白竜は可惜夜に誓う
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やっと着いたので、早速ナマエが身に纏っていた襤褸を脱がせて風呂場の床に座らせる。英雄も私もやや潔癖のきらいがあり、使った後は毎回お互いに風呂場を掃除しているので、ここはいつでも汚れ一つない清潔な状態が保たれている。この汚れた娘を洗ってやるのに最適すぎる場所だ。
早速浴槽にお湯を張る準備をし、その間石鹸とボディスポンジを用いて、ナマエの身体を傷つけない程度にひたすら擦る。此方が保護した側とはいえ、恋人でもない若い女の裸体を見るのも如何なものか。と入る前に一瞬躊躇したが、それ以前にナマエは風呂の勝手を全く知らなかった。…まあそれなら洗ってやるしか無いか、と諦めの境地に至り、この様に私が世話を焼いてやっているわけである。元々英雄以外の人間と全然接点が無かったのに加え、それが女で、尚且つ子供なら尚更扱いに困ってしまう。英雄よ、忙しいのは分かるが元々お前が拾ってきたのだろう。なぜ私に任せるのだ。
「…痛くないか?」
「い、いえ…気持ちいいです。ありがとうございます」
「それならいい」
流れる沈黙。浴槽に注がれる水音だけが、私達の聴覚をひたすら刺激する。肝心のナマエはというと、ほぼ初対面の男の前に裸体を晒して座っているというのに、警戒の一つも見せずただ無防備に身を委ねているだけだ。こんな調子でよく外の世界で生き残れたな。と呆れを覚えるが、まあ元々マイペースな女なのだろうと割り切ることにした。
そしてある程度身体を綺麗にできたので、次は頭部に移る。皮脂で固まり傷んだ髪と荒れた頭皮で、身体に負けず此方も中々に酷い有様となっているが、シャンプーを根気よく泡立てて洗い流すことを2,3度繰り返せば、次第に元の滑らかさを取り戻してきた。まだ少し軋んでいる部分はあるが、これから日々のケアを繰り返せばそこも美しくなるだろう。
「終わったぞ。後はそのまま湯船に浸かっていろ」
「は、はい。でも、貴方は…?」
「私は汚れた衣服を洗濯し、着替えた後にお前の分の服を用意して来る。お前は何も気にせず休んでいればいい」
「…わかり、ました」
私の言葉を聞いて、ナマエは素直に湯槽に入ると、そのまま気持ちよさそうに一息付いた。子供とは我儘で煩い存在だと私は今まで勝手な偏見を抱いていたが、ナマエのように聞き分けが良い子供も居るのかと知り、私は自分の固定観念をまた恥じた。英雄からも常々言われているが、私はもう少し城から出て外の世界を知るべきなのだろう。これではただの世間知らずと同じだ。今度少し街に出てみるか。
「十数分で戻って来る。一応忠告するが溺れるんじゃないぞ。何かあればそこにあるベルを鳴らせ。英雄か私が駆けつける」
「は、はい」
短い返事をか細い声で返し、ナマエはそのまま湯に身体を沈めた。幸いこの城の風呂はバブルバスなので、彼女の裸体は湯船に浸かっていてくれさえすれば誰にも見られることはない。私と英雄しか入ることのない、いわゆる成人男性が入ることを想定して設計された風呂に、このまま彼女を放置するのは少し憚られたが、私も私で汚れたり濡れたりで気持ち悪い状態になっているこの衣服を早く着替えてしまいたい。「何かあったらすぐに呼ぶんだぞ」と再三ナマエに勧告し、私は急いで着替えを取りに向かうのだった。
早速浴槽にお湯を張る準備をし、その間石鹸とボディスポンジを用いて、ナマエの身体を傷つけない程度にひたすら擦る。此方が保護した側とはいえ、恋人でもない若い女の裸体を見るのも如何なものか。と入る前に一瞬躊躇したが、それ以前にナマエは風呂の勝手を全く知らなかった。…まあそれなら洗ってやるしか無いか、と諦めの境地に至り、この様に私が世話を焼いてやっているわけである。元々英雄以外の人間と全然接点が無かったのに加え、それが女で、尚且つ子供なら尚更扱いに困ってしまう。英雄よ、忙しいのは分かるが元々お前が拾ってきたのだろう。なぜ私に任せるのだ。
「…痛くないか?」
「い、いえ…気持ちいいです。ありがとうございます」
「それならいい」
流れる沈黙。浴槽に注がれる水音だけが、私達の聴覚をひたすら刺激する。肝心のナマエはというと、ほぼ初対面の男の前に裸体を晒して座っているというのに、警戒の一つも見せずただ無防備に身を委ねているだけだ。こんな調子でよく外の世界で生き残れたな。と呆れを覚えるが、まあ元々マイペースな女なのだろうと割り切ることにした。
そしてある程度身体を綺麗にできたので、次は頭部に移る。皮脂で固まり傷んだ髪と荒れた頭皮で、身体に負けず此方も中々に酷い有様となっているが、シャンプーを根気よく泡立てて洗い流すことを2,3度繰り返せば、次第に元の滑らかさを取り戻してきた。まだ少し軋んでいる部分はあるが、これから日々のケアを繰り返せばそこも美しくなるだろう。
「終わったぞ。後はそのまま湯船に浸かっていろ」
「は、はい。でも、貴方は…?」
「私は汚れた衣服を洗濯し、着替えた後にお前の分の服を用意して来る。お前は何も気にせず休んでいればいい」
「…わかり、ました」
私の言葉を聞いて、ナマエは素直に湯槽に入ると、そのまま気持ちよさそうに一息付いた。子供とは我儘で煩い存在だと私は今まで勝手な偏見を抱いていたが、ナマエのように聞き分けが良い子供も居るのかと知り、私は自分の固定観念をまた恥じた。英雄からも常々言われているが、私はもう少し城から出て外の世界を知るべきなのだろう。これではただの世間知らずと同じだ。今度少し街に出てみるか。
「十数分で戻って来る。一応忠告するが溺れるんじゃないぞ。何かあればそこにあるベルを鳴らせ。英雄か私が駆けつける」
「は、はい」
短い返事をか細い声で返し、ナマエはそのまま湯に身体を沈めた。幸いこの城の風呂はバブルバスなので、彼女の裸体は湯船に浸かっていてくれさえすれば誰にも見られることはない。私と英雄しか入ることのない、いわゆる成人男性が入ることを想定して設計された風呂に、このまま彼女を放置するのは少し憚られたが、私も私で汚れたり濡れたりで気持ち悪い状態になっているこの衣服を早く着替えてしまいたい。「何かあったらすぐに呼ぶんだぞ」と再三ナマエに勧告し、私は急いで着替えを取りに向かうのだった。