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主人公のお名前を。無ければ「沙苗」に。
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有名とはいかずとも、そこそこ名の知れた大学へ入り、歴史を専攻。歴史が好きな私は充実した日々を送ることができた。…けれど、いざ全過程を修了し、職についても、自身の納得する仕事に就けず…
両親は今の仕事を喜んでいるものの、私には不満が募るばかりだ。
あまりの悔しさに、働きながら密かに計画していた中国一人旅へ有給休暇を使って、出かけた。
・・・
「おおぉ…!」
初めて見た兵馬俑で感動し、次に、階段の段差がバラバラな万里の長城に息を切らして登る。歴史を肌で感じる事ができる幸せに、生活の不満も忘れて浸った。
そして、その日は一日目にして疲れが溜まりホテルへ向かった。部屋に入った私はベットになだれ込むように眠りの底に向かう。
明日はどこへ行こうか…
そのまま次の日を迎えると思った。
けど、何故だろう…
「え、どこ?」
豪華絢爛、中華の宮廷ドラマに出てきそうな部屋に、私は居た。凄い…と一瞬思ったものの、意識を戻す。
…ここはいったい…?
「…誘、拐?」
いやいや、部屋の鍵閉まってたはず…
なら…
「…夢遊病…」
違う、絶対違う。
だったら何なんだ…と、一人考えあぐねる。
…何もわからない。
現状把握といっても、自分は寝てる間に豪華な中華の一室に居て…よく見れば自分の服も薄い着物に変わっている。
何だろう、何かやらかしてしまったのかな…
…まあ、ひとまず、その考えは置いておこう。まずは調査。
そっとベッドから降りて部屋を調べる。
「…眩しい」
もう、どこを見てもキラキラして見える。細かな装飾は、歴史資料で見るような物ばかり。
「…ああ、窓。」
窓を発見した。というより、内装に気を取られて気づくのが遅れてしまったのだ。
「この建物だけ中華、とかだよね、普通に…………え"…えー…」
…すっごく、どこも中華。
この部屋は2階にあるようだ。それにしても、"町"というべきか…低い屋根の建物がたくさん見える。
「ほんと、どこ……?」
今更ながら、怖くなってきた。
額に汗が流れるのを感じながらふと、扉が視界に入った。
何があるかわからないので、とりあえずは触れずにいたが、流石にこの部屋に居るだけでは情報など入らない。
そっと扉に近づいてみる。
…とりあえず開けてみて、危なそうなら一か八か走って、警察か誰かを探して助けを求めよう。
意を決して扉を開ける。
ぬっ
「どうなさいましたか?」
「ひぃぃぃぃ…!!ごごごご、ごめんなさいぃぃ…!」
突然、女性が現れた。まさか幽霊!?
「ふふふ、失礼いたしました。お身体を冷やしてしまいます、こちらをどうぞお召し下さい。」
開いた扉の隙間からすっと部屋に入ってきた女性は流れるように私に着物を羽織らせた。
…この人、生きてるよね…?
「あ、ありがとうございます…はは…」
宮女か女中か。ここの主人はきっと富豪か何かで、こういった古い時代の様式が好きなんだろう。
お金のかかる趣味だなぁ…。
と、考えてる場合ではなかった。
…完全に逃げるタイミングを失った。
あれよあれよと部屋に戻され、椅子に座らせられる。
無駄のない動きだ…
思わず恐怖も忘れて感動してしまう。
しかしまずいことに、気を取られている内にさらに人が来てしまった。
「ああ、目が覚めたようだね。」
カチャリと扉の開く音と共に、穏やかな男性の声が静かに響く。
どうしよう、突然の事ばかりで、頭が追いつかない…
両親は今の仕事を喜んでいるものの、私には不満が募るばかりだ。
あまりの悔しさに、働きながら密かに計画していた中国一人旅へ有給休暇を使って、出かけた。
・・・
「おおぉ…!」
初めて見た兵馬俑で感動し、次に、階段の段差がバラバラな万里の長城に息を切らして登る。歴史を肌で感じる事ができる幸せに、生活の不満も忘れて浸った。
そして、その日は一日目にして疲れが溜まりホテルへ向かった。部屋に入った私はベットになだれ込むように眠りの底に向かう。
明日はどこへ行こうか…
そのまま次の日を迎えると思った。
けど、何故だろう…
「え、どこ?」
豪華絢爛、中華の宮廷ドラマに出てきそうな部屋に、私は居た。凄い…と一瞬思ったものの、意識を戻す。
…ここはいったい…?
「…誘、拐?」
いやいや、部屋の鍵閉まってたはず…
なら…
「…夢遊病…」
違う、絶対違う。
だったら何なんだ…と、一人考えあぐねる。
…何もわからない。
現状把握といっても、自分は寝てる間に豪華な中華の一室に居て…よく見れば自分の服も薄い着物に変わっている。
何だろう、何かやらかしてしまったのかな…
…まあ、ひとまず、その考えは置いておこう。まずは調査。
そっとベッドから降りて部屋を調べる。
「…眩しい」
もう、どこを見てもキラキラして見える。細かな装飾は、歴史資料で見るような物ばかり。
「…ああ、窓。」
窓を発見した。というより、内装に気を取られて気づくのが遅れてしまったのだ。
「この建物だけ中華、とかだよね、普通に…………え"…えー…」
…すっごく、どこも中華。
この部屋は2階にあるようだ。それにしても、"町"というべきか…低い屋根の建物がたくさん見える。
「ほんと、どこ……?」
今更ながら、怖くなってきた。
額に汗が流れるのを感じながらふと、扉が視界に入った。
何があるかわからないので、とりあえずは触れずにいたが、流石にこの部屋に居るだけでは情報など入らない。
そっと扉に近づいてみる。
…とりあえず開けてみて、危なそうなら一か八か走って、警察か誰かを探して助けを求めよう。
意を決して扉を開ける。
ぬっ
「どうなさいましたか?」
「ひぃぃぃぃ…!!ごごごご、ごめんなさいぃぃ…!」
突然、女性が現れた。まさか幽霊!?
「ふふふ、失礼いたしました。お身体を冷やしてしまいます、こちらをどうぞお召し下さい。」
開いた扉の隙間からすっと部屋に入ってきた女性は流れるように私に着物を羽織らせた。
…この人、生きてるよね…?
「あ、ありがとうございます…はは…」
宮女か女中か。ここの主人はきっと富豪か何かで、こういった古い時代の様式が好きなんだろう。
お金のかかる趣味だなぁ…。
と、考えてる場合ではなかった。
…完全に逃げるタイミングを失った。
あれよあれよと部屋に戻され、椅子に座らせられる。
無駄のない動きだ…
思わず恐怖も忘れて感動してしまう。
しかしまずいことに、気を取られている内にさらに人が来てしまった。
「ああ、目が覚めたようだね。」
カチャリと扉の開く音と共に、穏やかな男性の声が静かに響く。
どうしよう、突然の事ばかりで、頭が追いつかない…