絵画
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頭に響く小さな2つの声を朦朧とする意識の中で必死に拾い上げていると、段々と2つの声がはっきりと聞こえるようになってきた。
片方の声は理知的で落ち着いた雰囲気を纏っているが、もう一方の声はとても感情的で、正直耳に響いてとてもうるさい。欲を言えば少し黙っていて欲しいくらいに。声の質的に男性と女性の声だろうか。姿が見えないから予想しか出来ないが、この声の持ち主はどんな姿をしているのだろう。はたまたこれは私の幻聴で、本当は誰も話していないのでは無いか。
「ねえちょっと、取り敢えずこの子起こしましょうよ。そうじゃなきゃ話が進まないわ」
「…そうだね、あいつを止めなかった僕たちにも責任はあるし、この子は完全な被害者だ」
あいつ、とは一体誰の事を指しているのだろうか。自分の事でさえ満足に分からない私の耳元で意味不明な話をしているその2人の声をぼうっと聞いている内に、意識は少しづつ覚醒してきた様だ。まだ完全に回復した訳では無いが、少なくともこの2つの声をはっきりと聞き取れるくらいには。
満足に働かない脳味噌をフル労働させてこれまでの行動を思い出してみようとするが、何故か私には今日一日の記憶どころかこれまで生きてきた中での全ての記憶が無かった。こんな事ある筈が無いと必死に親の顔や自分の出身地を思い出そうとするも、私の海馬の中には、不思議な事に自分自身の情報が全く存在していなかった。
まるで、誰かに記憶を消されてしまった様に。
片方の声は理知的で落ち着いた雰囲気を纏っているが、もう一方の声はとても感情的で、正直耳に響いてとてもうるさい。欲を言えば少し黙っていて欲しいくらいに。声の質的に男性と女性の声だろうか。姿が見えないから予想しか出来ないが、この声の持ち主はどんな姿をしているのだろう。はたまたこれは私の幻聴で、本当は誰も話していないのでは無いか。
「ねえちょっと、取り敢えずこの子起こしましょうよ。そうじゃなきゃ話が進まないわ」
「…そうだね、あいつを止めなかった僕たちにも責任はあるし、この子は完全な被害者だ」
あいつ、とは一体誰の事を指しているのだろうか。自分の事でさえ満足に分からない私の耳元で意味不明な話をしているその2人の声をぼうっと聞いている内に、意識は少しづつ覚醒してきた様だ。まだ完全に回復した訳では無いが、少なくともこの2つの声をはっきりと聞き取れるくらいには。
満足に働かない脳味噌をフル労働させてこれまでの行動を思い出してみようとするが、何故か私には今日一日の記憶どころかこれまで生きてきた中での全ての記憶が無かった。こんな事ある筈が無いと必死に親の顔や自分の出身地を思い出そうとするも、私の海馬の中には、不思議な事に自分自身の情報が全く存在していなかった。
まるで、誰かに記憶を消されてしまった様に。