行き当たりばったり(AC6)

ハンドラーが俺を止めようとする通信が聞こえる。
ミシガンが俺を怒鳴る通信が聞こえる。
それよりずっと大きく聞こえる声がある。
目の前に転がる、四肢を失った機体から
「野良犬」と俺を呼ぶ声がする。
しつこくて、鮮明で、耳障りで、心地いい声。
片腕ずつ切り落とした時は、まだ苛立っていて
片足ずつ切り落とした時は、少し焦りが見えて
意図的に、最初に狙ったハッチは狙い通りに、
内側からは開かない、と今気づいた様な声がする。
"チッ、ふざけやがって…"
"聞いてんのか、おい!"
"やり方が汚ぇんだよ野良犬"
"…なんなんだよ、てめぇ"
焦りと吐息の混じった声が、耳の奥に響く。
もっと欲しい。
もっと聞かせて欲しい。
左腕のチェーンソーを唸らせる。
通信越しに息を飲むのが聞こえる。
ゆっくりと機体に刃を食い込ませる。
装甲が剥げる手応えが伝わってくる。
通信越しにアラートが聞こえる。
通信越しに機体の削れる音がする。
その中でまだ、「野良犬」と呼ぶ声がする。
どこまで聞かせてくれる。
どこまで。
聞かせてくれ。
「イグアス……」
初めて通信に応じる。
「てめぇ!いい加減に…ッ」
「その威勢」
「…は?」
「なるべく保たせてくれ」
返事を待たずに刃を進める。
何周も何周も対峙した機体。加減は間違えない。
彫刻でも彫るように正確に、確実に深く。
「野良犬」。まだ聞こえる。

強制END
このまま続けると失禁&嘔吐のイグアスを
長々と書かねばならなくなる。
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