カロスの棚
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F→グリ→カラスバの順で。
エイプリルフールの嘘。
ーーーーーーーー
F編
今日は4月1日。
エイプリルフール。
「……Fさん。あの、突然なんですけど…私たち、少し距離を置いた方がいいと思うんですっ…!」
私は膝の上でぎゅっと拳を握り、勇気を振り絞って向かいのソファーに座るFさんに向けて言葉を投げ掛けた。
「……理由を。納得のいく説明を、聞かせていただけますか?」
低く、重い声がする。
恐る恐る彼を見ると、Fさんのライトグレーの瞳からすうっと体温が引いていくのがわかった。
「え!?…ぁ、あの、えっと……それはぁ………」
考えていなかった「理由」を問われ、私は言葉を濁す。
すると、Fさんはゆっくりと立ち上がり、私の前に静かに跪く。そして両手を大きな掌で包み込むように握ると、逃がさないと言わんばかりに視線を絡めてきた。
「私との時間に、何か不満がありましたか? それとも……他に、理由が?」
淡々と、けれど確実に逃げ道を塞いでいく問いかけに、私の胸がチクリと痛む。
(ああぁ……ごめんなさい。そうじゃないの…、そんなんじゃ…なくて……)
背筋を凍らせるような圧に、私はいくら嘘でも口にしてしまった言葉を激しく後悔し、唇をきゅっと噛み締めた。
「……もし、本当に離れたいと望むなら。……私はあなたを、どんな手段を使っても……」
「っご、ごめんなさいっ! 嘘です!エイプリルフールなんですっ!これ…っ!!」
私は良心の呵責に負けて、必死に頭を下げた。
繋がれた手をぎゅっと握り返し、震える声で必死に謝る。
「驚かせたかっただけで……っ。本当にそんなこと思ってません、から。ぁの……だから、嫌いにならないで……くださいっ」
目尻が熱くなって、涙で視界がゆがむ。
喉が詰まって、うまく出ない声を頑張って私は絞り出した。
するとFさんは一拍置いて、深く、重い溜息をついた。
繋がれた手に力がこもり、彼は一度片手を離すと、私の頬に熱い掌をそっと添えてくる。
「……リリィ。そういうのは、感心しませんよ。本当に」
「…っ…ごめんなさい……」
肩を落として涙目でポツリ、と。もう一度謝罪を口にして見上げると、Fさんは怒っているんじゃなくて、どこか意地悪で熱い笑みを口元に浮かべていた。
「謝罪は受け入れましょう。ですが……私をここまで動揺させた報いは、受けていただきます」
「っ、へ……?」
疑問に思うよりも先に、不意に体が宙に浮く。
驚く間もなく「お姫様抱っこ」で攫われ、そのままベッドへと運ばれた。
「『距離を置く』……でしたか。では、今夜はその正反対のことを。……骨の髄まで、私の腕の中から逃げられないことを教えて差し上げますよ」
柔らかなシーツに降ろされて、すぐにFさんの大きな体が重なる。
「…っん…、や…!」
首筋から肩にかけて、わざとらしくチュッと音を立てられ、何度も何度も吸い付かれる。
その甘い痺れに逃げたくて身を捩るけど、Fさんの手が邪魔をして動けない。
「……嫌、ですか? こうして、私に全部塗り替えられてしまうのは」
耳元で囁かれる、低くて甘い声。
その色気に、私の頭の中は真っ白に溶けていく。
「……違っ…くて。…嫌じゃ、ないです……っ」
「いい子ですね、リリィ。……朝まで、嘘を吐く余裕なんて、一瞬たりとも与えませんから…そのつもりで」
その言葉を合図に、部屋の明かりが消されてしまう。
暗闇の中で重なる彼の熱い体温に包まれて、
私はもう。
彼のことしか考えられなくなった。
ーーーーーーーー
グリ編。
今日は4月1日。
待ちに待ったエイプリルフール。
私はベッドの上で並んで寝転びながら、隣で一緒にくつろぐグリに、いたずら心を込めて視線を投げた。
「……ねえ、グリ。実は私、最近ちょっと気になる人がいるのよね」
スマホロトムを弄る彼に、ポツリと零した小さな嘘。
けれどその言葉が落ちた瞬間ーー
画面を触る指がピタリと止まり、僅かに空気が冷えた。
「……へぇ。それは、どこの誰ですか?」
ゆっくりと、私の方へと顔を向ける彼の琥珀色の瞳が、鋭い視線へと変わっていく。
