03
主人公のお名前を。無ければ「沙苗」に。
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・・・
「…状況が少しずつ悪く…」
策を話してから一日。
戦う準備や情報収集は着々と進む。
たった一日で、その間にも状況は悪化の一途を辿り、今や人も攫われる始末。
早くなんとかしなければ…。
・・・
「…陵安の娘、沙苗か。殿に今回の件を頼んだそうだな。陵安の娘といえど、自分の立場も弁えずよく発言できたものだ。しかも、今回の策はお前の策だというではないか。素人のお前がたてた策で失敗したらお前の責任だぞ。そもそも、策をたてられる娘など怪しいにも程がある。それに…」
…長い。この人は凄くネチネチ言うタイプの人だ。
言ってる事がごもっとも過ぎるから心にグサグサ刺さるし…
状況悪化を危惧しつつ、長い廊下を一人歩いていた時、隆国という王騎軍長の一人が現れ今に至るわけだが、どうしたものか、的を射たような事を言われ続け、心が折れそうになる。
すみませんと会話の間に謝罪を入れるが追いつかない。
確かに、図々しいし、素人が出した策だ。王騎将軍は寛大であったが故に許してくれたけれど、普通に考えて誰も従いたくないだろう。
彼は、王騎軍の事を考えてこその発言をしている。悪いのは私なのだ。
どんどんと撃ち込まれる正論になすすべもなく、気分は落ち込んだ。
「おい隆国、誰に説教してんだよ。」
--その声は、正に希望だった。
「録嗚未!この、陵安の娘に言っているのだ!」
「陵安の……うおっ、あ、お前…」
たまたま通りかかった録嗚未軍長は、隆国軍長に話しかけたのだ。
彼のお陰で、一時的に正論の雨が止み、救われた。
「録嗚未、お前も思わんかっ、今回の件について…」
「あー、なんつーか……あ、隆国、お前騰に呼ばれてたぞ。」
「…何?早く言わんか!まったく…。」
「…相変わらずネチネチしてんな。」
…録嗚未軍長には本当に感謝しなければいけない。
録嗚未軍長の一言があり、隆国軍長が立ち去ったのだ。隆国軍長もいい人で、正しい事を言っているのはわかるけれど、もうあれ以上聞ける自信は、自分には無かった。
「あの、録嗚未様…ありがとうございました。」
最大限の感謝を込めてお礼を言えば、じわじわと彼の顔が真っ赤に染まる。
「う、別に俺は何もしてねぇっつーか…」
…今思ったのだけど、もしかして女性慣れしてない…?
録嗚未軍長が他の女性とどんな感じで話しているかはわからないけど、私と話した時のこの様子。
それできっと顔を赤くするんだ。
そう思うと納得できた。
「…隆国はああいう所があるからな。」
録嗚未軍長はそう零した。
…これは、彼も何か経験があるのかもしれない。
「…あ、録嗚未様。隆国様が呼ばれたのはもしかして、決行する日が決まったからですか…?」
そういえば、と思い聞いてみた。
「ああ。明日動く。」
「…明日、ですか。」
明日動く、という事に安心した。現状を考えれば、早く動くに越したことはない。
自分も心の準備をしておかなければ。
考えたことで、急に身体が強張るのを感じた。
「録嗚未様、私もお力添えできるよう頑張ります。…どうかご武運を。」
行って何ができるか、そんなものは無いに等しい。変に出しゃばれば、自分が怪我をする。そうでなくても邪魔になる。だからこそ、役に立てることがあったときには全力で動く。
その思いで、録嗚未軍長の顔をしっかりと見つめた。
「…あんたも気をつけろ。万が一の場合が無いとも限らねぇ。」
彼は目を逸らしてしまったが、それでも言葉に優しさを感じる。
…気がつくと先程まで強張っていた身体が楽になり、心までも軽くなったようだった。
「ありがとうございます。気をつけますね。」
「…おう。」
彼のお陰で、少しだけ覚悟が決まった。
常に万が一を考え、観察を怠らない。
本を読んだとき、その本に登場した軍神楽毅は、戦いにおいてその姿勢を崩さなかったのを思い出した。
