創作小話
あてもなく出かけた先で、派手な髪色の女の子…と言うにはもう少し大人っぽいような、可愛い娘が目に止まる。
正直すごく可愛い。思わず目を奪われる。
別に声をかけようとかは考えないが、偶然目の前を通り過ぎるようなので見送るその瞬間
「きゃっ」
「…っ、と…お嬢さん、大丈夫?」
「ありがと…平気よ、助かったわ」
足を滑らせたらしい彼女を咄嗟に支える。
…支えたまでは良かった。
右腕の舌が彼女にねっとりと絡み付いて居なければ。
「すま、すまない、こら、誤解される…」
「…? 貴方とこの子は別人なの?」
「別人では無い…けど、時々こう勝手して」
「カワイイじゃない?悪気もないんでしょ、ふふ」
「普段は女性には見向きもしないんだが」
「…男と間違えられてる説かしら」
「それは無い。キミのことは可愛らしい女性と認識出来ている」
「あら もしかしてそういうスタイルのナンパだったとか?」
「いや、その…オレ達は本当に女性にそういう気にはならなくて」
「うん?」
「…素敵で美人なお嬢さんだと思っているのも本心だ、失礼に聞こえたらすまない」
「分かるわ…あたしも似たようなものよ。あたしも女の子好きだもの」
「!」
「貴方良い人ね。異性としてじゃなくて、人として好ましいわ」
「そ、ンン、…こんな言い方をしたら今度こそ失礼かもしれないが」
絡まっていた舌を連れ戻し、彼女が再度滑らないようにエスコートする。
軽く姿勢を整えて向き直る。
「俺たちは少し似た者同士のようだ」
「…ふふ、あたしも同じこと思ったわよ」
和やかな空気を裂くように右腕の舌が何かをうったえる様にざわざわと蠢く。
「何でかな、キミのことが気になるみたいだ」
「不思議ね?悪い気はしないけど」
「ン、…?」
「あら?」
「どうしてお嬢さんから」
「貴方から」
「同じ匂いがするんだ?」
「長月の匂いよね、それ」
知った顔と同じ匂いに気付き顔を見合わせる。
見合わせたと同時に、互いの顔面偏差値を理解する。
(これは、そりゃそうだ…としか)
(ドが付くほど…好みのツラってやつね)
「…あー、お嬢さん」
「良いのよ、何も聞かないわ」
「いや、嫉妬とか詮索ではなく」
「そんな勘ぐってないわよ?」
「これは単純に質問なんだが…気を悪くさせたらすまない、先に謝る」
「もう、なぁに?」
「…彼は、女性相手でも受け身だったりするのか?」
「……ん?」
「ッすまない!違う、いきなりこんな」
「あっ、違うの怒ったんじゃなくて…初手でぶっ込んで来たからびっくりしただけ」
けらけらと笑っている辺り、取り繕っているようにも見えない。
彼女の寛大さに胸を撫で下ろす。
「…あと、質問にも答えるけど…さすがに受け身じゃあないわね」
「そう…か、そうなのか」
「あらあら 想像したわね?…むっつりのお兄さん」
「…ンン、聞いといてナンだが」
「興奮しちゃう?」
「色々捗りそうだ…」
「良いわね貴方、ほんと長月と相性良さそう」
「お嬢さんこそ」
「ペレ子で良いわよ」
「え?」
「ペレ子、あたしの名前よ 好きに呼んでちょうだい」
「…オレはヒトマカセ、呼び易いように頼む」
「じゃあヒトマくん」
「はい」
「この面白すぎる出会い、ここで解散なんて勿体なくない?」
「それは、そう」
「この後イイコトして過ごさない?」
悪戯っぽく意味深に笑う眼に惹き込まれそうになる。
何故か抵抗する気にならない魅力がある。
「…具体的にナニする気だ?」
「そうね、目が限界になるまでゲーセンで耐久か、腕が限界になるまでボウリングか、喉が壊れるまでカラオケ。どれか選んでくれて良いわ」
「良すぎる…オールして全部やろう」
「やっぱり貴方良い、最高。彼にこんな彼氏が居るなんてもっと早く知りたかったわよ」
「オレも。ペレ子さんのようなパートナーが居るなんて碌が羨ましい」
「今からお友達よ?時々遊んで長月に羨ましがらせちゃいましょ」
「どっちに嫉妬するか見ものだな」
*同担承認
