ユクシー
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風邪を引いた。しかも咳とか頭痛とかが身体を痛みで蝕んでくる系の結構しんどいやつ。
布団で横になりながら壁にかけてある時計に目線を向けると、針は12時を指していた。もうお昼か、頭痛の痛みに感覚を持っていかれてたからすっかり忘れてたけど、そういえばお腹すいてきたかも。
でもまだ結構身体しんどいしなあ、台所で倒れても面倒だし…昼食くらいすっぽかしても体に何の影響もないよね、なんて馬鹿な事を上手く回らないなまくらの頭で考えていると、部屋のドアがガチャ、と開くと同時に昼食のお盆を持った私のパートナー、ユクシーが部屋に入ってきた。
「調子はどうですか、ナマエ」
「今、生命の神秘について考えてたとこよ」
「…そんな冗談を言えるくらいなら、少しは回復したと見て大丈夫そうですね。ところでお粥作ってきましたが、食べられそうですか?」
「うん。おなかすいた……」
私は布団から上半身のみを起こし、お盆の上に置かれた土鍋を開ける。すると中には真っ白なお米の中に小さく刻まれた野菜たちが混ざった卵入りのシンプルな料理が入っていた。これぞまさに病人食、といった感じだ。
「いただきます…」
そうして私が食べようとすると、ユクシーが慌てた様子で言った。
「待って下さい、ナマエ、そういえば貴女猫舌でしょう。少し冷ましたらどうです?そのお粥、作ったばかりですし…あなたが火傷してしまっては大変です」
「うーん…確かにそうだね、じゃあ少し冷ましてから食べようかな。その間、話し相手になってもらえる?」
私がそう言うとユクシーは「えぇ、勿論構いませんよ」と言い、私の隣に座ってくれた。私はそれを確認すると、話を切り出した。
「…やっぱり風邪ひいちゃったね、私、こうなる事は薄々予想してたんだよ」
「…と、いいますと?」
「もう、あなたほんとに知識の神様なの?昨日散々盛って私の事抱いて、その後服すら着せてくれずに裸のまま私の事きつく抱きしめてそのまま寝ちゃったくせに。私そのせいで寒い中震えて寝たのよ?」
「フフッ……それはすみませんでした、でもあの時のナマエはとても可愛かったですよ。それに貴女の体もとても温かかったですし」
「逆にあなたの体温はそんな高くないから、私は震えながら寝たんだけどね…まあそんな話は別に良いのよ。私とあなたは恋人同士なんだから、夜中にそういう事するのは当たり前だもの」
「そう言ってくれるとありがたいですね。それで、続きは何を話すんですか?」
「ああそうだった、話が脱線したわね…あなた、私が風邪引くって分かってて昨日私の事抱いたんでしょ?最近私が仕事で忙しくて中々構ってあげられないから、だからわざと夜遅くに布団も被せず私の事抱いて、風邪引いて仕事休めるようにそのまま裸で寝せたんでしょ?違う?」
私がそう言うと、ユクシーは閉じている目を更に細めて口元を緩ませ、「さぁ、どうでしょうか」と言ってきた。知識の神なんだから知力に長けている筈なのに、意外と嘘をつくのが下手くそだ。その証拠に額に汗が滲んでいる。
「もう、またそうやって誤魔化すんだから。あなたって意外と嘘をつくの下手よね。ほら、正直に言いなさい。怒らないから」
「…はい、その通りです。ナマエが風邪を引くかどうか試しました」
そう言ってユクシーは観念したように眉を下げ、あっさりと白状した。世話好きな彼の事だ、きっと私が仕事で根を詰めすぎて身体を壊す前に、こうして強制的に休むように仕向けたのだろう。
いやそれにしたって少々やり方が脳筋というかなんというか、私としては嬉しいけどもう少し何か他に方法は無かったのかと思わずには居られないのだが、まあ水に流す事にしよう。
「…もういいわよ、許してあげるから顔上げなさい。取り敢えず、会社には3日間休むって言ってあるから、その間しっかり看病しなさいよね?」
「えぇ、あなたのお世話なら喜んでさせて頂きますよ」
そうして私は彼にお粥を食べさせてもらいながら、ゆっくりと昼食の時間を過ごした。たまにはこういう風に甘えるのも良いかもしれない。そう思いながら私は、3日間ひたすらユクシーに甘えきってダメ人間になる事を誓うのだった。
