ラティアス
Name Change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
「ナマエちゃん、ナマエちゃん!」
「はいはい、どうしたのかなラティアス」
バトルが終了した直後、子犬の様に私の方へ駆け寄ってくる可愛らしい私のパートナー。この子本当にドラゴンタイプなのかと疑いたくなる程の愛らしさである。私にそういう趣味は無かった筈だが、この子の可愛さは性別問わず人を虜にしてしまうのだろうか。
「バトルお疲れ様。氷タイプ相手によく勝てたわね」
「ナマエちゃんの指示のおかげです!えへへ、褒めてくれてありがとうございます!」
ラティアスの赤い髪を手で滑らせるように撫でながら、バトルも終わらせた事なので2人一緒に帰路につく。いつもなら私とラティアスの間にラティオスがいる筈なのだが、生憎今日は家でお留守番の為2人っきりだ。本人曰く「たまには妹と2人で過ごしてやってよ」とか何とか言ってたっけ。相変わらず妹想いの優しい兄ちゃんだ。
「それじゃあ帰ろうか」
「はい!」
まあそういう訳で、いつもの口煩い兄が不在だからか、トレーナーである私にここぞとばかりに甘えてくるラティアス。手を繋ぐどころか腕を絡めようとしてきたり、ぎゅーっと抱きついてきたり。私はラティアスと長い付き合いだから別に構わないが、傍から見れば完全にカップルの触れ合いである。…ちょっと場を弁えようかラティアス。
「こらこら、そういう事は外ではやめなさい」
「…じゃあ家ならナマエちゃんは構わない?」
「…え、」
途端に聞こえてきた、先程のキャピキャピした声とはまた違うしっとりとした女の声。思わずラティアスの顔を凝視するが、彼女は先程と変わらない無垢な笑みを浮かべているだけだった。
「…家でも駄目だよ。だってラティオスが居るでしょ」
人間離れした異質な色の瞳に射抜かれて、思わず声が震えてしまう。
「そうですか…」
あからさまに悲しげな顔をして、ラティアスは私の腕を解放してくれた。可愛げがあるのはいい事だが、そろそろ腕がもげそうだったので聞き分け良く離れてくれて助かった。たとえ女の子でも侮れぬ力の強さである。さすがポケモン。
車道の車通りが激しくなってきたので、私達は並んで歩くのをやめて2人で1列になって歩く事になった。前を歩くラティアスの赤い髪が風で揺れる様子を見つめながらのほほんと歩いていると、ラティアスが何やら呟いたのが風に乗ってこちらに届いてきた。
…だが生憎私はポケモン並の聴力なんざ持ち合わせていない為、何て言ったのか聞き取れる事は出来なかった。大切パートナーの声なんだから気合いで聞き取れって?それは無理な話である。
「ん?ラティアスいま何か言った?」
そう聞き返してみると、ラティアスは振り向きざまにいつも通りの笑顔で「何も言ってないですよ!」と返してくれた。どうやら私の気のせいだったらしい。なら良かった。ラティオスも待っている事だし早めに帰ろう。
―――
「きっと…ナマエちゃんが私の気持ちに気付いてくれる事はないのでしょうね」
それならいっその事、貴女を閉じ込めてしまいたい。なんて悲しい竜の呟きは、風の音と共に掻き消されてしまったのであった。
「はいはい、どうしたのかなラティアス」
バトルが終了した直後、子犬の様に私の方へ駆け寄ってくる可愛らしい私のパートナー。この子本当にドラゴンタイプなのかと疑いたくなる程の愛らしさである。私にそういう趣味は無かった筈だが、この子の可愛さは性別問わず人を虜にしてしまうのだろうか。
「バトルお疲れ様。氷タイプ相手によく勝てたわね」
「ナマエちゃんの指示のおかげです!えへへ、褒めてくれてありがとうございます!」
ラティアスの赤い髪を手で滑らせるように撫でながら、バトルも終わらせた事なので2人一緒に帰路につく。いつもなら私とラティアスの間にラティオスがいる筈なのだが、生憎今日は家でお留守番の為2人っきりだ。本人曰く「たまには妹と2人で過ごしてやってよ」とか何とか言ってたっけ。相変わらず妹想いの優しい兄ちゃんだ。
「それじゃあ帰ろうか」
「はい!」
まあそういう訳で、いつもの口煩い兄が不在だからか、トレーナーである私にここぞとばかりに甘えてくるラティアス。手を繋ぐどころか腕を絡めようとしてきたり、ぎゅーっと抱きついてきたり。私はラティアスと長い付き合いだから別に構わないが、傍から見れば完全にカップルの触れ合いである。…ちょっと場を弁えようかラティアス。
「こらこら、そういう事は外ではやめなさい」
「…じゃあ家ならナマエちゃんは構わない?」
「…え、」
途端に聞こえてきた、先程のキャピキャピした声とはまた違うしっとりとした女の声。思わずラティアスの顔を凝視するが、彼女は先程と変わらない無垢な笑みを浮かべているだけだった。
「…家でも駄目だよ。だってラティオスが居るでしょ」
人間離れした異質な色の瞳に射抜かれて、思わず声が震えてしまう。
「そうですか…」
あからさまに悲しげな顔をして、ラティアスは私の腕を解放してくれた。可愛げがあるのはいい事だが、そろそろ腕がもげそうだったので聞き分け良く離れてくれて助かった。たとえ女の子でも侮れぬ力の強さである。さすがポケモン。
車道の車通りが激しくなってきたので、私達は並んで歩くのをやめて2人で1列になって歩く事になった。前を歩くラティアスの赤い髪が風で揺れる様子を見つめながらのほほんと歩いていると、ラティアスが何やら呟いたのが風に乗ってこちらに届いてきた。
…だが生憎私はポケモン並の聴力なんざ持ち合わせていない為、何て言ったのか聞き取れる事は出来なかった。大切パートナーの声なんだから気合いで聞き取れって?それは無理な話である。
「ん?ラティアスいま何か言った?」
そう聞き返してみると、ラティアスは振り向きざまにいつも通りの笑顔で「何も言ってないですよ!」と返してくれた。どうやら私の気のせいだったらしい。なら良かった。ラティオスも待っている事だし早めに帰ろう。
―――
「きっと…ナマエちゃんが私の気持ちに気付いてくれる事はないのでしょうね」
それならいっその事、貴女を閉じ込めてしまいたい。なんて悲しい竜の呟きは、風の音と共に掻き消されてしまったのであった。
1/1ページ