ディアルガ
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本や神話の中では、彼は「時の神」だなんて大層な名で呼ばれているが、私からすれば彼は神様と言うより保護者のような存在だ。
何処に行くにも必ず行き先と帰る時間を聞いてくるし、異性と2人っきりで出掛けるとなれば露骨に嫌な顔をする。それに少しでも私が粧し込んだ女らしい格好をすれば「足が出過ぎだ」だの「無防備すぎる」とグチグチと文句を垂れてくる始末である。お前は私の父親かっての。
今日も今日とて、私はディアルガの目を潜り抜けようとして見事に失敗し、フローリングの床に正座させられている。当たり前だがものすごく脛が痛い。もうちょっと場所考えろこの過保護ジジイ。
そんな事を頭の隅っこで考えながらディアルガを恨みがましくじっと見つめると、ディアルガはそんな私の熱烈な視線に気が付いたのか、「何だ、説教中に何か言いたい事でもあるのか」と私を試すように赤い瞳で射抜いた。見下すような表情と一緒に細められた目がとても怖い。
…だが言いたいことなら山程ある。そろそろ私だって年頃の女なんだから、少しくらい大目に見てくれたっていいじゃないか。
でもそんな事言ったら、今よりもっと長い時間ディアルガの煩い説教中を食らう事になってしまう為、私は「特にないです」と言って誤魔化した。まあ全部ディアルガにはお見通しなのだろうが。
「ほお…「特にない」という顔には到底見えないのだが?」
「…ほんとに無いもん!てか足辛いから正座崩してもいい?」
「ダメに決まってるだろう!大体お前がそんな姿で外出しようとするから…」
嗚呼、またお説教が始まってしまった。つい先程までは少しだけ治まっていたというのに。無駄なこと言わなきゃ良かったかも。まあもう遅いのだが。
「…ゴメンなさい」
このまま黙っていてもディアルガのガミガミと煩いお説教は止まらない気がしてきたので、私は仕方なしに謝る事にした。いい加減耳と足がどうにかなってしまいそうだったので、ホントに仕方なく。
ディアルガからの返答が無いのでおずおずと見上げてみると、彼は「はあ…」とため息を吐いてそのまま片膝を付くと、私と目線を合わせて諭す様に口を開く。何だか傍から見ると幼子が親に叱られている様子に見えて、何だか恥ずかしくて私は目線をキョロキョロと泳がせた。
「あのな、私は決してナマエにお洒落をして欲しくないから説教している訳では無い。そんな格好で夜遅くに外へ出ようとしたから怒っているのだ」
「…はい」
「その辺の男なんざみな獣だ。お前みたいに無防備な奴なんて一瞬で食われてしまうぞ。私はそうならないように言っているのだ。この意味が分かるか」
「…うん」
ディアルガの目を見て、しっかりと力強くそう頷いてみせる。するとディアルガは満足したように私の頭を2、3回程撫でて「なら良かった」といつもより穏やかな表情をして見せた。
…その表情はまるで神様と言うよりも騎士のようで、騎士というよりもお父さんみたいだった。まあ本人には絶対言えないけど。
何処に行くにも必ず行き先と帰る時間を聞いてくるし、異性と2人っきりで出掛けるとなれば露骨に嫌な顔をする。それに少しでも私が粧し込んだ女らしい格好をすれば「足が出過ぎだ」だの「無防備すぎる」とグチグチと文句を垂れてくる始末である。お前は私の父親かっての。
今日も今日とて、私はディアルガの目を潜り抜けようとして見事に失敗し、フローリングの床に正座させられている。当たり前だがものすごく脛が痛い。もうちょっと場所考えろこの過保護ジジイ。
そんな事を頭の隅っこで考えながらディアルガを恨みがましくじっと見つめると、ディアルガはそんな私の熱烈な視線に気が付いたのか、「何だ、説教中に何か言いたい事でもあるのか」と私を試すように赤い瞳で射抜いた。見下すような表情と一緒に細められた目がとても怖い。
…だが言いたいことなら山程ある。そろそろ私だって年頃の女なんだから、少しくらい大目に見てくれたっていいじゃないか。
でもそんな事言ったら、今よりもっと長い時間ディアルガの煩い説教中を食らう事になってしまう為、私は「特にないです」と言って誤魔化した。まあ全部ディアルガにはお見通しなのだろうが。
「ほお…「特にない」という顔には到底見えないのだが?」
「…ほんとに無いもん!てか足辛いから正座崩してもいい?」
「ダメに決まってるだろう!大体お前がそんな姿で外出しようとするから…」
嗚呼、またお説教が始まってしまった。つい先程までは少しだけ治まっていたというのに。無駄なこと言わなきゃ良かったかも。まあもう遅いのだが。
「…ゴメンなさい」
このまま黙っていてもディアルガのガミガミと煩いお説教は止まらない気がしてきたので、私は仕方なしに謝る事にした。いい加減耳と足がどうにかなってしまいそうだったので、ホントに仕方なく。
ディアルガからの返答が無いのでおずおずと見上げてみると、彼は「はあ…」とため息を吐いてそのまま片膝を付くと、私と目線を合わせて諭す様に口を開く。何だか傍から見ると幼子が親に叱られている様子に見えて、何だか恥ずかしくて私は目線をキョロキョロと泳がせた。
「あのな、私は決してナマエにお洒落をして欲しくないから説教している訳では無い。そんな格好で夜遅くに外へ出ようとしたから怒っているのだ」
「…はい」
「その辺の男なんざみな獣だ。お前みたいに無防備な奴なんて一瞬で食われてしまうぞ。私はそうならないように言っているのだ。この意味が分かるか」
「…うん」
ディアルガの目を見て、しっかりと力強くそう頷いてみせる。するとディアルガは満足したように私の頭を2、3回程撫でて「なら良かった」といつもより穏やかな表情をして見せた。
…その表情はまるで神様と言うよりも騎士のようで、騎士というよりもお父さんみたいだった。まあ本人には絶対言えないけど。
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