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アラーム前に目が覚める。枕元の時計を見ると、3時15分だった。
布団をかぶっているけれど、寒さに身が震えた。手足の先が冷えている。昨日の朝はこんなに寒くはなかった。急な寒暖差にまた、体に寒気が走る。
くしゃみがでてしまう。口元を覆ったが、静かな朝には寝室に響いてしまう。となりを見る。弦一郎は寝入っているようで、身一つ動かない。起こしてはいないようだ。もう少しで、彼が起床する時間だけれど、4時まではしっかりと眠ってもらいたい。安堵して、布団のなかで身を縮こませる。力を入れてみるが、体はあったまる気がしない。起きて朝の用意をし始めてもいいけれど、音を立てて弦一郎を起こしたくはない。アラームが鳴るまで耐えるしかない。
寒さで、くしゃみがまた出てしまう。となりを見る。きれいな体制で寝ている体が動いた。今度こそ起こしてしまったようで、くぐもった声がきこえた。弦一郎が細めでこちらを見る。まだ眠たそうだった。
「どうした」
寝起きの低くて掠れた声だった。すこしどきりとしてしまう。
「起こしちゃってごめんね」
極力小声で返す。眠たげに、いや、といった。その声にも、心をときめかしてしまう。朝4時きっかりに起床する弦一郎は、その時点ですでにいつもの声音になる。習慣のおかげだろう。4時以前だと、眠たげな、掠れた低音になる。いつも時刻にその声がきけるのは珍しいことだった。
「風邪か?」
「ううん、ちょっと寒くて」
「ならば、こっちへ来い」
「えっ」
返事をする前に、弦一郎が腕を伸ばす。そのまま、腕を掴まれて弦一郎の布団のなかへ引きずりこまれる。人一人分の布団のなかで、しっかりと腰に腕を回されて、はみ出ないようにしてくれた。人の体温で暖められた布団は暖かかった。弦一郎は体温が高いほうだったな、と今さらおもう。
「まだ、寒いか」
耳元で喋られて、胸が高鳴る。寒気ではないが、ぞわっと鳥肌が立った。
返事ができなくて、首を振った。
「ん、ならいい」
そういうと、弦一郎は目をつむった。それにならって、わたしも目をつむる。弦一郎の胸の鼓動が、一定のリズムを刻んでいる。それが心地よくて、弦一郎の腕のなかでねむった。