい身体を受け止める。
「寒いなら布団に入ってろよ」
その方が暖かいだろ。と逆張りして冷たくあしらえば、「グラードンが良いの」とナマエの口からそんな小さな返答が返って来た。俺と比べて随分と小さいその身体からは想像も出来ないほどに強い力で身体を抱き締められて、驚きと困惑でいっぱいになりながらも頭をそっと撫でてやる。
「何かあったのか」
出来るだけ優しい声を取り繕ってそう問いかけてみれば、鼻を啜る音に混じって「何にも、無いよ」と震えた声が返ってきた。嘘つけよ。と思ったが、敢えて深掘りはしない事にする。人には聞かれたくない事の一つや二つあるものだ。
ナマエが誰かに甘えたくなる時は、大体何か悲しい事があった時だけだ。その事を知っている俺が、ナマエを拒む事なんて出来るはずがない。
「落ち着くまでこうさせて」
「寒くなくなったら離れるから」と俺の身体を抱きしめたままそう言って、ナマエは俺の胸に顔を埋めたまま動かなくなった。ゆっくり背中を摩ってやれば、それに応えるように身動ぎするナマエ。
「10分以上経ったら据え膳と受け取るからな」
「何それ、理不尽」
理不尽なのはどっちだよ。と笑い飛ばしてやりたい気持ちをぐっと堪えて、俺はナマエの小さな身体を、持ち前のでかい図体でそっと抱きしめ返してやった。
寒いなら、俺が温めてやればいいだけの事。人間は脆いのだから、俺が守ってやらないと
「グラードンは温かいね」
「お前が冷たすぎるだけだ」
小さな声を震わせながらそう言って、ナマエが珍しく俺の胸に倒れ込んできた。普段は寒かろうが寂しかろうが全くと言っていい程くっついて来ない癖に、どんな心境の変化だ。と不思議に思いながら、その薄くて柔らかい身体を受け止める。
「寒いなら布団に入ってろよ」
その方が暖かいだろ。と逆張りして冷たくあしらえば、「グラードンが良いの」とナマエの口からそんな小さな返答が返って来た。俺と比べて随分と小さいその身体からは想像も出来ないほどに強い力で身体を抱き締められて、驚きと困惑でいっぱいになりながらも頭をそっと撫でてやる。
「何かあったのか」
出来るだけ優しい声を取り繕ってそう問いかけてみれば、鼻を啜る音に混じって「何にも、無いよ」と震えた声が返ってきた。嘘つけよ。と思ったが、敢えて深掘りはしない事にする。人には聞かれたくない事の一つや二つあるものだ。
ナマエが誰かに甘えたくなる時は、大体何か悲しい事があった時だけだ。その事を知っている俺が、ナマエを拒む事なんて出来るはずがない。
「落ち着くまでこうさせて」
「寒くなくなったら離れるから」と俺の身体を抱きしめたままそう言って、ナマエは俺の胸に顔を埋めたまま動かなくなった。ゆっくり背中を摩ってやれば、それに応えるように身動ぎするナマエ。
「10分以上経ったら据え膳と受け取るからな」
「何それ、理不尽」
理不尽なのはどっちだよ。と笑い飛ばしてやりたい気持ちをぐっと堪えて、俺はナマエの小さな身体を、持ち前のでかい図体でそっと抱きしめ返してやった。
寒いなら、俺が温めてやればいいだけの事。人間は脆いのだから、俺が守ってやらないと
「グラードンは温かいね」
「お前が冷たすぎるだけだ」
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