手綱と縋る手(AC6)

「ハンドラー、もし俺を処分する時はハンドラーの手でやってほしい。でもハンドラー…敵対するなら俺が殺してあげる。ハンドラー、そしたら…そしたら、殺したことにして一緒に逃げよう。俺の手綱はハンドラーの下に無いとダメだからな、なぁ、ハンドラー」
「熱烈だな、621」
「もっとほめてくれ」
「…そうだな」

少しかさついた優しい手に頭を撫でられる。
まさか本当に褒められるなんて想像してなかった俺は咄嗟に身を引いて彼を見つめ直すと
「どうした?」
なんて可笑しそうに目を細められた。


*どうしたのか、自分でも分からない
10/33ページ
スキ