絵画
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「美術館まで遠いから、バス使おうか」と言うと、「折角久しぶりに会えたんですから、2人で散歩がてら歩きましょうよ」と彼に駄々をこねられた。ふざけないで、ここから美術館までどれだけ距離があると思ってるの。と反論しようとしたが、まあ私としても彼と気兼ねなく話す時間が欲しかったので仕方なしに歩いてやることにした。今回だけだからね。
「休憩挟んでよね。絶対に」
「ええ勿論」
そんなやり取りをしながら私たちは美術館までの道のりをひたすら歩く。人間の寿命はあなたと違って短いんだから、効率よく動かないとすぐに死んじゃうのに。と一言文句でも言ってやりたかったが、寿命の無い彼に寿命の話をしても無駄だろうと私は悟りを開いて無心に足を交互に動かし続けた。時折彼の横顔を恨めしく睨みつけてみたが、彼は気づいてない様子だった。くそ野郎。
「私が来なかった間、何してたの」
「ひたすら湖で瞑想の日々でした。たまに湖の外に出て自然と触れ合ったりもしましたが」
「何か僧みたいな生活送ってるのね」
「僧ではなく知識の神なのですがね」
2時間か3時間ほど、そんなくだらない事をひたすら話して美術館までの遠い道を歩き続ける。すると目的地の美術館が見えて来たので、ここらで少し休憩を取ろうとすぐそこのベンチに2人で腰掛けた。正直言って体力が限界だったので、ベンチが空いててほんとに良かった。かみさまありがとう。
彼の肩に頭を乗せて切れた息を整えながら、チラリとまた先程と同じように彼の横顔を見るが、彼は私の様子に気がつく素振りも見せずにベンチ横の小さな花壇に植えられた小さな桃色の花を呑気にじっと見つめていた。ふざけるな。ここまで少ない体力で歩いてきた私を気遣ってくれてもいいだろう。自分勝手なやつめ
「見て下さいナマエ、ブーゲンビリアが咲いてますよ」
彼はそんな私の様子もつゆ知らず、小さな桃色の花を指さして言った。そうですかそうですか。久しぶりに会った友人よりもその花の方に目を向けるんですか。ええ良いですとも。貴方の自分勝手な所は今に始まった事ではありませんから。
「本当だ。小さくてピンク色で、エネコみたいな花ね」
私の方、みてよ
「何故そこでエネコが出てくるのですか」
「さあね、何でだろう」
ブーゲンビリアの前でそんな事を2人で言い合うと、彼が不意に「そういえば無理させすぎましたね、大丈夫ですか」と今更ながら言ってきた。もうちょっと早くそれ言ってくれても良かったんじゃないの、馬鹿
「休憩挟んでよね。絶対に」
「ええ勿論」
そんなやり取りをしながら私たちは美術館までの道のりをひたすら歩く。人間の寿命はあなたと違って短いんだから、効率よく動かないとすぐに死んじゃうのに。と一言文句でも言ってやりたかったが、寿命の無い彼に寿命の話をしても無駄だろうと私は悟りを開いて無心に足を交互に動かし続けた。時折彼の横顔を恨めしく睨みつけてみたが、彼は気づいてない様子だった。くそ野郎。
「私が来なかった間、何してたの」
「ひたすら湖で瞑想の日々でした。たまに湖の外に出て自然と触れ合ったりもしましたが」
「何か僧みたいな生活送ってるのね」
「僧ではなく知識の神なのですがね」
2時間か3時間ほど、そんなくだらない事をひたすら話して美術館までの遠い道を歩き続ける。すると目的地の美術館が見えて来たので、ここらで少し休憩を取ろうとすぐそこのベンチに2人で腰掛けた。正直言って体力が限界だったので、ベンチが空いててほんとに良かった。かみさまありがとう。
彼の肩に頭を乗せて切れた息を整えながら、チラリとまた先程と同じように彼の横顔を見るが、彼は私の様子に気がつく素振りも見せずにベンチ横の小さな花壇に植えられた小さな桃色の花を呑気にじっと見つめていた。ふざけるな。ここまで少ない体力で歩いてきた私を気遣ってくれてもいいだろう。自分勝手なやつめ
「見て下さいナマエ、ブーゲンビリアが咲いてますよ」
彼はそんな私の様子もつゆ知らず、小さな桃色の花を指さして言った。そうですかそうですか。久しぶりに会った友人よりもその花の方に目を向けるんですか。ええ良いですとも。貴方の自分勝手な所は今に始まった事ではありませんから。
「本当だ。小さくてピンク色で、エネコみたいな花ね」
私の方、みてよ
「何故そこでエネコが出てくるのですか」
「さあね、何でだろう」
ブーゲンビリアの前でそんな事を2人で言い合うと、彼が不意に「そういえば無理させすぎましたね、大丈夫ですか」と今更ながら言ってきた。もうちょっと早くそれ言ってくれても良かったんじゃないの、馬鹿