「さあ、秘密。……とっても素敵な王子様、とだけ言っておこうかしら」
その様子をニヤニヤと笑って見せると、グリは無言のままスマホロトムを放り出し、仰向けの体勢からぐるりと身体を反転させて、私との距離を詰め出す。
(……あ、これ、まずいかも)
伸びてきた腕がルームウェアの隙間から滑り込み、直接私の肌に触れた。
ゾクリと震えるような熱が走り、動悸が高まる。
「……冗談でも、聞き捨てなりませんね。その『王子様』に、私がどれほど嫉妬深いか、教えて差し上げなければ」
いつもの余裕たっぷりな微笑みはどこへやら、剥き出しの独占欲が私を射抜いた。
「っ、ちょ…ちょっと待って! 嘘よ、エイプリルフール! エイプリルフールだからっ!」
慌てて彼の手を押し返そうとしたけれど、時すでに遅し。
グリは私の両手首をひょいと頭の上でまとめると、素早く私の上に跨り抗えない力でベッドに縫い付けた。
「……そうですか。嘘、ですか」
声は淡々としているけれど。
その瞳には、嘘だと分かっても尚収まらない、暗い熱が渦巻いている。
「……では次は、こちらの番ですね。お姫様」
「っ、グリ……?」
「私を試した罰です。……しばらく、その『王子様』のことなど思い出せないくらいに、夢中にして差し上げますよ」
逃がさないという意志を込めて、彼は私の首筋に熱く、執拗な吸い痕を残すように唇を寄せた。
「……っ……、ん……」
逃げようとしても、重なる彼の重みに身動きが取れない。首筋に走るチクリとした痛みと、容赦のない「仕返し」に、下腹部が甘く疼き出す。
「……いいですね、リリィ。……今夜は、私以外の名前を呼ぶことは許しませんから」
翻弄される私を嘲笑うように、今度はグリの唇が私の声を奪っていく。
ほんの出来心の嘘を跡形もなく燃やしてしまうように。
ーーーーーーーー
カラスバ編
今日は4月1日。
エイプリルフール。
私の部屋、ソファの上。
カラスバさんの膝を恐れ多くも枕にして、私はスマホロトムを眺めるふりをしながら、ふと思いついた言葉を口にした。
「……ねえ、カラスバさん。私、もうあなたのこと好きじゃないかも」
普段揶揄われている分の仕返しで、軽いノリのつもりだった。
けれど、頭上で聞こえていた書類をめくる音が、ぴたりと止まる。
「……へぇ」
冷ややかな相槌が返り、パサッと書類が閉じられる乾いた音がした。
「そら、残念やなぁ。リリィにそう言われてしもたら、オレはどうしたらええんやろ?」
すっと見上げると、カラスバさんは微笑んでいた。
けれど、その瞳の奥には一切の光がなくて。
(あ、……これ、一番やばいやつかも……)
背筋に氷を這わされたような戦慄が走り、本能的に逃げようと身を起こそうとした瞬間――。
カラスバさんの腕が私の肩を強く抱き込み、抗えない力でソファの角へと押し戻された。
「何処に逃げるつもりや? なぁ……リリィちゃん」
ゾクリとするほど黒い笑み。
視界が彼の影に塗りつぶされていく。
……やっば……地雷踏んじゃった…。
「……う、嘘! 嘘です!嘘、嘘っ!エイプリルフール!これエイプリルフールなんで!! だからお願い、離して……っ!」
必死に暴れて抵抗するけれど、カラスバさんはびくともしない。それどころか、彼は私の耳元に唇を寄せ、熱い吐息と共に、ぞっとするほど甘く低い声で囁いた。
「……知っとるで。エイプリルフールなんやろ?」
「っ、し、知ってるなら……!」
「でもな、リリィ。嘘でも、それは言うたらあかん言葉やろ? オレの心が、今どんだけ傷ついたか……分からん訳ないなぁ?」
否定も肯定も許されない、甘く冷たい断罪の響き。
逃げ場のないソファの角でカラスバさんの体が覆い被さり、私の視界は彼だけで埋め尽くされる。
「覚悟しぃや。今日は絶対に寝かせへんからな。その可愛い口が、二度とそんな嘘を吐けへんように……たっぷり可愛がってあげるわ」
片手でネクタイを緩めながら、カラスバさんが獲物を定めるように目を細める。
抗う術を奪うように、彼の歯が私の喉元へとまるでアーボックのように深く噛み付く――。
そして逃げ場のない熱の中に、甘い毒をじわじわと染み込ませていった。
エイプリルフールの嘘。
