白竜は可惜夜に誓う
Name Change
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
急いで自分の服を着替え、汚れた服を全て籠の中に放り込む。…ここまでは良かったのだが、私は一つ、重大な問題を今まですっかり忘れていた。その重大な問題とは何なのかと言うと、ナマエに着せる服は一体どうしたら良いのだろうという問題である。私としたことが、すっかり失念していた。これでは真実を司る伝説のポケモン失格だ。…まあそんな反省はさておき。
先述した通り、この城には私と英雄の二人しか住んでおらず、女用の服はおろか、子供用の服すら置いていない。ならば私や英雄の服の中からどれか一着でもナマエが着られるものは無いだろうか。と考えたが、私達とナマエの体格は明らかに真逆。例えるならば小枝と大木、水星と木星、怪獣と赤子だ。ナマエに着せようものなら袖やら足の布地が余りまくって大変なことになってしまうだろう。ならば元々着ていたあの襤褸ならどうだ?答えは当然NOである。この城にある衣服の中から何を着せたとて結果は変わらないし、ナマエだって着心地は最悪だろう。…これは一旦、英雄に助けを仰ぐべきか。
英雄の部屋までマッハの速度で向かい、ノックも忘れてそのままドアノブをガチャリと回して部屋に入る。国の統治者に向かって失礼な行いだということは重々承知の上だが、此方も英雄に力を貸している身なので実質私達の関係は同等だ。なので何の問題もない。それにあの英雄は、こんな事で腹を立てるような器ではないことを、私は一番よく知っている。あの男は、そういう奴なのだ。
「という訳だ。風呂には入れてやったんだから今度はお前がどうにかしろ拾い主」
「何だ、もう終わったのか?若い娘の裸体を目の当たりにしては、流石のお前も盛りの付いた獣になるかと思っていたんだが」
「私があんな小さい娘に欲情する訳あるか!…冗談が行き過ぎているぞ英雄よ。とにかく服を何とかしてくれ」
いや呑気すぎるだろこいつ何考えてんだ。という言葉が私の頭を駆け巡るが、声に出すことはせず寸での所で飲み込んだ。ナマエの拾い主として、ひいてはこの城と国を管理すべき者として、しっかり威厳のある佇まいをしてほしいと言うのに。全くこいつは些かテンションが緩すぎる。この男は国の英雄として一体どうなっているんだといつも思うが、今日は余計にそう思うことが多いように感じてならない。
「へぇ、あの娘はナマエというのか。いい名前だな。お前が付けたのか?」
「否、ナマエ自身がそう呼んでほしいと。由来までは分からないがな」
「成程。どうやらお前には気を許しているらしい。私が話しかけても震えるばかりで何も言ってはくれなかったからな」
「いきなり攫ってきたんだからお前にそうなるのも無理はないだろう。というか服を、」
「懐かれたようなら、いっその事手籠めにしてもいいんだぞ」
「だから冗談が…!もういい、ナマエには今日だけ私の服を着て貰う!お前はその口を閉じていろ!」
何なんだコイツ第二弾。いや三弾だったか?段々辟易して頭が働かなくなってきたような気がする。まぁ良い、とにかくこれ以上この男の話に耳を傾けているだけ時間の無駄だ。全く思春期の男児じゃあるまいし、口を開けば不埒な事ばかり発するのはいい加減に辞めてくれ。こんなのが統治者でよくこの国は回るものだなと逆に感心すら覚える。仕事以外にももう少しやる気を見せてほしい。まぁそれはともかく、これ以上ナマエを待たせるわけにもいかない。この際サイズとか関係なしに、早い所私の部屋から手頃な服を持っていってやらねば。
「……声を荒げてすまない。それでは、私は一旦失礼する」
「待て、失礼する前に忘れ物があるぞ。ほらこれ」
「何だこの紙袋は」
「女物の服だ。お前があの子を風呂に入れている間に、街に出て買ってきた」
「…それを最初に渡せ!全く!」
今までの会話は何だったんだと、止まない頭痛を訴える頭を思いっきり抱えながら、私は声を大にして叫びたくなった。
先述した通り、この城には私と英雄の二人しか住んでおらず、女用の服はおろか、子供用の服すら置いていない。ならば私や英雄の服の中からどれか一着でもナマエが着られるものは無いだろうか。と考えたが、私達とナマエの体格は明らかに真逆。例えるならば小枝と大木、水星と木星、怪獣と赤子だ。ナマエに着せようものなら袖やら足の布地が余りまくって大変なことになってしまうだろう。ならば元々着ていたあの襤褸ならどうだ?答えは当然NOである。この城にある衣服の中から何を着せたとて結果は変わらないし、ナマエだって着心地は最悪だろう。…これは一旦、英雄に助けを仰ぐべきか。
英雄の部屋までマッハの速度で向かい、ノックも忘れてそのままドアノブをガチャリと回して部屋に入る。国の統治者に向かって失礼な行いだということは重々承知の上だが、此方も英雄に力を貸している身なので実質私達の関係は同等だ。なので何の問題もない。それにあの英雄は、こんな事で腹を立てるような器ではないことを、私は一番よく知っている。あの男は、そういう奴なのだ。
「という訳だ。風呂には入れてやったんだから今度はお前がどうにかしろ拾い主」
「何だ、もう終わったのか?若い娘の裸体を目の当たりにしては、流石のお前も盛りの付いた獣になるかと思っていたんだが」
「私があんな小さい娘に欲情する訳あるか!…冗談が行き過ぎているぞ英雄よ。とにかく服を何とかしてくれ」
いや呑気すぎるだろこいつ何考えてんだ。という言葉が私の頭を駆け巡るが、声に出すことはせず寸での所で飲み込んだ。ナマエの拾い主として、ひいてはこの城と国を管理すべき者として、しっかり威厳のある佇まいをしてほしいと言うのに。全くこいつは些かテンションが緩すぎる。この男は国の英雄として一体どうなっているんだといつも思うが、今日は余計にそう思うことが多いように感じてならない。
「へぇ、あの娘はナマエというのか。いい名前だな。お前が付けたのか?」
「否、ナマエ自身がそう呼んでほしいと。由来までは分からないがな」
「成程。どうやらお前には気を許しているらしい。私が話しかけても震えるばかりで何も言ってはくれなかったからな」
「いきなり攫ってきたんだからお前にそうなるのも無理はないだろう。というか服を、」
「懐かれたようなら、いっその事手籠めにしてもいいんだぞ」
「だから冗談が…!もういい、ナマエには今日だけ私の服を着て貰う!お前はその口を閉じていろ!」
何なんだコイツ第二弾。いや三弾だったか?段々辟易して頭が働かなくなってきたような気がする。まぁ良い、とにかくこれ以上この男の話に耳を傾けているだけ時間の無駄だ。全く思春期の男児じゃあるまいし、口を開けば不埒な事ばかり発するのはいい加減に辞めてくれ。こんなのが統治者でよくこの国は回るものだなと逆に感心すら覚える。仕事以外にももう少しやる気を見せてほしい。まぁそれはともかく、これ以上ナマエを待たせるわけにもいかない。この際サイズとか関係なしに、早い所私の部屋から手頃な服を持っていってやらねば。
「……声を荒げてすまない。それでは、私は一旦失礼する」
「待て、失礼する前に忘れ物があるぞ。ほらこれ」
「何だこの紙袋は」
「女物の服だ。お前があの子を風呂に入れている間に、街に出て買ってきた」
「…それを最初に渡せ!全く!」
今までの会話は何だったんだと、止まない頭痛を訴える頭を思いっきり抱えながら、私は声を大にして叫びたくなった。