強制和解劇場
某所ファミレス。
「うわーっ誰スか俺のウーロンにイタズラしたの!まっずい!」
「ウーロンくらいでうるせえよ黄瀬」
「ねえパフェ食べていい〜?」
「食べすぎなのだよ紫原」
「テツくん、はいあーん♡」
「桃井さん…僕もう限界…ウプっ」
騒がしい周りとは対照的に本当にファミレスか?と思うほどに俺の周りの空気だけ地獄だ。向かいに座る赤司は我関せずといった感じで俺をじっと見つめている。かれこれ30分はこんな感じなんだけどどうすればいいんだ。
空港で両想いになった虹村さんに嵌められたことが発覚してから俺はソッコー逃げようとしたんだけど、察知していたかのように再びメールが入った。
ピロン♪
『from:虹村さん
題:ちなみに
-----------------------------
逃げたらしめる♡
証拠写真送れよ』
「灰崎、虹村さんからメールが入ったのだろう?これからどこかで話さないか」
おいおい赤司にも手を回してんのかよ。用意周到すぎるだろ。逃げられないことを悟った俺は死を覚悟した。多分顔はもう死んでたと思う。赤司に抵抗したところで無駄な足掻きなことは百も承知であるため大人しくファミレスに連行されて今に至る。
…まじで何話せばいいか分かんねえ。
「俺はお前を退部させたことは間違いだとは今でも思ってないよ」
突然、赤司がそう言った。
ファミレスの安い紅茶を飲みながらいきなりドストレートに確信を突いてきた。他のキセキの世代もびっくりして会話やめちまってるじゃねえか。
「あの時はそれが最善だった。虹村さんにも何度かそう提言したことがある。もう少し待ってやってくれと言われたけどね」
それは初耳だった。虹村さんが当時そんな風に俺を庇ってくれていたことなど、全く知らなかった。
「黄瀬の件ももちろんだが、それ以外にも理由はある。虹村さんだけがお前を制御出来るのでは意味が無いからだ。お前自身が制御出来なければ遅かれ早かれ周りにも影響を及ぼす。事実お前は虹村さんが主将を降りた途端不安定になっていただろう」
「…そーだな」
赤司が言っていることは事実だった。虹村さんという居場所を失ってから俺は再び荒れまくっていたし、あのまま居ても何も変わらなかっただろう。あの時は腹が立ったし黄瀬のせいで、虹村さんのせいでって思っていたけど今考えると自分のことを棚上げして人のせいにしてただけなんだよな。
「迷惑かけて悪かった」
過去の己がしたことへの謝罪を、あの赤司相手にすんなり出来たことに自分でも驚いた。己のプライドにしがみついて人を傷つけていたんじゃ何も得られないって福田総合の人達と虹村さんに教えてもらったんだ。もう同じ過ちは繰り返さない。
「灰崎はWCの後、沢山の学びがあったんだね」
「まあな。俺の周り馬鹿みてえなお人好し多いから」
そうか、と言って赤司はちょっと笑った。俺が退部する前からこいつはたまに別人みたいになって不安定な奴だなと思っていたけど。WCを経て俺に負けず劣らず学びがたくさんあったみたいだ。前よりずっといい顔してるぜ、赤司。
「ショーゴくんが謝った………」
「リョータも、WCでの事悪かったと思ってる。卑怯なマネしてすまなかった」
リョータは口をあんぐりあけていた。生きてるうちに俺に謝られるとは思いもしなかったのだろう。俺もお前に謝る日が来るとは夢にも思ってなかったけど。
「……ショーゴくんが謝るとか明日槍降るんじゃないスか」
「はぁ!?てんめ俺が素直に謝ってやってんのに!」
「その方がらしいっスよ、ショーゴくん。てか別に謝って欲しかったわけじゃないし。俺も許さないからショーゴくんも謝らなくていいっスよ」
