ラティオス
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「ラティオス!散歩行こう!」
「また急なことを…」
とある陽気な昼下がりの午後2時半。昼飯を終わらせてゆっくりとリビングでテレビに映るバラエティ番組を見ながらソファーに座って寛いでいると、トレーナーであるナマエからそんなお誘いを受けた。まあ確かに最近買い物以外で外に出る事が少なかったしたまには良いかな、なんて思った俺は二つ返事でナマエの誘いに乗ることにした。
「まあいいよ。散歩でも行こうか。」
「うん!家から少し離れた所に森があるから、そこを一周してみたいの!もしかしたら珍しいポケモンが居るかもしれないし。」
そんなことを話しながら簡単な身支度を終わらせ、俺たちは2人並んで足並み揃えて外の世界を歩き出す。彼女の言っていた森に着いた頃には時計の短針が3時を指していたが、まあ時間に余裕はあるので気にしない事にする。
「ナマエの言ってた森ってここだよね?何かすっごく暗いけど…はぐれない様に気を付けてね。ほら、一応手でも繋いでおこうか。」
「…私そんなにお子様じゃないんだけど…まあラティオスがそこまで繋ぎたいなら繋いであげても良いわよ。」
「ん?何か言った?…やっぱ手繋ぐのやめておこうか。君もうお子ちゃまじゃないんだもんね?」
「ごめん手繋いでお願いここ暗くて怖い」
「素直でよろしい」
そんなアホみたいなやり取りをしながらも俺たちはお互いの手をギュッと繋ぎながら植物に囲まれた薄暗い森の中で散歩に勤しむ。時たま途切れ途切れに吹く風で木の葉がガサガサと揺れ、その度に彼女の肩が大袈裟に跳ねる様子が見てて面白かったが、本人に言うと絶対不貞腐れるので心の中に閉まっておく事にする。
それにしても広い森だな。もうずっと歩いてる感じがするし、何ならこの道さっきも通った気がするのだが…
「ねえナマエ、この道ってもう何回か歩いてるよね?全然出口が見えない気がするんだけど…」
「…あら奇遇ねラティオス。私も丁度同じ事を言おうとしてた所よ。」
そう言ってお互いの顔を見合わせると、彼女の顔が青ざめているのが見えた。そして恐らくだが彼女の瞳に映る俺の顔も同じ様に青ざめているのだろう。まあそんな事はどうだっていい。まさか俺たちは迷子になってしまったのか。いやまさかそんなはずは……
「どうするよラティオス…このまま一生家に帰れなかったら…あ、そうだ!ラティオスって確か高い知能を持つポケモンよね?歩いてきた道順とか覚えたりしてない?」
「何期待してるのさ…君みたいな平和ボケしたのと一緒に過ごす内にそんな知能なんて劣化しちゃったに決まってるだろう。」
「サラッと私をディスるなこの野郎!…いや、諦めたらそこで試合終了だってどっかの誰かさんが言ってたから希望を捨てちゃだめよ。大丈夫、きっと何とかなるわ……多分」
ナマエとそんなやり取りを交わしながらこれ以上同じ道を繰り返さない様に俺はナマエの手をギュッと強く握り締めながら恐る恐る歩みを進めていく。すると段々森に入った直後に歩いた面影のある道が見え始め、とうとう俺達は森の入口に到達する事ができた。
「やった…やっと森から抜け出せた…」
「誇張無しでほんとに寿命が5年くらい縮まったわ…次から気安くここに入るのはやめときましょ…」
「ていうか君、俺の手潰しそうな勢いで握り締めてるじゃん。そんなに不安だった?」
「うるさい!そんなに強い力で握ってないわよ!」
そう怒りながら彼女は俺をポコポコと殴りつけてくるが、全く痛くないし寧ろ可愛さすら覚えるのでダメージもクソもなかった。そして一通り攻撃を終えた後、ナマエはふぅ……と一息つきながらその柔らかな手で俺の手を優しく握り直す。
「次からは迷わない様に気を付けなきゃね…とりあえずコンビニ寄って帰りましょうか」
「そうだね。あ、俺コンビニのホットスナック食べたい。」
「ポケモンがそんなもの食べちゃいけません」
まあとにかく無事に帰る事が出来て良かった…次から散歩に行く時は家の近くの公園にしておこう。遠出が好きな彼女は嫌がるかもしれないが、俺はもうこんな経験懲り懲りだ。勘弁してくれ。