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F編
今日は4月1日。
エイプリルフール。
「……Fさん。あの、突然なんですけど…私たち、少し距離を置いた方がいいと思うんですっ…!」
私は膝の上でぎゅっと拳を握り、勇気を振り絞って向かいのソファーに座るFさんに向けて言葉を投げ掛けた。
「……理由を。納得のいく説明を、聞かせていただけますか?」
低く、重い声がする。
恐る恐る彼を見ると、Fさんのライトグレーの瞳からすうっと体温が引いていくのがわかった。
「え!?…ぁ、あの、えっと……それはぁ………」
考えていなかった「理由」を問われ、私は言葉を濁す。
すると、Fさんはゆっくりと立ち上がり、私の前に静かに跪く。そして両手を大きな掌で包み込むように握ると、逃がさないと言わんばかりに視線を絡めてきた。
「私との時間に、何か不満がありましたか? それとも……他に、理由が?」
淡々と、けれど確実に逃げ道を塞いでいく問いかけに、私の胸がチクリと痛む。
(ああぁ……ごめんなさい。そうじゃないの…、そんなんじゃ…なくて……)
背筋を凍らせるような圧に、私はいくら嘘でも口にしてしまった言葉を激しく後悔し、唇をきゅっと噛み締めた。
「……もし、本当に離れたいと望むなら。……私はあなたを、どんな手段を使っても……」
「っご、ごめんなさいっ! 嘘です!エイプリルフールなんですっ!これ…っ!!」
私は良心の呵責に負けて、必死に頭を下げた。
繋がれた手をぎゅっと握り返し、震える声で必死に謝る。
「驚かせたかっただけで……っ。本当にそんなこと思ってません、から。ぁの……だから、嫌いにならないで……くださいっ」
目尻が熱くなって、涙で視界がゆがむ。
喉が詰まって、うまく出ない声を頑張って私は絞り出した。
するとFさんは一拍置いて、深く、重い溜息をついた。
繋がれた手に力がこもり、彼は一度片手を離すと、私の頬に熱い掌をそっと添えてくる。
「……リリィ。そういうのは、感心しませんよ。本当に」
「…っ…ごめんなさい……」
肩を落として涙目でポツリ、と。もう一度謝罪を口にして見上げると、Fさんは怒っているんじゃなくて、どこか意地悪で熱い笑みを口元に浮かべていた。
「謝罪は受け入れましょう。ですが……私をここまで動揺させた報いは、受けていただきます」
「っ、へ……?」
疑問に思うよりも先に、不意に体が宙に浮く。
驚く間もなく「お姫様抱っこ」で攫われ、そのままベッドへと運ばれた。
「『距離を置く』……でしたか。では、今夜はその正反対のことを。……骨の髄まで、私の腕の中から逃げられないことを教えて差し上げますよ」
柔らかなシーツに降ろされて、すぐにFさんの大きな体が重なる。
「…っん…、や…!」
首筋から肩にかけて、わざとらしくチュッと音を立てられ、何度も何度も吸い付かれる。
その甘い痺れに逃げたくて身を捩るけど、Fさんの手が邪魔をして動けない。
「……嫌、ですか? こうして、私に全部塗り替えられてしまうのは」
耳元で囁かれる、低くて甘い声。
その色気に、私の頭の中は真っ白に溶けていく。
「……違っ…くて。…嫌じゃ、ないです……っ」
「いい子ですね、リリィ。……朝まで、嘘を吐く余裕なんて、一瞬たりとも与えませんから…そのつもりで」
その言葉を合図に、部屋の明かりが消されてしまう。
暗闇の中で重なる彼の熱い体温に包まれて、
私はもう。
彼のことしか考えられなくなった。
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グリ編。
今日は4月1日。
待ちに待ったエイプリルフール。
私はベッドの上で並んで寝転びながら、隣で一緒にくつろぐグリに、いたずら心を込めて視線を投げた。
「……ねえ、グリ。実は私、最近ちょっと気になる人がいるのよね」
スマホロトムを弄る彼に、ポツリと零した小さな嘘。
けれどその言葉が落ちた瞬間ーー
画面を触る指がピタリと止まり、僅かに空気が冷えた。
「……へぇ。それは、どこの誰ですか?」
ゆっくりと、私の方へと顔を向ける彼の琥珀色の瞳が、鋭い視線へと変わっていく。
「さあ、秘密。……とっても素敵な王子様、とだけ言っておこうかしら」