それを見習って、明日の自分もそのようになれるよう努力しよう。
そう自分の中で決意した。
「…状況が少しずつ悪く…」
策を話してから一日。
戦う準備や情報収集は着々と進む。
たった一日で、その間にも状況は悪化の一途を辿り、今や人も攫われる始末。
早くなんとかしなければ…。
・・・
「…陵安の娘、沙苗か。殿に今回の件を頼んだそうだな。陵安の娘といえど、自分の立場も弁えずよく発言できたものだ。しかも、今回の策はお前の策だというではないか。素人のお前がたてた策で失敗したらお前の責任だぞ。そもそも、策をたてられる娘など怪しいにも程がある。それに…」
…長い。この人は凄くネチネチ言うタイプの人だ。
言ってる事がごもっとも過ぎるから心にグサグサ刺さるし…
状況悪化を危惧しつつ、長い廊下を一人歩いていた時、隆国という王騎軍長の一人が現れ今に至るわけだが、どうしたものか、的を射たような事を言われ続け、心が折れそうになる。
すみませんと会話の間に謝罪を入れるが追いつかない。
確かに、図々しいし、素人が出した策だ。王騎将軍は寛大であったが故に許してくれたけれど、普通に考えて誰も従いたくないだろう。
彼は、王騎軍の事を考えてこその発言をしている。悪いのは私なのだ。
どんどんと撃ち込まれる正論になすすべもなく、気分は落ち込んだ。
「おい隆国、誰に説教してんだよ。」
--その声は、正に希望だった。
「録嗚未!この、陵安の娘に言っているのだ!」
「陵安の……うおっ、あ、お前…」
たまたま通りかかった録嗚未軍長は、隆国軍長に話しかけたのだ。
彼のお陰で、一時的に正論の雨が止み、救われた。
「録嗚未、お前も思わんかっ、今回の件について…」
「あー、なんつーか……あ、隆国、お前騰に呼ばれてたぞ。」
「…何?早く言わんか!まったく…。」
「…相変わらずネチネチしてんな。」
…録嗚未軍長には本当に感謝しなければいけない。
録嗚未軍長の一言があり、隆国軍長が立ち去ったのだ。隆国軍長もいい人で、正しい事を言っているのはわかるけれど、もうあれ以上聞ける自信は、自分には無かった。
「あの、録嗚未様…ありがとうございました。」
最大限の感謝を込めてお礼を言えば、じわじわと彼の顔が真っ赤に染まる。
「う、別に俺は何もしてねぇっつーか…」
…今思ったのだけど、もしかして女性慣れしてない…?
録嗚未軍長が他の女性とどんな感じで話しているかはわからないけど、私と話した時のこの様子。
それできっと顔を赤くするんだ。
そう思うと納得できた。
「…隆国はああいう所があるからな。」
録嗚未軍長はそう零した。
…これは、彼も何か経験があるのかもしれない。
「…あ、録嗚未様。隆国様が呼ばれたのはもしかして、決行する日が決まったからですか…?」
そういえば、と思い聞いてみた。
「ああ。明日動く。」
「…明日、ですか。」
明日動く、という事に安心した。現状を考えれば、早く動くに越したことはない。
自分も心の準備をしておかなければ。
考えたことで、急に身体が強張るのを感じた。
「録嗚未様、私もお力添えできるよう頑張ります。…どうかご武運を。」
行って何ができるか、そんなものは無いに等しい。変に出しゃばれば、自分が怪我をする。そうでなくても邪魔になる。だからこそ、役に立てることがあったときには全力で動く。
その思いで、録嗚未軍長の顔をしっかりと見つめた。
「…あんたも気をつけろ。万が一の場合が無いとも限らねぇ。」
彼は目を逸らしてしまったが、それでも言葉に優しさを感じる。
…気がつくと先程まで強張っていた身体が楽になり、心までも軽くなったようだった。
「ありがとうございます。気をつけますね。」
「…おう。」
彼のお陰で、少しだけ覚悟が決まった。
常に万が一を考え、観察を怠らない。
本を読んだとき、その本に登場した軍神楽毅は、戦いにおいてその姿勢を崩さなかったのを思い出した。
それを見習って、明日の自分もそのようになれるよう努力しよう。
そう自分の中で決意した。