ラティアス
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ナマエちゃんと二人で庭に植えた色鮮やかなアスチルベの花が風でユラユラと揺れている様子をじっと見つめながら、私はお兄ちゃんとナマエちゃんが買い物から帰ってくるのを今か今かと待っていた。え?なんで私は一緒に行かなかったのかって?それは勿論お兄ちゃんとナマエちゃんの恋路を邪魔しないために決まってるじゃないですか。あの2人が結ばれてくれれば、私達は晴れて3人全員で家族になれるんですもの。
…なんて夢見がちに言ってはみたが、現実はとても非情なものだ。あの二人が結ばれる気配は今のところ全くと言って良い程無くて、2人共今の関係に満足しているだけといいますか…あれぇ、おかしいなあ。このままじゃ私の掲げた3人一緒の幸せ家族計画が台無しに…
「私は、ナマエちゃんとも家族になりたいのにな…」
私がポツリとそう呟こうにも、聞いてくれているのは窓の外で風邪と共に呑気に揺れているアスチルベだけである。
取り敢えず暇つぶしにテレビでも見ようかと思い、私はフローリングの床に無造作に転がっているリモコンをサイコパワーで引き寄せ、適当なチャンネルを付けた。今ここにいない2人の事をもやもやと考えても仕方がないですもんね。
テレビの中では、長い髪を後ろで1つに束ねた若い女子アナウンサーが、新しく駅前に出来た喫茶店を紹介している。中々にオシャレな雰囲気の喫茶店で、周りの客も男女カップルだらけだ。今度ナマエちゃんとお兄ちゃんをあの喫茶店にでも無理矢理ぶち込んでみましょうか、と私はモーモーミルクを1口啜りながら考えてみる。傍観なんてせずに私からも何か行動してみないと駄目ですよねえ。何せナマエちゃんもお兄ちゃんもヘタレですから…
なんて考えていると、玄関の方からナマエちゃんの「ただいまー」という声が聞こえてきた。出迎えるために玄関へ急ぐと、ナマエちゃんがスーパーの袋を持って靴を脱いでいるところだった。どうやらお兄ちゃんは少し近くを散歩してから帰ってくるらしい。女の子に荷物を持たせるなんてお兄ちゃんは何考えてるんでしょうかね。
「ナマエちゃん、おかえりなさい」
「うん、ただいまラティアス。ごめんね遅くなって」
「いえいえ!全然待ってないですよお」
そんなやりとりをしながら台所に移動して、買ってきたものを2人で片付ける。お兄ちゃんの居ない、ナマエちゃんと2人きりの時間が私は結構好きだ。だって私は、ナマエちゃんのポケモンだから。
「本当にラティアスはいい子よね」
「えぇ、ナマエちゃん急にどうしたんですか?」
「あのね、買い物中の話なんだけど…ラティオスったらお店に入った途端、すぐどっか行くのよ。しかも店中探し回ってやっと見つけたと思ったら両手にお菓子抱えて「ナマエこれもカートに入れて」なんて言ってくるし…ほんとに疲れた。少しは妹を見習えばいいのに」
「ほんとにラティオスったら…」と、無意識に口角を上げながら愚痴に見せかけた惚気を吐いて、ナマエちゃんは私の髪を静かに撫でた。ほんとに2人共早く結ばれてくださいな。見てるこっちは歯痒くてたまらないというのに…
「ナマエちゃん、ほんとにお兄ちゃんとお付き合いしてないんですよね?」
「…ラティアスまたその話?何回も言うけど私とラティオスは付き合ってないわよ」
「この前木の実剥いてた時も同じ話しなかった?」と苦笑しながらそう言ったナマエちゃんの耳と頬が僅かに赤くなっているのを私は見逃さなかった。これはもしかして、私が何やら行動しなくとも大丈夫かもしれない。
「さ、リビングでお菓子でも食べようか」