その様子をニヤニヤと笑って見せると、グリは無言のままスマホロトムを放り出し、仰向けの体勢からぐるりと身体を反転させて、私との距離を詰め出す。
(……あ、これ、まずいかも)
伸びてきた腕がルームウェアの隙間から滑り込み、直接私の肌に触れた。
ゾクリと震えるような熱が走り、動悸が高まる。
「……冗談でも、聞き捨てなりませんね。その『王子様』に、私がどれほど嫉妬深いか、教えて差し上げなければ」
いつもの余裕たっぷりな微笑みはどこへやら、剥き出しの独占欲が私を射抜いた。
「っ、ちょ…ちょっと待って! 嘘よ、エイプリルフール! エイプリルフールだからっ!」
慌てて彼の手を押し返そうとしたけれど、時すでに遅し。
グリは私の両手首をひょいと頭の上でまとめると、素早く私の上に跨り抗えない力でベッドに縫い付けた。
「……そうですか。嘘、ですか」
声は淡々としているけれど。
その瞳には、嘘だと分かっても尚収まらない、暗い熱が渦巻いている。
「……では次は、こちらの番ですね。お姫様」
「っ、グリ……?」
「私を試した罰です。……しばらく、その『王子様』のことなど思い出せないくらいに、夢中にして差し上げますよ」
逃がさないという意志を込めて、彼は私の首筋に熱く、執拗な吸い痕を残すように唇を寄せた。
「……っ……、ん……」
逃げようとしても、重なる彼の重みに身動きが取れない。首筋に走るチクリとした痛みと、容赦のない「仕返し」に、下腹部が甘く疼き出す。
「……いいですね、リリィ。……今夜は、私以外の名前を呼ぶことは許しませんから」
翻弄される私を嘲笑うように、今度はグリの唇が私の声を奪っていく。
ほんの出来心の嘘を跡形もなく燃やしてしまうように。
ーーーーーーーー
カラスバ編
今日は4月1日。
エイプリルフール。
私の部屋、ソファの上。
カラスバさんの膝を恐れ多くも枕にして、私はスマホロトムを眺めるふりをしながら、ふと思いついた言葉を口にした。
「……ねえ、カラスバさん。私、もうあなたのこと好きじゃないかも」
普段揶揄われている分の仕返しで、軽いノリのつもりだった。
けれど、頭上で聞こえていた書類をめくる音が、ぴたりと止まる。
「……へぇ」
冷ややかな相槌が返り、パサッと書類が閉じられる乾いた音がした。
「そら、残念やなぁ。リリィにそう言われてしもたら、オレはどうしたらええんやろ?」
すっと見上げると、カラスバさんは微笑んでいた。
けれど、その瞳の奥には一切の光がなくて。
(あ、……これ、一番やばいやつかも……)
背筋に氷を這わされたような戦慄が走り、本能的に逃げようと身を起こそうとした瞬間――。
カラスバさんの腕が私の肩を強く抱き込み、抗えない力でソファの角へと押し戻された。
「何処に逃げるつもりや? なぁ……リリィちゃん」
ゾクリとするほど黒い笑み。
視界が彼の影に塗りつぶされていく。
……やっば……地雷踏んじゃった…。
「……う、嘘! 嘘です!嘘、嘘っ!エイプリルフール!これエイプリルフールなんで!! だからお願い、離して……っ!」
必死に暴れて抵抗するけれど、カラスバさんはびくともしない。それどころか、彼は私の耳元に唇を寄せ、熱い吐息と共に、ぞっとするほど甘く低い声で囁いた。
「……知っとるで。エイプリルフールなんやろ?」
「っ、し、知ってるなら……!」
「でもな、リリィ。嘘でも、それは言うたらあかん言葉やろ? オレの心が、今どんだけ傷ついたか……分からん訳ないなぁ?」
否定も肯定も許されない、甘く冷たい断罪の響き。
逃げ場のないソファの角でカラスバさんの体が覆い被さり、私の視界は彼だけで埋め尽くされる。
「覚悟しぃや。今日は絶対に寝かせへんからな。その可愛い口が、二度とそんな嘘を吐けへんように……たっぷり可愛がってあげるわ」
片手でネクタイを緩めながら、カラスバさんが獲物を定めるように目を細める。
抗う術を奪うように、彼の歯が私の喉元へとまるでアーボックのように深く噛み付く――。
そして逃げ場のない熱の中に、甘い毒をじわじわと染み込ませていった。
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