05
主人公のお名前を。無ければ「沙苗」に。
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盗賊との戦いが終わり、王騎将軍の元で数日休ませてもらえる事となった。
1日目は身体を休ませつつも、盗賊による町の被害状況の把握と復旧に尽力。今後の支援について話を進めて1日が過ぎた。
今思えば、王騎将軍達は蛇甘平原で魏国との戦いに参加していたとか…
王騎軍の恐るべき体力に驚くばかりだ。
しかも、王騎将軍は手伝いに使いなさいと録嗚未軍長を私に付けてくれ、力の必用な場面でとても助けられた。
録嗚未軍長は、王騎将軍から場所だけ教えられただけで何も知らなかったらしく、到着した時はとても怒っていたことを思い出す。とはいえ、私に対して怒ることなく手伝ってくれたのでとても優しい人だ。
そうして、家の仕事と支援とを繰り返す日々が続いた。
そしてあっという間に来た4日目。
動き回っている間は色々な事を忘れられて安心する。
そう、あの盗賊の一件があってからというもの、私は悪夢に魘されるようになったから。
私のような、戦という言葉とは無縁で生きてきた人間にとって、実際に参加する戦いというものには恐怖しかない。
大丈夫だと思っていたそれらが、私の中でずっと恐怖として膨れ上がっていく。
そうしてそんな事を抱えたこのタイミングで、とうとう先送りにしていた問題も襲いかかってきた。
・・
「ンフフ、あなたの願いを叶えたことですし、聞かせてもらいましょうか、あなたの"真実"を。」
「…はい。それが条件でしたので。」
目の前には王騎将軍がいる。
人払いを済ませてくれた部屋の中で、私と二人。
外で鍛錬を行っている兵士達のかけ声だけが室内に響いている。
私は、深呼吸をして覚悟を決めた。
「…王騎様は既に、私という存在の"違和感"を感じていらっしゃるでしょう。まず最初に、王騎様が仰った、私が記憶喪失ではないことですが、その通りです。ただ、"この秦国で生まれ育った"という記憶もありません。」
「コココ、では、秦国の者ではないと。」
「はい。正確に言えば、秦でも、趙でも…どこの人間でもない……"この世界で存在してはいけない"異物です。頭がおかしいと思われる事を承知で言います、私はこの世界の人間ではありません。」
「…」
王騎将軍との問答。
"この世界の人間ではない"
この一言に私の全てが詰まっている。
「私にとってそれが事実です。…なので、頭がおかしいと思われる事を前提で、お話します。私の今までの話を。」
信じてもらえずとも、本当の事を話す。
そういう約束という事もあるが、私自身が王騎将軍を信じたいという気持ちがあるからこそ話したい。
「…いいでしょう。」
「…私は…」
そうして私は一つ一つ、私の生まれた世界のこと、そしてここに至るまでの経緯を話し始めた。
・・
「…以上が、私、沙苗という人間の真実です。」
話し終わった頃には、外の鍛錬の声は止み、静寂だけがあった。
「…ンフフ、なるほど。そういう事ですか。」
王騎将軍のその声に、今更ながらドキドキと心臓が音を立てる。
やはり、嘘だと思っているだろう。
「ココココ。信じましょう。」
「…………え?」
「おや、では偽りでしたか。」
「ち、違います!真です!真ですが、その…こんなにもすぐに信じて頂けるとは思わず…」
…あっさり、あまりにもあっさりと信じてもらえすぎて驚きが隠せない。
「あなたが最初に言った"違和感"、それは行動、言動でずっと感じていましたからねェ。…何より、あなたから微かに漏れ出す異質な空気。ただの戦争孤児では説明がつかないでしょう。コココ。」
「異質な空気……それは、周りも気づいていますか?」
王騎将軍が微かに感じ取ったという異質な空気。
私自身がこの世界に馴染めていない部分。個人的に感じていた違和感を、王騎将軍は既に知っていた。
…もしこれが王騎将軍だけでなく、他の人間にも伝わっていたとすれば…
「ンフフ、それは大丈夫でしょう。"私ほどの"人間でなければ気づきませんよ。」
「そう、ですか。」
王騎将軍の言葉にホッとするも、"私ほどの"の部分に引っかかってしまう。
ちらりと王騎将軍を見ると、こちらをまっすぐ見つめて笑っている。
「…後々現れるわけですか。それも、そう遠くもないということですね。」
私はそっと目を伏せて、落ち着いた口調で返す。
「コココ、そういう事です。…ですが、安心なさい。私からあなたの事を口外する事はありません。せっかく私に信を寄せてくれたのですからねェ。」
「…!」
その言葉に、私は目を見開いて王騎将軍の顔を見つめた。
「…どうしてそこまで……いえ、感謝、致します。」
私は深く頭を下げる。
王騎将軍に理由を求める必要は無い。
私が真実を話すと決めた、信じると決めたのだから。
「ンフ、とはいえ、今後必ずあなたは利用されることになるでしょう。…この先の事を知っているのですから。その時、あなたに疑問を持つ者も現れる…ですから隙を作らないことです。」
そう言って王騎将軍は忠告してくれた。
誰が危険なのかはおおよそ理解している。
…呂不韋という存在は真っ先に避けたいところ。