チーゴの実が乗ったショートケーキをお皿に乗せて、ナマエちゃんと私はリビングに移動する。ちらりと窓の外に目を向けると、いつの間に風が止んでいたのか、アスチルベの花が気高く背筋を伸ばして静かにこちらを見つめていた。
2人の恋が実りますように、と私は、気高いアスチルベの花と共にそっと願うのだった。
…なんて夢見がちに言ってはみたが、現実はとても非情なものだ。あの二人が結ばれる気配は今のところ全くと言って良い程無くて、2人共今の関係に満足しているだけといいますか…あれぇ、おかしいなあ。このままじゃ私の掲げた3人一緒の幸せ家族計画が台無しに…
「私は、ナマエちゃんとも家族になりたいのにな…」
私がポツリとそう呟こうにも、聞いてくれているのは窓の外で風邪と共に呑気に揺れているアスチルベだけである。
取り敢えず暇つぶしにテレビでも見ようかと思い、私はフローリングの床に無造作に転がっているリモコンをサイコパワーで引き寄せ、適当なチャンネルを付けた。今ここにいない2人の事をもやもやと考えても仕方がないですもんね。
テレビの中では、長い髪を後ろで1つに束ねた若い女子アナウンサーが、新しく駅前に出来た喫茶店を紹介している。中々にオシャレな雰囲気の喫茶店で、周りの客も男女カップルだらけだ。今度ナマエちゃんとお兄ちゃんをあの喫茶店にでも無理矢理ぶち込んでみましょうか、と私はモーモーミルクを1口啜りながら考えてみる。傍観なんてせずに私からも何か行動してみないと駄目ですよねえ。何せナマエちゃんもお兄ちゃんもヘタレですから…
なんて考えていると、玄関の方からナマエちゃんの「ただいまー」という声が聞こえてきた。出迎えるために玄関へ急ぐと、ナマエちゃんがスーパーの袋を持って靴を脱いでいるところだった。どうやらお兄ちゃんは少し近くを散歩してから帰ってくるらしい。女の子に荷物を持たせるなんてお兄ちゃんは何考えてるんでしょうかね。
「ナマエちゃん、おかえりなさい」
「うん、ただいまラティアス。ごめんね遅くなって」
「いえいえ!全然待ってないですよお」
そんなやりとりをしながら台所に移動して、買ってきたものを2人で片付ける。お兄ちゃんの居ない、ナマエちゃんと2人きりの時間が私は結構好きだ。だって私は、ナマエちゃんのポケモンだから。
「本当にラティアスはいい子よね」
「えぇ、ナマエちゃん急にどうしたんですか?」
「あのね、買い物中の話なんだけど…ラティオスったらお店に入った途端、すぐどっか行くのよ。しかも店中探し回ってやっと見つけたと思ったら両手にお菓子抱えて「ナマエこれもカートに入れて」なんて言ってくるし…ほんとに疲れた。少しは妹を見習えばいいのに」
「ほんとにラティオスったら…」と、無意識に口角を上げながら愚痴に見せかけた惚気を吐いて、ナマエちゃんは私の髪を静かに撫でた。ほんとに2人共早く結ばれてくださいな。見てるこっちは歯痒くてたまらないというのに…
「ナマエちゃん、ほんとにお兄ちゃんとお付き合いしてないんですよね?」
「…ラティアスまたその話?何回も言うけど私とラティオスは付き合ってないわよ」
「この前木の実剥いてた時も同じ話しなかった?」と苦笑しながらそう言ったナマエちゃんの耳と頬が僅かに赤くなっているのを私は見逃さなかった。これはもしかして、私が何やら行動しなくとも大丈夫かもしれない。
「さ、リビングでお菓子でも食べようか」
チーゴの実が乗ったショートケーキをお皿に乗せて、ナマエちゃんと私はリビングに移動する。ちらりと窓の外に目を向けると、いつの間に風が止んでいたのか、アスチルベの花が気高く背筋を伸ばして静かにこちらを見つめていた。
2人の恋が実りますように、と私は、気高いアスチルベの花と共にそっと願うのだった。
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