その位がちょーどいいっしょ、と笑うリョータ。リョータファンにはとても見せられないお顔になっているけども。モデル様はそういう顔でも様になるんだな。
「…お前のそういうとこ本当嫌いだわ」
「その台詞そのままお返しするっス」
俺とリョータはつくづく合わない。ほんっと仲良くなれる気がしねえ。同族嫌悪?みたいなやつなんだろうけど無理なもんは無理だな、と今日久々にまともに話して思ったわ。なら無理に仲良くすることはねえし、これくらいの距離感の方がお互いちょうどいいらしい。
「お前らの距離感本当分かんねーわ」
心底意味わからんって顔で眺めるダイキ。そういやこいつが俺を殴ってくれたおかげで今の俺があるんだよなあ。あん時はめちゃくちゃムカついたけどお前にあそこで止めてもらわなかったらと思うとめっちゃ怖いわ。
「ダイキも…あん時止めてくれて助かった」
「はぁ………?」
なんだか聞いているんだか聞いていないんだかよくわかんねえマヌケな返事だ。エース様って顔じゃねーぞおい。ダイキはバツが悪そうに頭をかいて顔を逸らした。
「いや俺お前のこと殴ってるし。んな礼を言われる筋合いわねえよ」
中学の時から思ってたけどダイキって照れ屋だよな。黒いから分かりにくいけどちょっと赤面して目線外した時は大抵照れてる。
「ずっと思ってたけどダイキ本当素直じゃなくなったよな。色々変わりすぎだろお前」
「…うっせ」
「思ったんですけど青峰くん、虹村主将に灰崎くんを殴ったことバレたら終わりますよね」
色々と。と真顔で言うテツヤにダイキは真っ青になっていた。絶対絶対言うなよ!!!!とか言ってテツをガクガク揺さぶってるから死にそうになってるじゃんテツヤ。
「あの人がそんなんで怒るわけねえだろ。そもそも俺を1番ボコったのあの人だっつの」
「……灰崎くんってそっち方面意外と鈍いんですね」
「はぁ???」
意外です、じゃねえんだよ。どんだけ虹村さん短気だと思われてんだよ。それはそれでいい気味だけど影でここまでビビられてて流石に同情するわ。
「てかテツヤも色々とありがとな。中学の時止めに来てくれたの本当は嬉しかった」
「灰崎くん…」
「WCも決勝戦見に行ってさ。本当に楽しそうにバスケしてんの見てちょっと羨ましかったわ」
これが本物のバスケかって素直に納得したんだ、あの時。俺は全く真逆のバスケをしていたこと、そんで意外とバスケが好きってことに気付かせてくれたんだよ、お前たちキセキの世代が。
「灰崎くん、今度バスケしましょう」
「…バスケ?」
「僕は正直複雑な気持ちです。君には謝って欲しい人もいます。だから僕じゃなくて君が傷つけた人皆に謝ってください。それでその後皆で思いっきりバスケしましょう。それでちょっとずつ君のことを教えてください」
「…俺のキャラじゃねえよ馬鹿」
ちょっとずつ、友達になりましょう。
この世で石田さん以上にお人好しな人なんていないと思ってたけどテツヤも大概だよな。
虹村さんからメールが来た時は殺意すら覚えたが今ではちょっと感謝している。多分こんな機会なきゃ一生こいつらと話すことはなかったと思うんだよな。虹村さんもそれを分かっていたからあんな無茶ぶりしたんだろうけど。俺のキャラじゃ無さすぎてほんっと胃が痛かったけどとりあえず言いたいことは言えて良かった。
「灰崎、質問なのだよ」
今めちゃくちゃホッコリエンディングムードだったんだけど。その空気を真っ二つに裂くように緑間が挙手した。
「なんだい緑間」
そんで赤司が許可した。いやなんだよこれ。
「何故虹村さんの見送りに灰崎がいたのだよ?」
