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「ねえナマエ、そろそろ私の事捕獲して下さいませんか」
ビジネスホテルから出て、ユクシーの住処である湖に向かっている最中、不意に彼がそんな事を言い出した。あまりに急な事だったので「どうして?」と裏返った声で問うてみる。まあどうせろくな理由では無いのだろうが。
「待つのに疲れてしまったんですよ」
彼は私の手をぎゅっと握ってそう答えると、静かに溜息を付いた。「待つのに疲れた」なんて言われても私にはどうしてやる事も出来ないのに。私の手持ちはもう6匹分埋まってしまっているし、だからといってこんな大それた存在の彼をボックス送りにするのも無理な話だ。
「…待つより向かう方が疲れると思うけど」
「もしナマエが私の見えない所で死んだ場合、私はもう来ない貴女をずっと湖で待つことになるのですよ」
あまりにも残酷ではありませんか。と私の手を握ってユクシーは私に訴えかける様に言った。そんな事言われても今モンスターボール持ってないし、今まで通り会うのが1番だと思うのになあ。
「…私貴女を使いこなせる自信ないわ」
「そんな事ありません。私には貴女しか…ナマエしか居ないんですよ」
「…今日はやけに我儘ね」
段々と私は我儘ばかり吐き散らす彼にうんざりしてきて、呆れたように彼を見た。何だかいつもの自分勝手さに拍車がかかっている様な気がする。寝てる間に何があったのよ。
そんな私の感情を読み取ったのか、彼はなぜ分かってくれないんだ、と言わんばかりに私の手を更に強い力で握り締め、そのまま片手で私の頭部を掴んだ。嫌な予感がしてジタバタと暴れても全然効果が無くて、それでも私は必死に彼から逃れようと出せる限りの力で彼を振り払おうとした。
「そんな事しても無駄ですよ」
「っ…離して!」
助けを求めようにも、湖に近いこの辺の土地に近付く人間なんて私くらいだ。頭も手も強い力で掴まれて為す術なく彼の顔が近付いてくる。何をされるのか分からなくてガタガタと震えていたその瞬間。視界に入ったのは。
「…ふふ」
涼しげな笑い声と共に、私の中の何かが弾けて消えた。
ビジネスホテルから出て、ユクシーの住処である湖に向かっている最中、不意に彼がそんな事を言い出した。あまりに急な事だったので「どうして?」と裏返った声で問うてみる。まあどうせろくな理由では無いのだろうが。
「待つのに疲れてしまったんですよ」
彼は私の手をぎゅっと握ってそう答えると、静かに溜息を付いた。「待つのに疲れた」なんて言われても私にはどうしてやる事も出来ないのに。私の手持ちはもう6匹分埋まってしまっているし、だからといってこんな大それた存在の彼をボックス送りにするのも無理な話だ。
「…待つより向かう方が疲れると思うけど」
「もしナマエが私の見えない所で死んだ場合、私はもう来ない貴女をずっと湖で待つことになるのですよ」
あまりにも残酷ではありませんか。と私の手を握ってユクシーは私に訴えかける様に言った。そんな事言われても今モンスターボール持ってないし、今まで通り会うのが1番だと思うのになあ。
「…私貴女を使いこなせる自信ないわ」
「そんな事ありません。私には貴女しか…ナマエしか居ないんですよ」
「…今日はやけに我儘ね」
段々と私は我儘ばかり吐き散らす彼にうんざりしてきて、呆れたように彼を見た。何だかいつもの自分勝手さに拍車がかかっている様な気がする。寝てる間に何があったのよ。
そんな私の感情を読み取ったのか、彼はなぜ分かってくれないんだ、と言わんばかりに私の手を更に強い力で握り締め、そのまま片手で私の頭部を掴んだ。嫌な予感がしてジタバタと暴れても全然効果が無くて、それでも私は必死に彼から逃れようと出せる限りの力で彼を振り払おうとした。
「そんな事しても無駄ですよ」
「っ…離して!」
助けを求めようにも、湖に近いこの辺の土地に近付く人間なんて私くらいだ。頭も手も強い力で掴まれて為す術なく彼の顔が近付いてくる。何をされるのか分からなくてガタガタと震えていたその瞬間。視界に入ったのは。
「…ふふ」
涼しげな笑い声と共に、私の中の何かが弾けて消えた。