「また急なことを…」
とある陽気な昼下がりの午後2時半。昼飯を終わらせてゆっくりとリビングでテレビに映るバラエティ番組を見ながらソファーに座って寛いでいると、トレーナーであるナマエからそんなお誘いを受けた。まあ確かに最近買い物以外で外に出る事が少なかったしたまには良いかな、なんて思った俺は二つ返事でナマエの誘いに乗ることにした。
「まあいいよ。散歩でも行こうか。」
「うん!家から少し離れた所に森があるから、そこを一周してみたいの!もしかしたら珍しいポケモンが居るかもしれないし。」
そんなことを話しながら簡単な身支度を終わらせ、俺たちは2人並んで足並み揃えて外の世界を歩き出す。彼女の言っていた森に着いた頃には時計の短針が3時を指していたが、まあ時間に余裕はあるので気にしない事にする。
「ナマエの言ってた森ってここだよね?何かすっごく暗いけど…はぐれない様に気を付けてね。ほら、一応手でも繋いでおこうか。」
「…私そんなにお子様じゃないんだけど…まあラティオスがそこまで繋ぎたいなら繋いであげても良いわよ。」
「ん?何か言った?…やっぱ手繋ぐのやめておこうか。君もうお子ちゃまじゃないんだもんね?」
「ごめん手繋いでお願いここ暗くて怖い」
「素直でよろしい」
そんなアホみたいなやり取りをしながらも俺たちはお互いの手をギュッと繋ぎながら植物に囲まれた薄暗い森の中で散歩に勤しむ。時たま途切れ途切れに吹く風で木の葉がガサガサと揺れ、その度に彼女の肩が大袈裟に跳ねる様子が見てて面白かったが、本人に言うと絶対不貞腐れるので心の中に閉まっておく事にする。
それにしても広い森だな。もうずっと歩いてる感じがするし、何ならこの道さっきも通った気がするのだが…
「ねえナマエ、この道ってもう何回か歩いてるよね?全然出口が見えない気がするんだけど…」
「…あら奇遇ねラティオス。私も丁度同じ事を言おうとしてた所よ。」
そう言ってお互いの顔を見合わせると、彼女の顔が青ざめているのが見えた。そして恐らくだが彼女の瞳に映る俺の顔も同じ様に青ざめているのだろう。まあそんな事はどうだっていい。まさか俺たちは迷子になってしまったのか。いやまさかそんなはずは……
「どうするよラティオス…このまま一生家に帰れなかったら…あ、そうだ!ラティオスって確か高い知能を持つポケモンよね?歩いてきた道順とか覚えたりしてない?」
「何期待してるのさ…君みたいな平和ボケしたのと一緒に過ごす内にそんな知能なんて劣化しちゃったに決まってるだろう。」
「サラッと私をディスるなこの野郎!…いや、諦めたらそこで試合終了だってどっかの誰かさんが言ってたから希望を捨てちゃだめよ。大丈夫、きっと何とかなるわ……多分」
ナマエとそんなやり取りを交わしながらこれ以上同じ道を繰り返さない様に俺はナマエの手をギュッと強く握り締めながら恐る恐る歩みを進めていく。すると段々森に入った直後に歩いた面影のある道が見え始め、とうとう俺達は森の入口に到達する事ができた。
「やった…やっと森から抜け出せた…」
「誇張無しでほんとに寿命が5年くらい縮まったわ…次から気安くここに入るのはやめときましょ…」
「ていうか君、俺の手潰しそうな勢いで握り締めてるじゃん。そんなに不安だった?」
「うるさい!そんなに強い力で握ってないわよ!」
そう怒りながら彼女は俺をポコポコと殴りつけてくるが、全く痛くないし寧ろ可愛さすら覚えるのでダメージもクソもなかった。そして一通り攻撃を終えた後、ナマエはふぅ……と一息つきながらその柔らかな手で俺の手を優しく握り直す。
「次からは迷わない様に気を付けなきゃね…とりあえずコンビニ寄って帰りましょうか」
「そうだね。あ、俺コンビニのホットスナック食べたい。」
「ポケモンがそんなもの食べちゃいけません」
まあとにかく無事に帰る事が出来て良かった…次から散歩に行く時は家の近くの公園にしておこう。遠出が好きな彼女は嫌がるかもしれないが、俺はもうこんな経験懲り懲りだ。勘弁してくれ。
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