ギラティナ
Name Change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
部屋の隅に、何かいる。モゾモゾと蠢いた黒い塊がのような、''ナニか''が。
この世の物では無いのは一目瞭然だった。草むらでよく見かけるゴーストタイプのポケモンとは違う。本物の悪霊の類。
時刻は午前3時。丑三つ時。この世のものでは無ない奴らが1番活発になる時間。何でうちを憑代にしたのかは不明だが、招かれざる客である事に変わりはないので早く出て行ってもらいたい。
物珍しくてその黒い塊をじっと凝視してみる。深夜特有の昂った気分のせいで、普段の恐怖心はどこかに飛んで行っていた。我ながら、とても命知らずだと思う。
その黒い塊に1歩近づいてみた刹那、「こっちへおいで」と、黒い塊の方から私の方へと近付いてきてくれた。
嗚呼、もう少しで、触れる
そう思った刹那。
「人の物に手を出すな」
その声と同時に、パァンと弾けて消えた黒い塊。突然の事に吃驚して顔を上げてみると、鬼の形相をしたギラティナと目が合った。まるで親の仇を見る様な顔。と阿呆らしい事を想像したが、口に出す勇気は無かった。
「ギラティナ、」
今、一体何をしたの。と聞こうとすれば、「この馬鹿野郎!」と上から叱責が飛んできた。それでも尚訳が分からなくて目を白黒させていると、途端に頭へと降ってくる力強い鉄槌。
「……痛い」
「この大馬鹿者。わたしが居なければお前は今頃あの世行きだったぞ」
「ええ、何それ。ただの黒い塊のくせに」
「この世の者じゃない時点で警戒しておけ。この馬鹿」
馬鹿馬鹿言われすぎて解せないが、助けて貰った事に変わりはないのでとりあえず彼には明日ふしぎなアメを献上しておく事にした。それにしても怖いものだ。ちょっと夜更かししただけであの世行きのバスに乗る所だったとは。
「もう寝ろ。これ以上魅入られない為にも」
「はあい……」未だに目を白黒させてそんな生返事を返し、部屋の電気を消して布団を被る。
流石にちょっと恐怖心が煽られた為、彼に「寝れるまで傍にいて」と我儘を言って、大きな手をぎゅっと握らせてもらう事にした。別に怖い訳では無いが、念の為だ。念の為。
「…わたしも一応ゴーストなんだが」
そんなギラティナの呟きは、暗い部屋の中で静かに消えた。
この世の物では無いのは一目瞭然だった。草むらでよく見かけるゴーストタイプのポケモンとは違う。本物の悪霊の類。
時刻は午前3時。丑三つ時。この世のものでは無ない奴らが1番活発になる時間。何でうちを憑代にしたのかは不明だが、招かれざる客である事に変わりはないので早く出て行ってもらいたい。
物珍しくてその黒い塊をじっと凝視してみる。深夜特有の昂った気分のせいで、普段の恐怖心はどこかに飛んで行っていた。我ながら、とても命知らずだと思う。
その黒い塊に1歩近づいてみた刹那、「こっちへおいで」と、黒い塊の方から私の方へと近付いてきてくれた。
嗚呼、もう少しで、触れる
そう思った刹那。
「人の物に手を出すな」
その声と同時に、パァンと弾けて消えた黒い塊。突然の事に吃驚して顔を上げてみると、鬼の形相をしたギラティナと目が合った。まるで親の仇を見る様な顔。と阿呆らしい事を想像したが、口に出す勇気は無かった。
「ギラティナ、」
今、一体何をしたの。と聞こうとすれば、「この馬鹿野郎!」と上から叱責が飛んできた。それでも尚訳が分からなくて目を白黒させていると、途端に頭へと降ってくる力強い鉄槌。
「……痛い」
「この大馬鹿者。わたしが居なければお前は今頃あの世行きだったぞ」
「ええ、何それ。ただの黒い塊のくせに」
「この世の者じゃない時点で警戒しておけ。この馬鹿」
馬鹿馬鹿言われすぎて解せないが、助けて貰った事に変わりはないのでとりあえず彼には明日ふしぎなアメを献上しておく事にした。それにしても怖いものだ。ちょっと夜更かししただけであの世行きのバスに乗る所だったとは。
「もう寝ろ。これ以上魅入られない為にも」
「はあい……」未だに目を白黒させてそんな生返事を返し、部屋の電気を消して布団を被る。
流石にちょっと恐怖心が煽られた為、彼に「寝れるまで傍にいて」と我儘を言って、大きな手をぎゅっと握らせてもらう事にした。別に怖い訳では無いが、念の為だ。念の為。
「…わたしも一応ゴーストなんだが」
そんなギラティナの呟きは、暗い部屋の中で静かに消えた。
1/1ページ