そこまで仲良かったか?っていやそこからかい。何となく察しろ、ってか仲良いんだな〜で良いじゃねえか。それすら信じられねえってか。お前の思考回路どうなってんだよ。説明する義理も無いし別になんでもいいだろ、とはぐらかそうとした時だった。向かいにいた赤司にぐい、とタートルネックを引っ張られる。
「こういうことだよ、緑間」
「バッ…!」
首がキセキの前にあらわになったわけだが、そこには無数の鬱血痕、歯型の数々。ナニがあったかなど丸わかりである。同級生の前で自分先輩に抱かれましたと自己紹介しているようなもんだろこれ。流石に顔が熱いってか穴があったら入りたい。拷問すぎる。
「わ〜!キャプテンって情熱的なんですね!」
「虹ちんすご〜い。めっちゃ独占欲強いじゃん」
「はっ…破廉恥なのだよ!!!!」
「うーわショーゴくん愛されてるんスね〜」
「やっぱり青峰くん終わりですね、ご愁傷様です」
「絶対主将に言うなよテツ!!!!」
てかさつきちゃんとかアツシとか緑間とか言わなきゃ絶対気づかなかったのに赤司のせいで全員にバレてんじゃん死にたい。
「何すんだよ赤司!!」
「おや、ではわざわざ灰崎は昨日虹村さんにめちゃくちゃに抱かれましたと説明した方が良かったか?お前のためを思っての行動だったんだが」
「ぎゃああああ言うなああああ!!!!」
全部言ってんじゃねーか!!!!わざとかよわざとだな!?!?こいつマジドSなんだけどなんなの!?
「ほんっとお前…ありえねえ…」
「俺はお前と虹村さんを応援しているよ」
いやどこがだよ嘘つくな。怖すぎる。赤司には絶対に相談とかしないって心に今決めたわ。
*
「ん…灰崎からか」
アメリカにいる虹村の元に一通のメールが届いた。それは1枚の写真が添付されているだけだったのだけど、虹村は嬉しそうに笑った。
「あいつ、やっぱやれば出来るんじゃねえか」
そこには、カラフルな面子と共に並ぶ灰色の青年が1人、写っていた。
「うわーっ誰スか俺のウーロンにイタズラしたの!まっずい!」
「ウーロンくらいでうるせえよ黄瀬」
「ねえパフェ食べていい〜?」
「食べすぎなのだよ紫原」
「テツくん、はいあーん♡」
「桃井さん…僕もう限界…ウプっ」
騒がしい周りとは対照的に本当にファミレスか?と思うほどに俺の周りの空気だけ地獄だ。向かいに座る赤司は我関せずといった感じで俺をじっと見つめている。かれこれ30分はこんな感じなんだけどどうすればいいんだ。
空港で両想いになった虹村さんに嵌められたことが発覚してから俺はソッコー逃げようとしたんだけど、察知していたかのように再びメールが入った。
ピロン♪
『from:虹村さん
題:ちなみに
-----------------------------
逃げたらしめる♡
証拠写真送れよ』
「灰崎、虹村さんからメールが入ったのだろう?これからどこかで話さないか」
おいおい赤司にも手を回してんのかよ。用意周到すぎるだろ。逃げられないことを悟った俺は死を覚悟した。多分顔はもう死んでたと思う。赤司に抵抗したところで無駄な足掻きなことは百も承知であるため大人しくファミレスに連行されて今に至る。
…まじで何話せばいいか分かんねえ。
「俺はお前を退部させたことは間違いだとは今でも思ってないよ」
突然、赤司がそう言った。
ファミレスの安い紅茶を飲みながらいきなりドストレートに確信を突いてきた。他のキセキの世代もびっくりして会話やめちまってるじゃねえか。
「あの時はそれが最善だった。虹村さんにも何度かそう提言したことがある。もう少し待ってやってくれと言われたけどね」
それは初耳だった。虹村さんが当時そんな風に俺を庇ってくれていたことなど、全く知らなかった。
「黄瀬の件ももちろんだが、それ以外にも理由はある。虹村さんだけがお前を制御出来るのでは意味が無いからだ。お前自身が制御出来なければ遅かれ早かれ周りにも影響を及ぼす。事実お前は虹村さんが主将を降りた途端不安定になっていただろう」
