虚言癖の友人(AC6)

「素敵だって、どこまで本当?」
「本当、というのはどういう意味でしょうか」
「口癖というか。嘘っぽい」
「おや…そんな風に疑われるだなんて…心外だ」

本当に、心底心外であるといった表情を向けてくるが、彼の虚言癖は周知の事であるゆえに。

「言ってることとやってる事が」
「はい?」
「素なのか偽りなのか」
「…ご友人」

目の奥から光が消えたような、少し低くなった呼ぶ声に思わずたじろぐ。

「あ…、怒らせるつもりは…」
「ご友人」
「…すまない」
「怒ってはいませんよ、ただ…」
「ただ」
「素敵だという自覚が無いなんて…不憫だ」
「…、そういう奴だったな、あんたは」

不憫だとか言いながら、哀れむ目と言うには縋りつくような寂しそうな目をしている気がする。
言葉が虚でも行動が正直過ぎる彼に、心を奪われている以上詮索は不要なのだった。

『目は口ほどに』
*甘えたい時、言葉は軽くても声が重くて甘い
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