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くちづけをかわす。相手は無機質だと、スコールはおもっていた。意に反して、くちのなかが、あまくなった。
舌が伸びて、かたくななスコールのくちびるを割った。かすかにあいた隙間から、舌がはいりこんで、とじこもっているスコールの舌をなであげる。簡単に捕らえられて、されるがままに、舌を重ねられる。
そういうことは、はじめてでは、なかった。何度も隙を見つけては、だれも居ぬところで、交わった。
長いくちづけから、さめる。
スコールはそっと目をあける。青緑のひとみにまっすぐにみつめられていた。
「みるな」スコールは、そういって、顔をそむけた。
「これより深いことをしているのに、いまさら恥じらうとは」
耳元でささやいて、ふふ、と薄くわらう。
息がかかり、スコールは肩をびくり、とはねあげる。さっと、耳をまもるように、手でふさいだ。完全にからかわれているのを理解しながら、涙目でセフィロスをにらむ。
「かわいいものだ」
また、わらう。セフィロスが、こんなに上機嫌なのは、はじめてだった。
「機嫌いいんだな」
「お前といるときは、気分がすこぶるいい」
スコールは目を見張って、目の前の英雄を見る。普段は感情などないようなくらい、無機質な顔が、いまは、表情が浮き上がっている。いつくしむような表情に、スコールは顔をますます赤らめる。
「そんな顔、するんだな」
「お前だけだ」
「そんなことも、いうんだな」
「スコールだけだ」
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