レシラム
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……暇だ。暇すぎる。
うちの狭い庭に植えた数少ない花達が背筋を伸ばして咲き誇っている様子をじっと見つめてどのくらい時間が経っただろう。変わり映えのないその光景をよく飽きもせずに見つめていられたものだな、と珍しく自分に感心してしまった。
現在時刻はお昼の13時半。昼食を終えて一息つく時間だ。昼寝したりやるべき事の続きをしたり色々と選択肢はあるが、眠気は全然やって来ないしやるべき事は今の所無いしで、本当に暇である。誰かこの暇を持て余した女を助けてくれ。
「はあ… 」
溜息をついてもう一度うちの狭い庭に目を向けると、何やら可愛らしいお客様を見つけた。地面に付きそうなくらいの大きいお腹をユサユサと揺らしたブニャットが、風で揺れている花弁にじゃれついている。時々「ニャ!」とブニャット特有の低い鳴き声が窓の外から聞こえてきて、私は微笑ましくその様子を眺めていた。
暇だったから丁度いい。しばらくこの子の観察でもしていようかな。
「癒されるな〜、私の手持ちにはああいう子いないから…」
「ほう、ナマエは私よりもあんな畜生の方がお気に召すのか?」
そう呟いた途端に頭上から降ってきた、重苦しい気配と不機嫌な声。驚いて上を見上げると、眉間に皺を寄せて顰めっ面をした白い髪の男と目が合った。
「…レシラム、」
昼寝してたんじゃなかったの、という私の疑問は、彼からの抱擁によって見事に揉み消されてしまった。「急に抱きついてこないでよ」と苦言を呈そうとしたが、正直肌寒かったので有り難い。わあ、さすがほのおタイプ。体温が高くてあったかい。
「レシラム、可愛いお客さんが来てるよ」と私は庭で今も尚花弁と戯れているブニャットを指差して言う。するとレシラムはまた眉間に皺を寄せ、こっちを見ろと言わんばかりに私の顔を己の胸元に押し付けた。…人の顔を物みたいに扱わないで欲しいがまあ良いか。言ってもどうせ聞かないし
「フン、あんなのただの畜生じゃないか」
「その畜生って呼び方いい加減やめなさい。あなただって元の姿は畜生でしょう」
「…私をあんなのと一緒にするな!」
「誇り高き真実を司る伝説の白龍だぞ!畜生なわけないだろう!」と伝説の威厳をどこかに捨ててきた様な態度でポコスカプンプン叫んで怒っている伝説(笑)の白龍さん。あーあ、喧しいからブニャットが庭から出て行っちゃった。さよなら私の癒し…またおいで…
「あーあ、レシラムのせいでお客さんが帰っちゃった」
「…どうせまた来るだろ」
そう言ってレシラムは熱を帯びた青い瞳で私を射抜き「暇なら私と過ごせば良い」と言って温かい身体を擦り寄せてきた。元の姿と変わらない、主人に甘えている時のポケモン特有の仕草だ。ヒトのカタチを真似ていてもこういう所はそのままなんだなあ。
「よしよし、今日はこのまま一緒に過ごそうか」
「…ああ」
さっきまで溜息をつく程暇だったのが嘘のようだ、と私は彼の頭を撫でながら思うのだった。
うちの狭い庭に植えた数少ない花達が背筋を伸ばして咲き誇っている様子をじっと見つめてどのくらい時間が経っただろう。変わり映えのないその光景をよく飽きもせずに見つめていられたものだな、と珍しく自分に感心してしまった。
現在時刻はお昼の13時半。昼食を終えて一息つく時間だ。昼寝したりやるべき事の続きをしたり色々と選択肢はあるが、眠気は全然やって来ないしやるべき事は今の所無いしで、本当に暇である。誰かこの暇を持て余した女を助けてくれ。
「はあ… 」
溜息をついてもう一度うちの狭い庭に目を向けると、何やら可愛らしいお客様を見つけた。地面に付きそうなくらいの大きいお腹をユサユサと揺らしたブニャットが、風で揺れている花弁にじゃれついている。時々「ニャ!」とブニャット特有の低い鳴き声が窓の外から聞こえてきて、私は微笑ましくその様子を眺めていた。
暇だったから丁度いい。しばらくこの子の観察でもしていようかな。
「癒されるな〜、私の手持ちにはああいう子いないから…」
「ほう、ナマエは私よりもあんな畜生の方がお気に召すのか?」
そう呟いた途端に頭上から降ってきた、重苦しい気配と不機嫌な声。驚いて上を見上げると、眉間に皺を寄せて顰めっ面をした白い髪の男と目が合った。
「…レシラム、」
昼寝してたんじゃなかったの、という私の疑問は、彼からの抱擁によって見事に揉み消されてしまった。「急に抱きついてこないでよ」と苦言を呈そうとしたが、正直肌寒かったので有り難い。わあ、さすがほのおタイプ。体温が高くてあったかい。
「レシラム、可愛いお客さんが来てるよ」と私は庭で今も尚花弁と戯れているブニャットを指差して言う。するとレシラムはまた眉間に皺を寄せ、こっちを見ろと言わんばかりに私の顔を己の胸元に押し付けた。…人の顔を物みたいに扱わないで欲しいがまあ良いか。言ってもどうせ聞かないし
「フン、あんなのただの畜生じゃないか」
「その畜生って呼び方いい加減やめなさい。あなただって元の姿は畜生でしょう」
「…私をあんなのと一緒にするな!」
「誇り高き真実を司る伝説の白龍だぞ!畜生なわけないだろう!」と伝説の威厳をどこかに捨ててきた様な態度でポコスカプンプン叫んで怒っている伝説(笑)の白龍さん。あーあ、喧しいからブニャットが庭から出て行っちゃった。さよなら私の癒し…またおいで…
「あーあ、レシラムのせいでお客さんが帰っちゃった」
「…どうせまた来るだろ」
そう言ってレシラムは熱を帯びた青い瞳で私を射抜き「暇なら私と過ごせば良い」と言って温かい身体を擦り寄せてきた。元の姿と変わらない、主人に甘えている時のポケモン特有の仕草だ。ヒトのカタチを真似ていてもこういう所はそのままなんだなあ。
「よしよし、今日はこのまま一緒に過ごそうか」
「…ああ」
さっきまで溜息をつく程暇だったのが嘘のようだ、と私は彼の頭を撫でながら思うのだった。
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