カイオーガ
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大量の雨粒が窓に強く打ち付けられている。そしてビュービューと吹き荒れる強風に、ゴロゴロと鳴り続ける雷。言わずもがな最悪の天気だ。
今朝、天気予報のお姉さんが「今日は快晴です!」と明るい声で教えてくれた筈なのに、どうしてこんな酷い天気になっているのかって?そんなの私が知る由もない。強いて言うなら私のパートナーが何かしでかした事くらいだろうか。
私のパートナーであるカイオーガは、伝説と呼ばれるポケモンの癖に酷く寂しがり屋だ。私に捕獲される前は深い海の底で過ごしていたと聞いたのだが、あれだけ寂しがり屋な性格でどうやって独りぼっちで過ごしてきたのだろう。切実に知りたい。
「私に仕事行ってほしく無いからって、いくらなんでもこれはやりすぎよ。貴方自分の力ご存知?」
「知るか。独りで待つのだって意外と辛いんだぞ」
「ほんとに自分勝手だね」
まだ図体も小さくて可愛げのある寂しがり屋な子ならまだしも、立派な男性の姿をした可愛げのない寂しがり屋なんてまっぴらごめんである。しかも自分勝手で意地っ張りという無駄なおまけ付き。こんなおまけいらないから今すぐ取り消して欲しいくらいだ。
「なあナマエ、仕事なんてもう行くなよ。金なら私がバトルで稼ぐから」なんて言って機嫌を取るように私の首筋にスリスリと擦り寄ってくるカイオーガ。これがラティアスとかシェイミとかだったら可愛いんだろうけど、生憎こいつはでかくて無駄に迫力のあるカイオーガである。ていうか伝説の威厳はどこに置いてきたんだこいつ。
「貴方特性ですぐ雨降らせるから気安くバトルに出せる存在じゃないのよ」
そう言って首の辺りに散らされたカイオーガの髪を撫でてやるが、カイオーガは私から離れるどころか納得がいかないといった顔で眉間に皺を作って私を見つめてきた。これじゃあ海の創造主というより駄々をこねる赤子じゃないか。みっともない。
「私はナマエと一緒に居たいだけなんだ」
「私と一緒にいたいなら私の言う事聞いてもらわなきゃ」
そろそろ眉間の皺を何とかしろ。無駄に格好良い顔が台無しじゃないか。と彼の気を紛らわすようにそっとカイオーガを抱き締める。腐ってもこいつは私の大事なパートナーなのだから、嫌な気持ちになんてさせたくはない。そりゃたまに自分勝手なところに辟易したりするが。まあ今だけは目を瞑ろう。
「片時も私から離れるな」
「はいはい」
「寿命が来たとしても、ずっと海の中で私と過ごそう」
「重いなあ」
鳴り響く風や雷の音に邪魔されながらも耳にはっきりと聞こえてくる彼のそんな言葉。よくこんな女にそんな愛情を注げるものだと逆に感心してしまったが、私も私でこんな自分勝手な寂しんぼうをパートナーにしている時点で人の事は言えない。ていうかだんだん暑くなってきたからほんとに離れてくれないかな。
「暑いからそろそろ離れて」
「嫌だ」
「自分勝手だなあ」
引き剥がそうとしても無理やり引っ付いて来ようとする彼と攻防戦を繰り返していると、バランスを崩して彼の胸元に倒れ込んでしまった。俗に言うラッキースケベである。わあ筋肉すごい。でも普通これ逆じゃない?まあいいか役得だし。
「息できないから解放して」
「それは無理な話だ」
「言っただろう、私から片時も離れるなと」と言って下から体を押さえつけられる。もうこうなってしまえば私は何も為す術が無いので、もう大人しく彼のやりたいようにしてやろう。ほんとに狡い獣だ。ケダモノ。オオカミ。猛獣。
「寂しがり屋すぎるのも考えものだなあ…」
そんな私の呟きは、雨音と共に掻き消されてしまった。
今朝、天気予報のお姉さんが「今日は快晴です!」と明るい声で教えてくれた筈なのに、どうしてこんな酷い天気になっているのかって?そんなの私が知る由もない。強いて言うなら私のパートナーが何かしでかした事くらいだろうか。
私のパートナーであるカイオーガは、伝説と呼ばれるポケモンの癖に酷く寂しがり屋だ。私に捕獲される前は深い海の底で過ごしていたと聞いたのだが、あれだけ寂しがり屋な性格でどうやって独りぼっちで過ごしてきたのだろう。切実に知りたい。
「私に仕事行ってほしく無いからって、いくらなんでもこれはやりすぎよ。貴方自分の力ご存知?」
「知るか。独りで待つのだって意外と辛いんだぞ」
「ほんとに自分勝手だね」
まだ図体も小さくて可愛げのある寂しがり屋な子ならまだしも、立派な男性の姿をした可愛げのない寂しがり屋なんてまっぴらごめんである。しかも自分勝手で意地っ張りという無駄なおまけ付き。こんなおまけいらないから今すぐ取り消して欲しいくらいだ。
「なあナマエ、仕事なんてもう行くなよ。金なら私がバトルで稼ぐから」なんて言って機嫌を取るように私の首筋にスリスリと擦り寄ってくるカイオーガ。これがラティアスとかシェイミとかだったら可愛いんだろうけど、生憎こいつはでかくて無駄に迫力のあるカイオーガである。ていうか伝説の威厳はどこに置いてきたんだこいつ。
「貴方特性ですぐ雨降らせるから気安くバトルに出せる存在じゃないのよ」
そう言って首の辺りに散らされたカイオーガの髪を撫でてやるが、カイオーガは私から離れるどころか納得がいかないといった顔で眉間に皺を作って私を見つめてきた。これじゃあ海の創造主というより駄々をこねる赤子じゃないか。みっともない。
「私はナマエと一緒に居たいだけなんだ」
「私と一緒にいたいなら私の言う事聞いてもらわなきゃ」
そろそろ眉間の皺を何とかしろ。無駄に格好良い顔が台無しじゃないか。と彼の気を紛らわすようにそっとカイオーガを抱き締める。腐ってもこいつは私の大事なパートナーなのだから、嫌な気持ちになんてさせたくはない。そりゃたまに自分勝手なところに辟易したりするが。まあ今だけは目を瞑ろう。
「片時も私から離れるな」
「はいはい」
「寿命が来たとしても、ずっと海の中で私と過ごそう」
「重いなあ」
鳴り響く風や雷の音に邪魔されながらも耳にはっきりと聞こえてくる彼のそんな言葉。よくこんな女にそんな愛情を注げるものだと逆に感心してしまったが、私も私でこんな自分勝手な寂しんぼうをパートナーにしている時点で人の事は言えない。ていうかだんだん暑くなってきたからほんとに離れてくれないかな。
「暑いからそろそろ離れて」
「嫌だ」
「自分勝手だなあ」
引き剥がそうとしても無理やり引っ付いて来ようとする彼と攻防戦を繰り返していると、バランスを崩して彼の胸元に倒れ込んでしまった。俗に言うラッキースケベである。わあ筋肉すごい。でも普通これ逆じゃない?まあいいか役得だし。
「息できないから解放して」
「それは無理な話だ」
「言っただろう、私から片時も離れるなと」と言って下から体を押さえつけられる。もうこうなってしまえば私は何も為す術が無いので、もう大人しく彼のやりたいようにしてやろう。ほんとに狡い獣だ。ケダモノ。オオカミ。猛獣。
「寂しがり屋すぎるのも考えものだなあ…」
そんな私の呟きは、雨音と共に掻き消されてしまった。
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