創作小話
「またネガティブっちゃったの?」
「………ハイウェイぃ」
鎧のまま着替えもせず、電気をつけていない薄暗い部屋で座り込むローセンスを見つけた。
訓練明けに食事にでも誘うつもりだったが、そんな雰囲気でもない。
「…俺が居てもイヤじゃない?」
「ん…」
「今日なんかあった?」
「今日…というよりは」
「思い出し系か」
「芋蔓式に…」
「そか、しんどいな」
「…オレが悪いんかなあ…」
「なんも悪くないよ」
隣に腰かけて肩に触れるとやけに冷えている。
どれくらいこうしていたのだろうか。
「…オレそんな期待外れかな」
「期待されんのダルいよな」
「そんな有能じゃないのに」
「…有能か否かだと、ローセンスは前者だよね」
「普通にやってるだけだし」
「その普通が出来ない奴も多いもんさ」
この整った見た目で人並み以上に動けるだけで人目を引くのは言わずもがな。
必要以上に期待を背負うことも多い彼が、真面目なせいで損しているなんて思いたくないが。
「オレの普通、変?」
「変じゃないと思うけど…俺もそんな多数派な思考してないからわかんないや」
「じゃ、ハイウェイの普通ってどんな?」
「俺は…うーん、訓練、とかの時間割を作っても…時々上手くいかない。のが普通かな」
「…時間割、守れないの?」
「うん、俺はね。変かな?」
「オレ…は、その辺融通効かなくて」
「真面目なんだ」
「スケジュール崩れると、やだって思うのがオレの普通」
「それもまた分かるよ、そういう気持ちになるんだな」
同じではないが分かってもらえる、というのは心強いものだ。
しかしながらこういった精神状態の時に必要なのは、共感や励ましだけではない事をハイウェイは知っている。
「とりあえず今から焼肉でも行こう」
「…オレなんかが良いのかな?」
「ああ、奢る俺が誘ってるんだから来てくれ」
「さすがに申し訳ないって、オレが全額出す」
「じゃあその辺は食った後に考えよう、お金の事を考えるのには腹を満たす必要がある」
「…分かった」
冷えた肩を支えて立ち上がり、床に付いていたボトムを手で払う。
「さ、焼肉行くからには着替えてこよ」
「だな、楽で…汚れていい服がいい」
「よしよし 気合十分だね」
「…ハイウェイ」
「うん?」
「……ありがとな」
礼には及ばない、と言うのも何だか突き放している気になるので 照れつつも受け取る事にするようだ。
「、んん、お礼も焼肉の後でいいよ」
「そう…か?まぁ…そうだな、細かいことは食った後だ」
「ようし、着替えたらエントランスに集合だよ」
「ああ 競争するか?」
「俺は部屋戻るまでラグあって不利じゃない?」
「オレはまだ鎧着込んでるぞ」
「む、なら互角かな」
「…ちなみに勝った方が?」
「奢るか奢られるか選べる」
「乗った」
息の合った同意見に、ぱっと顔を見合わせて笑う。
「…っふふ、負けないぞ?」
「俺だって」
じゃれ合いではあるが、たまには彼に勝ってやろうと意気込む。しかしやる気を取り戻したローセンスはシンプルに強者なので中々ままならない。
僅差だろうが先にエントランスに立つ彼を見ると、悔しさよりも妙な安心感があるハイウェイであった。
「オレの勝ちでいいな、ハイウェイ?」
「うん、流石に速いなローセンス…」
「(…しまった、がっかりさせたかも)」
「でも次は俺が勝つよ」
「!」
手加減の下手くそなところがまた出てしまった、と脳内で猛省する暇もなくフォローしてくれる彼に何度も救われている、と胸を撫で下ろす。
「…ちゃんと本気出してくれる所と…負け惜しみの捨て台詞言わない事、ハイウェイは良いとこいっぱいあるな」
「んな、…もう…ちょっと照れるな」
「それにかわいいし」
「…ローもかわいいと思うよ」
「っ、んん…そりゃどーも」
「さて、かわいい俺達がかわいくない飯を食うギャップで萌えに行こ」
「焼肉ってかわいくないか?」
「…カッコイイ寄りかなって」
「わかる」
「肉の前では野生開放しちゃう」
「すごくわかる」
酒も飲むつもりなので徒歩で移動しながら会話が続く。
「というか相当腹減ってるよな、歩かせてごめん」
「歩くのは問題ないんだけど…なんで腹減り分かるの?」
「ローセンスは腹減ると割り増しでネガるからわかり易いんだよ」
「…まじ?」
「自覚無かったか」
「オレが社不なだけじゃなく?」
「休憩が疎かなだけ」
「…まじか…なんか恥ずかしくなってきた」
「まあまあ、肉を焼くんだから一旦全部後回しにしとこ」
*腹の虫がどこで鳴く
(虫の居所が悪いってあるけど、腹の虫の方が頭に来てネガっちゃうのかな)
(虫違いだし頭に来たっていうと意味変わってくるの面白い…)
「………ハイウェイぃ」
