手綱と縋る手(AC6)

「どうした621、ご褒美が欲しいと言ったのはお前だろう? 遠慮するな、今日は欲しいだけ与えてやる…さあ、何から欲しい?」

これは夢なのかもしれない。
確かにご褒美はねだったがこんな、こんな風に
ずい、と迫られて、距離を詰められるとは本当に全く想像していなくて。

「ハンドラー…っ」
「そんな反応するなんてな、621…こういうのが欲しかったんだろう。坊や?」

何かの罠だとしても 、顔を撫でる指を払い除けるなんて発想は一欠片たりとも無い。


*夢でありませんように
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