ミュウツー
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「お前は私が怖くないのか」
「怖くないに決まってるでしょ」
普段多くを語らない私のトレーナーに「一緒に寝たい」と我儘を言われた。別に彼女に下心なんて物は無くて、ただ単なる気まぐれで一緒に寝たいだけなのだろう。急な事で許諾するかどうか迷っていると、彼女に手を引っ張られて布団に無理やり入れられた。油断していたとはいえ、その細い腕でよくやるものだ。
人ならざるものと人間の女が一緒に寝るなんておかしい話だとつくづく思う。この女には恐怖心というものが果たして備わっているのだろうか。無防備で猪突猛進で困った女だ。振り回される此方の身にもなれ。
「私は人間だからさあ、」
「何だ急に」
「…私は人間だからさ、もしミュウツーに寝ている間に襲われたら一溜りもないだろうね」
「…私がお前を襲うとでも」
「ほら、獣の狩猟本能っていつ発揮されるか分かんないじゃん」
「まああなたは絶対にそんな事しないだろうけどね」と言って朗らかに女は笑った。そんな確証なんてどこにも無いのによく断言出来るものだ。実に愚かで可哀想な人間らしいやつめ。トレーナーとポケモンという、モンスターボール1つで繋がっているだけの不確かな関係で、私がお前を襲わない確証なんてものはどこにも無いだろう。
私には空を旋回する鳥ポケモンの様な翼も無ければ群れを成して生きる獣の様な本能も無い。あるのはこの身に有り余る力だけだ。その力がいつ暴発するかもお互い分からない癖に、よく一緒の寝床に入る事が出来るものだ。
「ナマエ」
「ん?何か言いたげだねミュウツー、どうかした?」
「本当に私が怖くないのか」
「怖くないに決まってる」
私の髪を梳く様に撫でながら、女は眠気を含んだ声で私の問いかけに応えた。眠いなら眠ってしまえばいいものを。
「明日はどこに行こうか」
やはり愚かな女だ。自分の力も自分で制御できない獣と一緒に寝ているのに明日の事なんてよく考えられるものだ。
「そんな事聞かずとも、私をボールに入れて好きな所に行けばいいだろう」
「分かってないなあ」
「あなたが横に居て私を守ってくれないと」そう言って女は私の手を握ると「おやすみミュウツー」と言って先に寝てしまった。身勝手なものだ、お前の言葉のせいで鼓動がやけに煩くなったのに。責任くらい取ってくれたって良いだろう。
信頼されているからこそこんなに無防備だったなんて、獣の私に分からなくても仕方が無い筈だ。
「怖くないに決まってるでしょ」
普段多くを語らない私のトレーナーに「一緒に寝たい」と我儘を言われた。別に彼女に下心なんて物は無くて、ただ単なる気まぐれで一緒に寝たいだけなのだろう。急な事で許諾するかどうか迷っていると、彼女に手を引っ張られて布団に無理やり入れられた。油断していたとはいえ、その細い腕でよくやるものだ。
人ならざるものと人間の女が一緒に寝るなんておかしい話だとつくづく思う。この女には恐怖心というものが果たして備わっているのだろうか。無防備で猪突猛進で困った女だ。振り回される此方の身にもなれ。
「私は人間だからさあ、」
「何だ急に」
「…私は人間だからさ、もしミュウツーに寝ている間に襲われたら一溜りもないだろうね」
「…私がお前を襲うとでも」
「ほら、獣の狩猟本能っていつ発揮されるか分かんないじゃん」
「まああなたは絶対にそんな事しないだろうけどね」と言って朗らかに女は笑った。そんな確証なんてどこにも無いのによく断言出来るものだ。実に愚かで可哀想な人間らしいやつめ。トレーナーとポケモンという、モンスターボール1つで繋がっているだけの不確かな関係で、私がお前を襲わない確証なんてものはどこにも無いだろう。
私には空を旋回する鳥ポケモンの様な翼も無ければ群れを成して生きる獣の様な本能も無い。あるのはこの身に有り余る力だけだ。その力がいつ暴発するかもお互い分からない癖に、よく一緒の寝床に入る事が出来るものだ。
「ナマエ」
「ん?何か言いたげだねミュウツー、どうかした?」
「本当に私が怖くないのか」
「怖くないに決まってる」
私の髪を梳く様に撫でながら、女は眠気を含んだ声で私の問いかけに応えた。眠いなら眠ってしまえばいいものを。
「明日はどこに行こうか」
やはり愚かな女だ。自分の力も自分で制御できない獣と一緒に寝ているのに明日の事なんてよく考えられるものだ。
「そんな事聞かずとも、私をボールに入れて好きな所に行けばいいだろう」
「分かってないなあ」
「あなたが横に居て私を守ってくれないと」そう言って女は私の手を握ると「おやすみミュウツー」と言って先に寝てしまった。身勝手なものだ、お前の言葉のせいで鼓動がやけに煩くなったのに。責任くらい取ってくれたって良いだろう。
信頼されているからこそこんなに無防備だったなんて、獣の私に分からなくても仕方が無い筈だ。
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