布団で横になりながら壁にかけてある時計に目線を向けると、針は12時を指していた。もうお昼か、頭痛の痛みに感覚を持っていかれてたからすっかり忘れてたけど、そういえばお腹すいてきたかも。
でもまだ結構身体しんどいしなあ、台所で倒れても面倒だし…昼食くらいすっぽかしても体に何の影響もないよね、なんて馬鹿な事を上手く回らないなまくらの頭で考えていると、部屋のドアがガチャ、と開くと同時に昼食のお盆を持った私のパートナー、ユクシーが部屋に入ってきた。
「調子はどうですか、ナマエ」
「今、生命の神秘について考えてたとこよ」
「…そんな冗談を言えるくらいなら、少しは回復したと見て大丈夫そうですね。ところでお粥作ってきましたが、食べられそうですか?」
「うん。おなかすいた……」
私は布団から上半身のみを起こし、お盆の上に置かれた土鍋を開ける。すると中には真っ白なお米の中に小さく刻まれた野菜たちが混ざった卵入りのシンプルな料理が入っていた。これぞまさに病人食、といった感じだ。
「いただきます…」
そうして私が食べようとすると、ユクシーが慌てた様子で言った。
「待って下さい、ナマエ、そういえば貴女猫舌でしょう。少し冷ましたらどうです?そのお粥、作ったばかりですし…あなたが火傷してしまっては大変です」
「うーん…確かにそうだね、じゃあ少し冷ましてから食べようかな。その間、話し相手になってもらえる?」
私がそう言うとユクシーは「えぇ、勿論構いませんよ」と言い、私の隣に座ってくれた。私はそれを確認すると、話を切り出した。
「…やっぱり風邪ひいちゃったね、私、こうなる事は薄々予想してたんだよ」
「…と、いいますと?」
「もう、あなたほんとに知識の神様なの?昨日散々盛って私の事抱いて、その後服すら着せてくれずに裸のまま私の事きつく抱きしめてそのまま寝ちゃったくせに。私そのせいで寒い中震えて寝たのよ?」
「フフッ……それはすみませんでした、でもあの時のナマエはとても可愛かったですよ。それに貴女の体もとても温かかったですし」
「逆にあなたの体温はそんな高くないから、私は震えながら寝たんだけどね…まあそんな話は別に良いのよ。私とあなたは恋人同士なんだから、夜中にそういう事するのは当たり前だもの」
「そう言ってくれるとありがたいですね。それで、続きは何を話すんですか?」
「ああそうだった、話が脱線したわね…あなた、私が風邪引くって分かってて昨日私の事抱いたんでしょ?最近私が仕事で忙しくて中々構ってあげられないから、だからわざと夜遅くに布団も被せず私の事抱いて、風邪引いて仕事休めるようにそのまま裸で寝せたんでしょ?違う?」
私がそう言うと、ユクシーは閉じている目を更に細めて口元を緩ませ、「さぁ、どうでしょうか」と言ってきた。知識の神なんだから知力に長けている筈なのに、意外と嘘をつくのが下手くそだ。その証拠に額に汗が滲んでいる。
「もう、またそうやって誤魔化すんだから。あなたって意外と嘘をつくの下手よね。ほら、正直に言いなさい。怒らないから」
「…はい、その通りです。ナマエが風邪を引くかどうか試しました」
そう言ってユクシーは観念したように眉を下げ、あっさりと白状した。世話好きな彼の事だ、きっと私が仕事で根を詰めすぎて身体を壊す前に、こうして強制的に休むように仕向けたのだろう。
いやそれにしたって少々やり方が脳筋というかなんというか、私としては嬉しいけどもう少し何か他に方法は無かったのかと思わずには居られないのだが、まあ水に流す事にしよう。
「…もういいわよ、許してあげるから顔上げなさい。取り敢えず、会社には3日間休むって言ってあるから、その間しっかり看病しなさいよね?」
「えぇ、あなたのお世話なら喜んでさせて頂きますよ」
そうして私は彼にお粥を食べさせてもらいながら、ゆっくりと昼食の時間を過ごした。たまにはこういう風に甘えるのも良いかもしれない。そう思いながら私は、3日間ひたすらユクシーに甘えきってダメ人間になる事を誓うのだった。
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