絵画
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ビジネスホテルの安っぽい小さなベッドに身を預けながら、私は身体に擦り寄ってくる彼の丸い頭に優しく手を滑らせる。手触りのいい金の髪が手のひらをくすぐり、私は不意に実家にいたあの子を思い出した。
…
私がまだ小さかった頃、実家には一匹のエネコがいた。図体は小さいけれど鳴き声は一々大きくて、何かと好奇心旺盛な子だった。私とパパには全く懐いていなかったけれどママにはちょっと異常な程に懐いていて、その子は片時もママの元から離れなかった。寝る時も、ご飯の時も。お風呂の時は流石に大人しく部屋で待たせていたけど。
私はあの子に全く懐かれていなかったけれど、時々あの子は私の足や手にこわごわと、恐る恐る擦り寄ってきた。柔らかいピンク色の毛が私の手足を擽って、そのふわふわとした柔らかい感触がやけに気持ちよかったのを覚えている。
あの子は今どうしてるんだろう。私が旅に出てからあまり会えなくなったけど、ママもパパもバトルなんて全くしないから、多分エネコロロには進化してないのだろう。あの子は今も、ママの膝の上でのんびり昼寝して、帰ってきたパパに対してピンクの毛を逆立てながら一々大きな鳴き声で威嚇して、しつこく頭を撫でようとしてきた小娘の帰りを待ち続けているのだ。
久しぶりに帰ってみようかな、と田舎とも都会とも言えない町の隅にポツンと建っている自分の実家に想いを馳せて、ユクシーの金の髪を撫で続ける。あの子と同じ様な、柔らかい感触だ。
「…ナマエ、どうかしましたか」
いつの間に起きていたのか、ユクシーが頭の上に置かれた私の手にそっと触れながらむくりと起き上がった。昨晩身体を重ねた後にすぐ眠りに着いたからか、彼は全裸のままだ。目のやり場に困ったので取り敢えず服を投げ渡すと、ユクシーは苦笑して服に袖を通し始める。一々私の心を乱しやがって。本当に狡い奴め。
「久しぶりに友達に会いたくなっただけよ」
「…私が居るのに別の人の事を考えないでくださいよ」
「多分貴方が思ってる友達じゃないわよ」
拗ねる彼の頬をそっと抓りながらそう答える。
…最後に実家に帰ったのはいつだっただろうか。何故か思い出せないのは、多分寝起きで頭が回っていないからだろうか、それとも。
…
私がまだ小さかった頃、実家には一匹のエネコがいた。図体は小さいけれど鳴き声は一々大きくて、何かと好奇心旺盛な子だった。私とパパには全く懐いていなかったけれどママにはちょっと異常な程に懐いていて、その子は片時もママの元から離れなかった。寝る時も、ご飯の時も。お風呂の時は流石に大人しく部屋で待たせていたけど。
私はあの子に全く懐かれていなかったけれど、時々あの子は私の足や手にこわごわと、恐る恐る擦り寄ってきた。柔らかいピンク色の毛が私の手足を擽って、そのふわふわとした柔らかい感触がやけに気持ちよかったのを覚えている。
あの子は今どうしてるんだろう。私が旅に出てからあまり会えなくなったけど、ママもパパもバトルなんて全くしないから、多分エネコロロには進化してないのだろう。あの子は今も、ママの膝の上でのんびり昼寝して、帰ってきたパパに対してピンクの毛を逆立てながら一々大きな鳴き声で威嚇して、しつこく頭を撫でようとしてきた小娘の帰りを待ち続けているのだ。
久しぶりに帰ってみようかな、と田舎とも都会とも言えない町の隅にポツンと建っている自分の実家に想いを馳せて、ユクシーの金の髪を撫で続ける。あの子と同じ様な、柔らかい感触だ。
「…ナマエ、どうかしましたか」
いつの間に起きていたのか、ユクシーが頭の上に置かれた私の手にそっと触れながらむくりと起き上がった。昨晩身体を重ねた後にすぐ眠りに着いたからか、彼は全裸のままだ。目のやり場に困ったので取り敢えず服を投げ渡すと、ユクシーは苦笑して服に袖を通し始める。一々私の心を乱しやがって。本当に狡い奴め。
「久しぶりに友達に会いたくなっただけよ」
「…私が居るのに別の人の事を考えないでくださいよ」
「多分貴方が思ってる友達じゃないわよ」
拗ねる彼の頬をそっと抓りながらそう答える。
…最後に実家に帰ったのはいつだっただろうか。何故か思い出せないのは、多分寝起きで頭が回っていないからだろうか、それとも。