陵安は呂不韋と面識がある。
親しいかはともかく、常に警戒は必要。
…まあ、そうは言っても回避は難しい筈だ。
1日目は身体を休ませつつも、盗賊による町の被害状況の把握と復旧に尽力。今後の支援について話を進めて1日が過ぎた。
今思えば、王騎将軍達は蛇甘平原で魏国との戦いに参加していたとか…
王騎軍の恐るべき体力に驚くばかりだ。
しかも、王騎将軍は手伝いに使いなさいと録嗚未軍長を私に付けてくれ、力の必用な場面でとても助けられた。
録嗚未軍長は、王騎将軍から場所だけ教えられただけで何も知らなかったらしく、到着した時はとても怒っていたことを思い出す。とはいえ、私に対して怒ることなく手伝ってくれたのでとても優しい人だ。
そうして、家の仕事と支援とを繰り返す日々が続いた。
そしてあっという間に来た4日目。
動き回っている間は色々な事を忘れられて安心する。
そう、あの盗賊の一件があってからというもの、私は悪夢に魘されるようになったから。
私のような、戦という言葉とは無縁で生きてきた人間にとって、実際に参加する戦いというものには恐怖しかない。
大丈夫だと思っていたそれらが、私の中でずっと恐怖として膨れ上がっていく。
そうしてそんな事を抱えたこのタイミングで、とうとう先送りにしていた問題も襲いかかってきた。
・・
「ンフフ、あなたの願いを叶えたことですし、聞かせてもらいましょうか、あなたの"真実"を。」
「…はい。それが条件でしたので。」
目の前には王騎将軍がいる。
人払いを済ませてくれた部屋の中で、私と二人。
外で鍛錬を行っている兵士達のかけ声だけが室内に響いている。
私は、深呼吸をして覚悟を決めた。
「…王騎様は既に、私という存在の"違和感"を感じていらっしゃるでしょう。まず最初に、王騎様が仰った、私が記憶喪失ではないことですが、その通りです。ただ、"この秦国で生まれ育った"という記憶もありません。」
「コココ、では、秦国の者ではないと。」
「はい。正確に言えば、秦でも、趙でも…どこの人間でもない……"この世界で存在してはいけない"異物です。頭がおかしいと思われる事を承知で言います、私はこの世界の人間ではありません。」
「…」
王騎将軍との問答。
"この世界の人間ではない"
この一言に私の全てが詰まっている。
「私にとってそれが事実です。…なので、頭がおかしいと思われる事を前提で、お話します。私の今までの話を。」
信じてもらえずとも、本当の事を話す。
そういう約束という事もあるが、私自身が王騎将軍を信じたいという気持ちがあるからこそ話したい。
「…いいでしょう。」
「…私は…」
そうして私は一つ一つ、私の生まれた世界のこと、そしてここに至るまでの経緯を話し始めた。
・・
「…以上が、私、沙苗という人間の真実です。」
話し終わった頃には、外の鍛錬の声は止み、静寂だけがあった。
「…ンフフ、なるほど。そういう事ですか。」
王騎将軍のその声に、今更ながらドキドキと心臓が音を立てる。
やはり、嘘だと思っているだろう。
「ココココ。信じましょう。」
「…………え?」
「おや、では偽りでしたか。」
「ち、違います!真です!真ですが、その…こんなにもすぐに信じて頂けるとは思わず…」
…あっさり、あまりにもあっさりと信じてもらえすぎて驚きが隠せない。
「あなたが最初に言った"違和感"、それは行動、言動でずっと感じていましたからねェ。…何より、あなたから微かに漏れ出す異質な空気。ただの戦争孤児では説明がつかないでしょう。コココ。」
「異質な空気……それは、周りも気づいていますか?」
王騎将軍が微かに感じ取ったという異質な空気。
私自身がこの世界に馴染めていない部分。個人的に感じていた違和感を、王騎将軍は既に知っていた。
…もしこれが王騎将軍だけでなく、他の人間にも伝わっていたとすれば…
「ンフフ、それは大丈夫でしょう。"私ほどの"人間でなければ気づきませんよ。」
「そう、ですか。」
王騎将軍の言葉にホッとするも、"私ほどの"の部分に引っかかってしまう。
ちらりと王騎将軍を見ると、こちらをまっすぐ見つめて笑っている。
「…後々現れるわけですか。それも、そう遠くもないということですね。」
私はそっと目を伏せて、落ち着いた口調で返す。
「コココ、そういう事です。…ですが、安心なさい。私からあなたの事を口外する事はありません。せっかく私に信を寄せてくれたのですからねェ。」
「…!」
その言葉に、私は目を見開いて王騎将軍の顔を見つめた。
「…どうしてそこまで……いえ、感謝、致します。」
私は深く頭を下げる。
王騎将軍に理由を求める必要は無い。
私が真実を話すと決めた、信じると決めたのだから。
「ンフ、とはいえ、今後必ずあなたは利用されることになるでしょう。…この先の事を知っているのですから。その時、あなたに疑問を持つ者も現れる…ですから隙を作らないことです。」
そう言って王騎将軍は忠告してくれた。
誰が危険なのかはおおよそ理解している。
…呂不韋という存在は真っ先に避けたいところ。
陵安は呂不韋と面識がある。
親しいかはともかく、常に警戒は必要。
…まあ、そうは言っても回避は難しい筈だ。