エムリット
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ピンポーン、とインターホンの音が昼下がり時のリビングに鳴り響いた。ポケモンである私にはあまり馴染みのない音だが、どうやらこの音は私とナマエの家に客が来た合図らしい。ナマエの知り合いでも来たのだろうか、もしそうなら邪魔にならないように別室に行った方が良いかもしれないな、と考えていると、いつの間に客の対応を終えたのか、ナマエが1人でそこそこ大きめのダンボールを両手で抱えて玄関から帰ってきた。何だただの宅配便か。気遣って損した。
「何か買ったの?」
「うん。ずっと探してた物が偶然通販で見つかったから、つい衝動買いしちゃった」
彼女は普段あまり表情を動かさない癖に、珍しく今は表情に笑みを浮かべながら大きめのダンボールを小さな手でせっせと頑張って開封している。私はそんな彼女の様子を微笑ましく見つめながら、もしかしたら美味しいお菓子でも取り寄せたのかなあ、私にも少しでいいからくれないかな。と呑気な事を考えながらナマエの小さな手によって開けられるダンボールを私はじっと見つめていた。
呑気に観察してないで、今の内にボールの中に逃げておけば良かったかもしれないと、今となって後悔してももう遅いのだが。
ダンボールがカッターで開けられると、そこに入っていたのは美味しそうなお菓子…ではなく、フリルやらリボンがいっぱい付けられた、明らかにコスプレ衣装の様なロリータ服だった。あれ、何このフリフリな服。ナマエってこんな服の趣味してたっけ。否、彼女は絶対にこういう服は着ない筈だ。意外と恥ずかしがり屋だし…
「ねえナマエ、その服は…?」
私は彼女に対して恐る恐るそう口を開いた。何か知らないけど嫌な予感がする。こういう時の嫌な予感というものは大体当たるのだ。感情の神舐めんなよ。例えば暗い夜道を歩いてる最中に後ろから気配がした時とか、此処に置いておいた筈の大事な物が無くなってたりだとか、こちらをジワジワと追い詰めて来る様なそんな感じの不安感だ。その不安に私は今押し潰されそうなんだよ、だってロリータ服なんて絶対ナマエの趣味じゃないし。
それにこの家には私とナマエの2人しか居ないんだから、ナマエが着ないとなるともう誰が着るのかなんてほぼ確定してるじゃないか。どうしようもう逃げれないぞ私。
「やっと届いた。見てみてここのリボンとレース。すっごく似合いそうじゃない?」
私のそんな気持ちもつゆ知らず、ナマエはそう言うとそのフリフリでヒラヒラな可愛らしい服を此方に向けて、花が咲いた様に良い笑顔で口を開いた。
「という訳でエムリット、これ貴方に似合うと思って買っちゃった。着てくれない?」
はい知ってた。そう言うと思った。お前マジふざけんなよこちとらこんな容姿でも男だぞ男。ちゃんと付いてるもん付いてるんだぞ。何でそんな明らかに女向けの服を私に着せようとするんだよ頭沸いてんのか私のトレーナー。
まあ取り敢えず絶対死んでも着たく無いので、首を全力で横に振って拒否する事にした。世の中結局拒否したもん勝ちだってどっかの誰かもそう言ってたし。
「やだ。絶対着ない。死んでも着ない。」
「絶対似合うよ。貴方可愛いから違和感無いって」
「着ないったら着ない!女の子扱いやめて!私は男!」
ロリータ服を持って私ににじり寄るナマエの身体を何とか押し返しながら必死に私は拒否権を駆使し続けた。ていうか君がその服着てよ!私はそっちの方が嬉しいのに!男がそんな服着たってどんなに女らしい顔の奴でも浮くに決まってるじゃん。
「ナマエの方が似合うよ!ナマエが着てよ!私は絶対着ないから!」
「お願いだから着て。意外とお値段張ったんだから」
「知らないよそんなの…」
まあそんな押し問答を暫く繰り返したのち、彼女は私が絶対にロリータ服を着ないという事を漸く理解したのか、しゅんとした顔でロリータ服をハンガーに掛けてクローゼットに仕舞った。やっと諦めてくれたか。これでようやく一安心だ。ていうかナマエがそのロリータ服着てよ。私はその方が嬉しいよ色んな意味で。
そんな下心満載の考え事をしながら、やっとロリータ服を仕舞っていつもの様子に戻ってくれたナマエに安心して後ろから擦り寄ると、ナマエは何かを閃いた様に目を輝かせてこう言った。