「…そーだな」
赤司が言っていることは事実だった。虹村さんという居場所を失ってから俺は再び荒れまくっていたし、あのまま居ても何も変わらなかっただろう。あの時は腹が立ったし黄瀬のせいで、虹村さんのせいでって思っていたけど今考えると自分のことを棚上げして人のせいにしてただけなんだよな。
「迷惑かけて悪かった」
過去の己がしたことへの謝罪を、あの赤司相手にすんなり出来たことに自分でも驚いた。己のプライドにしがみついて人を傷つけていたんじゃ何も得られないって福田総合の人達と虹村さんに教えてもらったんだ。もう同じ過ちは繰り返さない。
「灰崎はWCの後、沢山の学びがあったんだね」
「まあな。俺の周り馬鹿みてえなお人好し多いから」
そうか、と言って赤司はちょっと笑った。俺が退部する前からこいつはたまに別人みたいになって不安定な奴だなと思っていたけど。WCを経て俺に負けず劣らず学びがたくさんあったみたいだ。前よりずっといい顔してるぜ、赤司。
「ショーゴくんが謝った………」
「リョータも、WCでの事悪かったと思ってる。卑怯なマネしてすまなかった」
リョータは口をあんぐりあけていた。生きてるうちに俺に謝られるとは思いもしなかったのだろう。俺もお前に謝る日が来るとは夢にも思ってなかったけど。
「……ショーゴくんが謝るとか明日槍降るんじゃないスか」
「はぁ!?てんめ俺が素直に謝ってやってんのに!」
「その方がらしいっスよ、ショーゴくん。てか別に謝って欲しかったわけじゃないし。俺も許さないからショーゴくんも謝らなくていいっスよ」
その位がちょーどいいっしょ、と笑うリョータ。リョータファンにはとても見せられないお顔になっているけども。モデル様はそういう顔でも様になるんだな。
「…お前のそういうとこ本当嫌いだわ」
「その台詞そのままお返しするっス」
俺とリョータはつくづく合わない。ほんっと仲良くなれる気がしねえ。同族嫌悪?みたいなやつなんだろうけど無理なもんは無理だな、と今日久々にまともに話して思ったわ。なら無理に仲良くすることはねえし、これくらいの距離感の方がお互いちょうどいいらしい。
「お前らの距離感本当分かんねーわ」
心底意味わからんって顔で眺めるダイキ。そういやこいつが俺を殴ってくれたおかげで今の俺があるんだよなあ。あん時はめちゃくちゃムカついたけどお前にあそこで止めてもらわなかったらと思うとめっちゃ怖いわ。
「ダイキも…あん時止めてくれて助かった」
「はぁ………?」
なんだか聞いているんだか聞いていないんだかよくわかんねえマヌケな返事だ。エース様って顔じゃねーぞおい。ダイキはバツが悪そうに頭をかいて顔を逸らした。
「いや俺お前のこと殴ってるし。んな礼を言われる筋合いわねえよ」
中学の時から思ってたけどダイキって照れ屋だよな。黒いから分かりにくいけどちょっと赤面して目線外した時は大抵照れてる。
「ずっと思ってたけどダイキ本当素直じゃなくなったよな。色々変わりすぎだろお前」
「…うっせ」
「思ったんですけど青峰くん、虹村主将に灰崎くんを殴ったことバレたら終わりますよね」
色々と。と真顔で言うテツヤにダイキは真っ青になっていた。絶対絶対言うなよ!!!!とか言ってテツをガクガク揺さぶってるから死にそうになってるじゃんテツヤ。
「あの人がそんなんで怒るわけねえだろ。そもそも俺を1番ボコったのあの人だっつの」
「……灰崎くんってそっち方面意外と鈍いんですね」
「はぁ???」
意外です、じゃねえんだよ。どんだけ虹村さん短気だと思われてんだよ。それはそれでいい気味だけど影でここまでビビられてて流石に同情するわ。
