ユクシー
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クリスマス。それは私の様な枯れ果てた生活を送る女にとって、縁もゆかりも無いイベントである。
別に恋人を作る努力を怠った訳では無い。ポケモントレーナーとしてバトルやらレベリングやらに精を出し過ぎただけだ。断じて努力を怠った訳では無いのだ。そこだけは信じて欲しい。
「…ケーキだけ買って帰ろう」
手持ち全員分のレベリングを終えて、暗くなった空の下で白い息を吐きながら帰路に着く。一応クリスマスの気分だけは味わっておきたいので、ケーキだけ買って帰ることにして。
「何のケーキが良いかなあ」
そう呟いた途端、鞄の中に入れていたモンスターボールの中から誰かが飛び出してきた。
「わ、ユクシー」
「勝手に出てきちゃダメでしょ」と注意しようとすれば。
「ナマエ、私はモンブランが良いです」と、ボールから勝手に出た事には触れず、能天気に自分の食べたいケーキをリクエストする知識の神。
相変わらずマイペースだなあ。と思ったが口には出さないでおいた。私、偉い。
「はいはい。モンブランね」
人の記憶を綺麗さっぱり消せる程の強大な力を持っている彼でも、モンブランなんて食べるんだ。まあ生き物である以上食欲はあって当然なのだが、思いもよらぬギャップを目の当たりにして思わず頬が緩んだ。
「それにしても寒いねえ」
「ええ。風邪を引かないようにしてくださいね」
そう言われてそっと差し出されたユクシーの手。素直に握ってみれば、男性特有のゴツゴツした感触と分厚い皮膚が私の薄い手のひらに伝わってきた。
「暖かいね、ユクシー」
「それは何よりです」
クリスマスという行事にこんなにワクワクするなんて子供の時以来だ。彼と一緒に過ごすだけで、こんなにも心が暖かくなるなんて。
早くなる鼓動がどうか彼に伝わりませんように。と願いながら、私はケーキ屋までの道のりを歩いてゆくのだった。
ーーーー
Merry Christmas! By管理人
別に恋人を作る努力を怠った訳では無い。ポケモントレーナーとしてバトルやらレベリングやらに精を出し過ぎただけだ。断じて努力を怠った訳では無いのだ。そこだけは信じて欲しい。
「…ケーキだけ買って帰ろう」
手持ち全員分のレベリングを終えて、暗くなった空の下で白い息を吐きながら帰路に着く。一応クリスマスの気分だけは味わっておきたいので、ケーキだけ買って帰ることにして。
「何のケーキが良いかなあ」
そう呟いた途端、鞄の中に入れていたモンスターボールの中から誰かが飛び出してきた。
「わ、ユクシー」
「勝手に出てきちゃダメでしょ」と注意しようとすれば。
「ナマエ、私はモンブランが良いです」と、ボールから勝手に出た事には触れず、能天気に自分の食べたいケーキをリクエストする知識の神。
相変わらずマイペースだなあ。と思ったが口には出さないでおいた。私、偉い。
「はいはい。モンブランね」
人の記憶を綺麗さっぱり消せる程の強大な力を持っている彼でも、モンブランなんて食べるんだ。まあ生き物である以上食欲はあって当然なのだが、思いもよらぬギャップを目の当たりにして思わず頬が緩んだ。
「それにしても寒いねえ」
「ええ。風邪を引かないようにしてくださいね」
そう言われてそっと差し出されたユクシーの手。素直に握ってみれば、男性特有のゴツゴツした感触と分厚い皮膚が私の薄い手のひらに伝わってきた。
「暖かいね、ユクシー」
「それは何よりです」
クリスマスという行事にこんなにワクワクするなんて子供の時以来だ。彼と一緒に過ごすだけで、こんなにも心が暖かくなるなんて。
早くなる鼓動がどうか彼に伝わりませんように。と願いながら、私はケーキ屋までの道のりを歩いてゆくのだった。
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