「そうだ!じゃあこの服、今月のバトルで1番経験値が少なかった子に着てもらおうか!流石に仕舞っておくのは勿体ないしね」
「え」
そんな彼女の突飛な考えを聞いて、私は絶対に着ることがありませんように…と切に願うのだった。
「何か買ったの?」
「うん。ずっと探してた物が偶然通販で見つかったから、つい衝動買いしちゃった」
彼女は普段あまり表情を動かさない癖に、珍しく今は表情に笑みを浮かべながら大きめのダンボールを小さな手でせっせと頑張って開封している。私はそんな彼女の様子を微笑ましく見つめながら、もしかしたら美味しいお菓子でも取り寄せたのかなあ、私にも少しでいいからくれないかな。と呑気な事を考えながらナマエの小さな手によって開けられるダンボールを私はじっと見つめていた。
呑気に観察してないで、今の内にボールの中に逃げておけば良かったかもしれないと、今となって後悔してももう遅いのだが。
ダンボールがカッターで開けられると、そこに入っていたのは美味しそうなお菓子…ではなく、フリルやらリボンがいっぱい付けられた、明らかにコスプレ衣装の様なロリータ服だった。あれ、何このフリフリな服。ナマエってこんな服の趣味してたっけ。否、彼女は絶対にこういう服は着ない筈だ。意外と恥ずかしがり屋だし…
「ねえナマエ、その服は…?」
私は彼女に対して恐る恐るそう口を開いた。何か知らないけど嫌な予感がする。こういう時の嫌な予感というものは大体当たるのだ。感情の神舐めんなよ。例えば暗い夜道を歩いてる最中に後ろから気配がした時とか、此処に置いておいた筈の大事な物が無くなってたりだとか、こちらをジワジワと追い詰めて来る様なそんな感じの不安感だ。その不安に私は今押し潰されそうなんだよ、だってロリータ服なんて絶対ナマエの趣味じゃないし。
それにこの家には私とナマエの2人しか居ないんだから、ナマエが着ないとなるともう誰が着るのかなんてほぼ確定してるじゃないか。どうしようもう逃げれないぞ私。
「やっと届いた。見てみてここのリボンとレース。すっごく似合いそうじゃない?」
私のそんな気持ちもつゆ知らず、ナマエはそう言うとそのフリフリでヒラヒラな可愛らしい服を此方に向けて、花が咲いた様に良い笑顔で口を開いた。
「という訳でエムリット、これ貴方に似合うと思って買っちゃった。着てくれない?」
はい知ってた。そう言うと思った。お前マジふざけんなよこちとらこんな容姿でも男だぞ男。ちゃんと付いてるもん付いてるんだぞ。何でそんな明らかに女向けの服を私に着せようとするんだよ頭沸いてんのか私のトレーナー。
まあ取り敢えず絶対死んでも着たく無いので、首を全力で横に振って拒否する事にした。世の中結局拒否したもん勝ちだってどっかの誰かもそう言ってたし。
「やだ。絶対着ない。死んでも着ない。」
「絶対似合うよ。貴方可愛いから違和感無いって」
「着ないったら着ない!女の子扱いやめて!私は男!」
ロリータ服を持って私ににじり寄るナマエの身体を何とか押し返しながら必死に私は拒否権を駆使し続けた。ていうか君がその服着てよ!私はそっちの方が嬉しいのに!男がそんな服着たってどんなに女らしい顔の奴でも浮くに決まってるじゃん。
「ナマエの方が似合うよ!ナマエが着てよ!私は絶対着ないから!」
「お願いだから着て。意外とお値段張ったんだから」
「知らないよそんなの…」
まあそんな押し問答を暫く繰り返したのち、彼女は私が絶対にロリータ服を着ないという事を漸く理解したのか、しゅんとした顔でロリータ服をハンガーに掛けてクローゼットに仕舞った。やっと諦めてくれたか。これでようやく一安心だ。ていうかナマエがそのロリータ服着てよ。私はその方が嬉しいよ色んな意味で。
そんな下心満載の考え事をしながら、やっとロリータ服を仕舞っていつもの様子に戻ってくれたナマエに安心して後ろから擦り寄ると、ナマエは何かを閃いた様に目を輝かせてこう言った。
「そうだ!じゃあこの服、今月のバトルで1番経験値が少なかった子に着てもらおうか!流石に仕舞っておくのは勿体ないしね」
「え」
そんな彼女の突飛な考えを聞いて、私は絶対に着ることがありませんように…と切に願うのだった。
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