ギラティナ
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だって、パパもママも、その泉に近づいてはいけない理由までは教えてくれなかったんだもの。興味を持ってしまうのは致し方ない事でしょう。
幼少期から、両親に「あの泉には絶対に近づいては駄目」と口を酸っぱくして言われていた。いつも優しい父と母が頭に角を生やしてそう言うもんだから、生意気な子供だった私もその忠告だけはちゃんと守っていた。
でもねお父さん、お母さん。私だってもう立派なトレーナーよ。強くなるためにいっぱい旅したの。少しくらい、背伸びしたって良いでしょう。
どうやら私は旅に出てから、少しばかり不要な自信が身に付いてしまったらしい。太陽が沈んで月が静かに光る真夜中、手持ちのポケモン達や父と母を起こさないようにそっと玄関の扉を開き、森の中にある小さな泉を目指す。時折森に住んでいる草ポケモン達が物珍しそうに私を見てきたが、私は好奇心のせいか、そんな事気にもならなかった。
「…やっと着いた。なんだ、近づいちゃ駄目って言う割に結構普通の泉じゃない」
漸く泉へと辿り着いたので、息を整える為に泉の縁に腰掛けようとしたら、私の他にも人がいる事に気がついた。暗くてよく見えないが、背丈の高さから察するに男性なのだろう。だけど私にはその男性?が人だとは到底思えなかった。夜中にこんな所に居るのも、人だとは思えない目の色を光らせて此方を見つめているのも、後ろで月が光り輝いている筈なのにその人に影が無いのも。
…何だか人としての特徴を全て置いてきた様な不気味さだ。一体あなたは何なの?
「こんな所になぜ人間が居る?」
「ひっ…!」
その男はいつの間にか私の背後へと回り、首をガシッと掴んで低い声で私にそう問い掛けた。苦しくて怖くて声が出ないのに、その男はそれに気付いているのかいないのか、「我が住処に何の様だ。穢らわしい人間」と冷たく言い放つ。
「ごめんなさい…私、ここが貴方の住処だったなんて知らなくて、ただ泉が見たかっただけで、」
首を掴まれた恐怖と苦しさで足元に水溜まりを作りながら、私は必死にその男に訴える。でも、分かってはいたけれど聞いて貰える筈が無くて、その人は私の首を更に締め上げると「ほう、そんなに泉が見たいのか」と言うと、泉まで私を引き摺り始めた。
「ならば連れて行ってやる」
「やめて!離して!誰か助けて!」
「喧しい。耳障りだ」
とうとう泉まで到達してしまうと、彼は言葉では到底言い表せない程に恐ろしいドラゴンポケモンの様な姿に変わり、私の首を締め上げたまま、泉の中に飛び込んだ。その時にはもう、私は苦しいやら恐ろしいやらで、とっくに意識を手放していた。
好奇心は猫をも殺してしまうのです。それが人間のか弱い子供ならば尚更。
幼少期から、両親に「あの泉には絶対に近づいては駄目」と口を酸っぱくして言われていた。いつも優しい父と母が頭に角を生やしてそう言うもんだから、生意気な子供だった私もその忠告だけはちゃんと守っていた。
でもねお父さん、お母さん。私だってもう立派なトレーナーよ。強くなるためにいっぱい旅したの。少しくらい、背伸びしたって良いでしょう。
どうやら私は旅に出てから、少しばかり不要な自信が身に付いてしまったらしい。太陽が沈んで月が静かに光る真夜中、手持ちのポケモン達や父と母を起こさないようにそっと玄関の扉を開き、森の中にある小さな泉を目指す。時折森に住んでいる草ポケモン達が物珍しそうに私を見てきたが、私は好奇心のせいか、そんな事気にもならなかった。
「…やっと着いた。なんだ、近づいちゃ駄目って言う割に結構普通の泉じゃない」
漸く泉へと辿り着いたので、息を整える為に泉の縁に腰掛けようとしたら、私の他にも人がいる事に気がついた。暗くてよく見えないが、背丈の高さから察するに男性なのだろう。だけど私にはその男性?が人だとは到底思えなかった。夜中にこんな所に居るのも、人だとは思えない目の色を光らせて此方を見つめているのも、後ろで月が光り輝いている筈なのにその人に影が無いのも。
…何だか人としての特徴を全て置いてきた様な不気味さだ。一体あなたは何なの?
「こんな所になぜ人間が居る?」
「ひっ…!」
その男はいつの間にか私の背後へと回り、首をガシッと掴んで低い声で私にそう問い掛けた。苦しくて怖くて声が出ないのに、その男はそれに気付いているのかいないのか、「我が住処に何の様だ。穢らわしい人間」と冷たく言い放つ。
「ごめんなさい…私、ここが貴方の住処だったなんて知らなくて、ただ泉が見たかっただけで、」
首を掴まれた恐怖と苦しさで足元に水溜まりを作りながら、私は必死にその男に訴える。でも、分かってはいたけれど聞いて貰える筈が無くて、その人は私の首を更に締め上げると「ほう、そんなに泉が見たいのか」と言うと、泉まで私を引き摺り始めた。
「ならば連れて行ってやる」
「やめて!離して!誰か助けて!」
「喧しい。耳障りだ」
とうとう泉まで到達してしまうと、彼は言葉では到底言い表せない程に恐ろしいドラゴンポケモンの様な姿に変わり、私の首を締め上げたまま、泉の中に飛び込んだ。その時にはもう、私は苦しいやら恐ろしいやらで、とっくに意識を手放していた。
好奇心は猫をも殺してしまうのです。それが人間のか弱い子供ならば尚更。
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