鎧のまま着替えもせず、電気をつけていない薄暗い部屋で座り込むローセンスを見つけた。
訓練明けに食事にでも誘うつもりだったが、そんな雰囲気でもない。
「…俺が居てもイヤじゃない?」
「ん…」
「今日なんかあった?」
「今日…というよりは」
「思い出し系か」
「芋蔓式に…」
「そか、しんどいな」
「…オレが悪いんかなあ…」
「なんも悪くないよ」
隣に腰かけて肩に触れるとやけに冷えている。
どれくらいこうしていたのだろうか。
「…オレそんな期待外れかな」
「期待されんのダルいよな」
「そんな有能じゃないのに」
「…有能か否かだと、ローセンスは前者だよね」
「普通にやってるだけだし」
「その普通が出来ない奴も多いもんさ」
この整った見た目で人並み以上に動けるだけで人目を引くのは言わずもがな。
必要以上に期待を背負うことも多い彼が、真面目なせいで損しているなんて思いたくないが。
「オレの普通、変?」
「変じゃないと思うけど…俺もそんな多数派な思考してないからわかんないや」
「じゃ、ハイウェイの普通ってどんな?」
「俺は…うーん、訓練、とかの時間割を作っても…時々上手くいかない。のが普通かな」
「…時間割、守れないの?」
「うん、俺はね。変かな?」
「オレ…は、その辺融通効かなくて」
「真面目なんだ」
「スケジュール崩れると、やだって思うのがオレの普通」
「それもまた分かるよ、そういう気持ちになるんだな」
同じではないが分かってもらえる、というのは心強いものだ。
しかしながらこういった精神状態の時に必要なのは、共感や励ましだけではない事をハイウェイは知っている。
「とりあえず今から焼肉でも行こう」
「…オレなんかが良いのかな?」
「ああ、奢る俺が誘ってるんだから来てくれ」
「さすがに申し訳ないって、オレが全額出す」
「じゃあその辺は食った後に考えよう、お金の事を考えるのには腹を満たす必要がある」
「…分かった」
冷えた肩を支えて立ち上がり、床に付いていたボトムを手で払う。
「さ、焼肉行くからには着替えてこよ」
「だな、楽で…汚れていい服がいい」
「よしよし 気合十分だね」
「…ハイウェイ」
「うん?」
「……ありがとな」
礼には及ばない、と言うのも何だか突き放している気になるので 照れつつも受け取る事にするようだ。
「、んん、お礼も焼肉の後でいいよ」
「そう…か?まぁ…そうだな、細かいことは食った後だ」
「ようし、着替えたらエントランスに集合だよ」
「ああ 競争するか?」
「俺は部屋戻るまでラグあって不利じゃない?」
「オレはまだ鎧着込んでるぞ」
「む、なら互角かな」
「…ちなみに勝った方が?」
「奢るか奢られるか選べる」
「乗った」
息の合った同意見に、ぱっと顔を見合わせて笑う。
「…っふふ、負けないぞ?」
「俺だって」
じゃれ合いではあるが、たまには彼に勝ってやろうと意気込む。しかしやる気を取り戻したローセンスはシンプルに強者なので中々ままならない。
僅差だろうが先にエントランスに立つ彼を見ると、悔しさよりも妙な安心感があるハイウェイであった。
「オレの勝ちでいいな、ハイウェイ?」
「うん、流石に速いなローセンス…」
「(…しまった、がっかりさせたかも)」
「でも次は俺が勝つよ」
「!」
手加減の下手くそなところがまた出てしまった、と脳内で猛省する暇もなくフォローしてくれる彼に何度も救われている、と胸を撫で下ろす。
「…ちゃんと本気出してくれる所と…負け惜しみの捨て台詞言わない事、ハイウェイは良いとこいっぱいあるな」
「んな、…もう…ちょっと照れるな」
「それにかわいいし」
「…ローもかわいいと思うよ」
「っ、んん…そりゃどーも」
「さて、かわいい俺達がかわいくない飯を食うギャップで萌えに行こ」
「焼肉ってかわいくないか?」
「…カッコイイ寄りかなって」
「わかる」
「肉の前では野生開放しちゃう」
「すごくわかる」
酒も飲むつもりなので徒歩で移動しながら会話が続く。
「というか相当腹減ってるよな、歩かせてごめん」
「歩くのは問題ないんだけど…なんで腹減り分かるの?」
「ローセンスは腹減ると割り増しでネガるからわかり易いんだよ」
「…まじ?」
「自覚無かったか」
「オレが社不なだけじゃなく?」
「休憩が疎かなだけ」
「…まじか…なんか恥ずかしくなってきた」
「まあまあ、肉を焼くんだから一旦全部後回しにしとこ」
*腹の虫がどこで鳴く
(虫の居所が悪いってあるけど、腹の虫の方が頭に来てネガっちゃうのかな)
(虫違いだし頭に来たっていうと意味変わってくるの面白い…)
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