ファイヤー
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いつもいつも、彼は私の心を乱す。丁度良く低くて聞き心地のよいその声を駆使して、甘い言葉で私の心を惑わして一体どうするつもりなのだろう。
か弱い人間の女である私を狡くも己の手中に収めようと躍起になる彼が恨めしい。いつも私が乱されてばかりじゃない。まあヒトとは違う生き物に絆される私も私だけど……。
「なあナマエ、こっちを向いてくれよ」
「…嫌よ」
そっちを向いたら、またいつもみたいにあなたの虜になってしまうでしょう。自ら罠にかかる獲物なんているわけないじゃない。この鳥頭。
「ほら、俺にその可愛い顔見せて?」
「嫌。あんたみたいなチャラ男に見せる顔なんて鐚一文もないわよ」
「えー酷いなあ」
「ナマエちゃんひどーい…俺泣いちゃいそう」と顔を手で覆いながら泣き真似をしてチラチラとこちらの様子を伺う彼。わざとらしくて溜息が出そうになるのを堪えて、私はひたすら彼に絆されないよう耳を塞いだ。
「もしかして最近ご機嫌ななめ?ちっとも俺に靡いてくれなくなっちゃったじゃん。君のファイヤー君はきっと寂しがってるよ?」
「最初は俺の言動にいちいちドギマギしてて可愛かったのになあ」と、ファイヤーは私の気を引く為に頬を緩く抓ってきた。痛いから離せこの害鳥。そりゃ最初は私だって初々しかったけど、毎日毎日こんな事言われてれば流石に慣れるわ。
「そんな態度じゃもうバトル出てあげないよー?」
「…別にいいわよ私にはファイアローがいるから」
「…!ちょっとナマエ!それはずるいって!おれアイツ嫌い!俺とタイプ一緒なんだもん!」
私のパートナーであるファイアローの名前を出した途端、さっきの余裕ある態度とはとはうって変わって必死に私に縋り付いてくる彼。その様子がなんだか面白可笑しくて、私は少しいつもの仕返しをしてやろうと、彼の首筋に手を置いてこう言ってやった。
「私のパートナーのこと悪く言う子はもうバトル出してあげなーい」
そう言って私は軽く彼の首筋に口付けを落とし、「反省してよね」と捨て台詞を吐いてそのままリビングを後にした。いつもは彼に心を乱されてばっかりだけど、少しは勝ててればいいなあ。
それにしても、最後にチラッと見た彼のポカーンとした顔は傑作だった。また絶対にそのアホ面を拝んでやるんだから。
か弱い人間の女である私を狡くも己の手中に収めようと躍起になる彼が恨めしい。いつも私が乱されてばかりじゃない。まあヒトとは違う生き物に絆される私も私だけど……。
「なあナマエ、こっちを向いてくれよ」
「…嫌よ」
そっちを向いたら、またいつもみたいにあなたの虜になってしまうでしょう。自ら罠にかかる獲物なんているわけないじゃない。この鳥頭。
「ほら、俺にその可愛い顔見せて?」
「嫌。あんたみたいなチャラ男に見せる顔なんて鐚一文もないわよ」
「えー酷いなあ」
「ナマエちゃんひどーい…俺泣いちゃいそう」と顔を手で覆いながら泣き真似をしてチラチラとこちらの様子を伺う彼。わざとらしくて溜息が出そうになるのを堪えて、私はひたすら彼に絆されないよう耳を塞いだ。
「もしかして最近ご機嫌ななめ?ちっとも俺に靡いてくれなくなっちゃったじゃん。君のファイヤー君はきっと寂しがってるよ?」
「最初は俺の言動にいちいちドギマギしてて可愛かったのになあ」と、ファイヤーは私の気を引く為に頬を緩く抓ってきた。痛いから離せこの害鳥。そりゃ最初は私だって初々しかったけど、毎日毎日こんな事言われてれば流石に慣れるわ。
「そんな態度じゃもうバトル出てあげないよー?」
「…別にいいわよ私にはファイアローがいるから」
「…!ちょっとナマエ!それはずるいって!おれアイツ嫌い!俺とタイプ一緒なんだもん!」
私のパートナーであるファイアローの名前を出した途端、さっきの余裕ある態度とはとはうって変わって必死に私に縋り付いてくる彼。その様子がなんだか面白可笑しくて、私は少しいつもの仕返しをしてやろうと、彼の首筋に手を置いてこう言ってやった。
「私のパートナーのこと悪く言う子はもうバトル出してあげなーい」
そう言って私は軽く彼の首筋に口付けを落とし、「反省してよね」と捨て台詞を吐いてそのままリビングを後にした。いつもは彼に心を乱されてばっかりだけど、少しは勝ててればいいなあ。
それにしても、最後にチラッと見た彼のポカーンとした顔は傑作だった。また絶対にそのアホ面を拝んでやるんだから。
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