end
正直すごく可愛い。思わず目を奪われる。
別に声をかけようとかは考えないが、偶然目の前を通り過ぎるようなので見送るその瞬間
「きゃっ」
「…っ、と…お嬢さん、大丈夫?」
「ありがと…平気よ、助かったわ」
足を滑らせたらしい彼女を咄嗟に支える。
…支えたまでは良かった。
右腕の舌が彼女にねっとりと絡み付いて居なければ。
「すま、すまない、こら、誤解される…」
「…? 貴方とこの子は別人なの?」
「別人では無い…けど、時々こう勝手して」
「カワイイじゃない?悪気もないんでしょ、ふふ」
「普段は女性には見向きもしないんだが」
「…男と間違えられてる説かしら」
「それは無い。キミのことは可愛らしい女性と認識出来ている」
「あら もしかしてそういうスタイルのナンパだったとか?」
「いや、その…オレ達は本当に女性にそういう気にはならなくて」
「うん?」
「…素敵で美人なお嬢さんだと思っているのも本心だ、失礼に聞こえたらすまない」
「分かるわ…あたしも似たようなものよ。あたしも女の子好きだもの」
「!」
「貴方良い人ね。異性としてじゃなくて、人として好ましいわ」
「そ、ンン、…こんな言い方をしたら今度こそ失礼かもしれないが」
絡まっていた舌を連れ戻し、彼女が再度滑らないようにエスコートする。
軽く姿勢を整えて向き直る。
「俺たちは少し似た者同士のようだ」
「…ふふ、あたしも同じこと思ったわよ」
和やかな空気を裂くように右腕の舌が何かをうったえる様にざわざわと蠢く。
「何でかな、キミのことが気になるみたいだ」
「不思議ね?悪い気はしないけど」
「ン、…?」
「あら?」
「どうしてお嬢さんから」
「貴方から」
「同じ匂いがするんだ?」
「長月の匂いよね、それ」
知った顔と同じ匂いに気付き顔を見合わせる。
見合わせたと同時に、互いの顔面偏差値を理解する。
(これは、そりゃそうだ…としか)
(ドが付くほど…好みのツラってやつね)
「…あー、お嬢さん」
「良いのよ、何も聞かないわ」
「いや、嫉妬とか詮索ではなく」
「そんな勘ぐってないわよ?」
「これは単純に質問なんだが…気を悪くさせたらすまない、先に謝る」
「もう、なぁに?」
「…彼は、女性相手でも受け身だったりするのか?」
「……ん?」
「ッすまない!違う、いきなりこんな」
「あっ、違うの怒ったんじゃなくて…初手でぶっ込んで来たからびっくりしただけ」
けらけらと笑っている辺り、取り繕っているようにも見えない。
彼女の寛大さに胸を撫で下ろす。
「…あと、質問にも答えるけど…さすがに受け身じゃあないわね」
「そう…か、そうなのか」
「あらあら 想像したわね?…むっつりのお兄さん」
「…ンン、聞いといてナンだが」
「興奮しちゃう?」
「色々捗りそうだ…」
「良いわね貴方、ほんと長月と相性良さそう」
「お嬢さんこそ」
「ペレ子で良いわよ」
「え?」
「ペレ子、あたしの名前よ 好きに呼んでちょうだい」
「…オレはヒトマカセ、呼び易いように頼む」
「じゃあヒトマくん」
「はい」
「この面白すぎる出会い、ここで解散なんて勿体なくない?」
「それは、そう」
「この後イイコトして過ごさない?」
悪戯っぽく意味深に笑う眼に惹き込まれそうになる。
何故か抵抗する気にならない魅力がある。
「…具体的にナニする気だ?」
「そうね、目が限界になるまでゲーセンで耐久か、腕が限界になるまでボウリングか、喉が壊れるまでカラオケ。どれか選んでくれて良いわ」
「良すぎる…オールして全部やろう」
「やっぱり貴方良い、最高。彼にこんな彼氏が居るなんてもっと早く知りたかったわよ」
「オレも。ペレ子さんのようなパートナーが居るなんて碌が羨ましい」
「今からお友達よ?時々遊んで長月に羨ましがらせちゃいましょ」
「どっちに嫉妬するか見ものだな」
*同担承認
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