「てかテツヤも色々とありがとな。中学の時止めに来てくれたの本当は嬉しかった」
「灰崎くん…」
「WCも決勝戦見に行ってさ。本当に楽しそうにバスケしてんの見てちょっと羨ましかったわ」
これが本物のバスケかって素直に納得したんだ、あの時。俺は全く真逆のバスケをしていたこと、そんで意外とバスケが好きってことに気付かせてくれたんだよ、お前たちキセキの世代が。
「灰崎くん、今度バスケしましょう」
「…バスケ?」
「僕は正直複雑な気持ちです。君には謝って欲しい人もいます。だから僕じゃなくて君が傷つけた人皆に謝ってください。それでその後皆で思いっきりバスケしましょう。それでちょっとずつ君のことを教えてください」
「…俺のキャラじゃねえよ馬鹿」
ちょっとずつ、友達になりましょう。
この世で石田さん以上にお人好しな人なんていないと思ってたけどテツヤも大概だよな。
虹村さんからメールが来た時は殺意すら覚えたが今ではちょっと感謝している。多分こんな機会なきゃ一生こいつらと話すことはなかったと思うんだよな。虹村さんもそれを分かっていたからあんな無茶ぶりしたんだろうけど。俺のキャラじゃ無さすぎてほんっと胃が痛かったけどとりあえず言いたいことは言えて良かった。
「灰崎、質問なのだよ」
今めちゃくちゃホッコリエンディングムードだったんだけど。その空気を真っ二つに裂くように緑間が挙手した。
「なんだい緑間」
そんで赤司が許可した。いやなんだよこれ。
「何故虹村さんの見送りに灰崎がいたのだよ?」
そこまで仲良かったか?っていやそこからかい。何となく察しろ、ってか仲良いんだな〜で良いじゃねえか。それすら信じられねえってか。お前の思考回路どうなってんだよ。説明する義理も無いし別になんでもいいだろ、とはぐらかそうとした時だった。向かいにいた赤司にぐい、とタートルネックを引っ張られる。
「こういうことだよ、緑間」
「バッ…!」
首がキセキの前にあらわになったわけだが、そこには無数の鬱血痕、歯型の数々。ナニがあったかなど丸わかりである。同級生の前で自分先輩に抱かれましたと自己紹介しているようなもんだろこれ。流石に顔が熱いってか穴があったら入りたい。拷問すぎる。
「わ〜!キャプテンって情熱的なんですね!」
「虹ちんすご〜い。めっちゃ独占欲強いじゃん」
「はっ…破廉恥なのだよ!!!!」
「うーわショーゴくん愛されてるんスね〜」
「やっぱり青峰くん終わりですね、ご愁傷様です」
「絶対主将に言うなよテツ!!!!」
てかさつきちゃんとかアツシとか緑間とか言わなきゃ絶対気づかなかったのに赤司のせいで全員にバレてんじゃん死にたい。
「何すんだよ赤司!!」
「おや、ではわざわざ灰崎は昨日虹村さんにめちゃくちゃに抱かれましたと説明した方が良かったか?お前のためを思っての行動だったんだが」
「ぎゃああああ言うなああああ!!!!」
全部言ってんじゃねーか!!!!わざとかよわざとだな!?!?こいつマジドSなんだけどなんなの!?
「ほんっとお前…ありえねえ…」
「俺はお前と虹村さんを応援しているよ」
いやどこがだよ嘘つくな。怖すぎる。赤司には絶対に相談とかしないって心に今決めたわ。
*
「ん…灰崎からか」
アメリカにいる虹村の元に一通のメールが届いた。それは1枚の写真が添付されているだけだったのだけど、虹村は嬉しそうに笑った。
「あいつ、やっぱやれば出来るんじゃねえか」
そこには、カラフルな面子と共に並ぶ灰色の青年が1人、写っていた。
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