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記憶が残っているのは、うれしい。そう、おもいながら、フリオニールは、仲間たちを見回す。神竜を倒したあと、ふたたび、戦士たちは召喚されたのだった。
戦うことにより、生じるエネルギーが、この世界を育てる。神竜戦後、クリスタルに戦士たちの力を付与させて、戦わせていたはずだが、それだけでは、不足するらしい。マーテリアとスピリタスが、申し訳なさそうに、はなした。すこしずつ、新しい戦士たちも増やすため、本物の戦士の力を借りたいそうだ。
神の頼みは、断れない。戦士たちは、文句をいわず、それぞれ、わかれて行動しはじめた。
フリオニールは、スコールと組むことになった。みんなが気を利かせてくれたにちがいなかった。
「ふたりだけ、っていうの、珍しいよな」
「そうだな」
森のなかを歩く。足並みそろえて、前進する。
相手は、スピリタス側ではなく、記憶を受け継いだクリスタル、いわゆるイミテーションだ。多数を放っているようで、それぞれどこにいるのか、神々はわからないといった。自力で探して、戦う。それが、今回の目的だった。エネルギーの溜まり具合は、拠点である、ふたつの塔でわかるらしい。量が増えていくと、輝きが増すようだ。ときおり、点滅するのは、ほかの仲間がイミテーションと戦い、勝利した、と知らせる合図のようだ。
「それにしても、なかなか見つからないな」
「ああ」
「ほかのみんなは、どんどん戦ってるようだ、塔にエネルギーが集まってる」
あたりをきょろきょろとしていたスコールは、顔をあげて、塔を見た。
なんてことはない、動作だったが、フリオニールは、息を忘れて、スコールを見た。相変わらず、うつくしい顔立ち、細い線だった。男性だけれど、美人、という言葉がよく似合う。口にすれば怒られてしまうが、何度見ても、そうおもう。
スコールと、恋人関係になったのは、そのうつくしさに、目を奪われたのが、きっかけだった。
「スコール」
「なんだ?」
振り向きざまに、唇を落とした。すぐにはなれる。
くちづけをされて、スコールは目を大きく見開いた。自然と、唇に手を当てている。
「あんまりにも、うつくしかったから」
「あんた、いつからそんな、積極的になったんだ」
「次がいつなのか、わからないだろう?だから、会えるうちに、スコールを感じたい、っておもって」
真っ赤になったスコールを愛おしくおもいながら、フリオニールはぐっと距離を縮める。
「もう一度、いいか?」
「ま、待て。ここは四方を木で囲まれている。いきなり敵に現れたら」
「すまない、我慢、できない」
スコールの言い訳を無視して、口を塞ぐ。くぐもった声がもれたが、気にせず、重ねる。
掴まれた腕に、力が入っておらず、抵抗する気がないと知って、さらにうれしくなる。口を割ってはいり、スコールの舌をなでる。すると、スコールはびくりと体をふるわせた。舌同士を絡める。
くちづけをしながら、フリオニールは、ゆっくりと、スコールの体に手を這わせる。細い体に、目眩がしそうだった。薄い胸板に触れると、くぐもった声が出る。どんどん過剰になっていき、敏感であろう、胸を撫でる。浮き出たそれをつまむと、スコールはフリオニールの舌をかんだ。弱点を見つけて、舌を噛まれながらも、つまんだり、引っ掻いたりした。弱いところを何度もいじられ、スコールは、腰がくだけて、その場に崩れた。
「す、スコール、大丈夫か」
ハッとして、慌てるフリオニールは、スコールの傍らにしゃがみ、顔を覗く。
スコールの顔は真っ赤になり、息切れして、呼吸が荒かった。
「あんたのせいだ、ばかっ...!」
涙目でにらまれて、フリオニールは、理性の糸が切れた音を遠くできいた。
「スコール」
「なんだよ」
「ごめん」
「は?」
フリオニールは、スコールの上に馬乗りになった。
「お、おい、フリオニール!退け!重い!」
制止もきかず、フリオニールは目の前の愛しい恋人を貪りはじめた。
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