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みぞおちに叩き込まれた拳に、身体がくの字に曲がって吹き飛ぶ。
山肌にめり込むほどの勢いで、背中から腰のあたりまで激痛が走った。
身体全体の骨が、痛みにギシギシと軋む。
「げあっ!あうっ」
「…邪魔だ。」
「すみ、ませ…」
「……。」
心底興味が無いという眼で見られて、恐怖に似た感覚を覚える。
ただ一度だけ。
眼が、合った。
「ブロリー…さん、」
「……。」
「…好きです」
アイコンタクトが取れる度に、告白をする。
これは自分の中での恒例行事なわけで、迷惑がられているがやめる気は無い。
「…好きです」
「死ね」
「す…、ごふっ」
今回は勢いが凄かったからか吐血してしまった。
今までこんな事無かったのに、と思いながら吐いた血を拭う。
死ねも初めて言われた。
余程迷惑なんだ。
そもそも何が目的でブロリーに迫っているのか。
目的は無い。
以前一度だけ、助けられたという記憶。
多分本人は助けたつもりは皆無だろうが。
――以前住っていた惑星。そこは、私がサイヤ人として戦闘力が足りないからと飛ばされた星。
そこでは私は性奴隷として扱われていた。
丈夫な身体が仇になって、一日に何度も輪姦された。
痛みに気を失っても行為は終わらなくて、目が覚めたら精の飛沫が身体中にこびりついていたこともあった。
そんなトラウマしかない星を、彼は壊してくれた。
気を失っていたら、サイヤ人の気がなんとかという話声が聞こえた。
久々に外気に触れ、自らの意思で歩いた。
すると、星を破壊した人の奴隷みたいな人が、私を拘束した。
サイヤ人は皆殺しらしい。
死にたくなかった私は、生きる事だけ考えて行動した。
奴隷の人達に、殺さないでくれたら輪姦していいと交渉したら、あっさりと生かされた。
後に、星を破壊した男がブロリーという事を知った。
輪姦されながら、いつかお礼がしたいと考えた。
余談だが、奴隷共はあまり体力が無いらしく、行為は楽でよかった。
―――
そうして、現在に至るまで私はブロリーに言い寄る。
恩返しが何故告白なのか、と問われれば。
それはただの独りよがりなわけだ。
それと、私がブロリーに惚れてしまったから。
自慰する時も、無意識にブロリーを呼んでいる。
好きな人に抱かれたいと身体が訴えてくる。
「あー…、はぁ、はぁう、…死、たくない…」
「……。」
「死にたく、な…、」
「…何故」
「だって、まだ…ブロリーに、好き、て…言われて、ない」
「…知らない」
「ねぇ、…好き」
「意味を、知らない」
「え…」
「すきとはなんだ?」
「…わかんない」
「………。」
「ぁ…、意識…飛…」
血が足りないからか、ダメージの受け過ぎか。意識の糸は簡単に切れた。
その直前に見た彼の顔は、酷く困惑していた。
『目が覚めない夢を見た』
(やけに永い、夢…?)
起きなきゃ。
起きてまた告白しなきゃ。
でも、目が覚めない。
意識が戻らない。
無様に倒れている自分を客観視する夢。
早く起きろお嬢。
「…お嬢」
ブロリーが、呼んでる。
「…お嬢?」
名前なんて、初めて呼ばれた。
「お嬢、死んだのか?」
早く、早く早く早く。
起きろお嬢。
と、自分を叱咤したところで傷が回復するわけでも血が戻るわけでもない。
とうとう夢の世界も黒く染まってきた。
このまま真っ暗になったら、本当に死んでしまう気がする。
『逝きたくない。』
(誰か、誰か、助けてよ)
「お嬢っ!」
「…、……!?」
「やっと…起きたか…」
「う…、え?…ここ、どこ?」
「……医療室」
「私、生きてるの…?」
「…。」
「どうして助けたの?」
「…お前を、」
「ん?」
「殺す意味、が、無いから」
「……そっか。」
危く自惚れるところだった。
わざわざ生き長らえさせてもらえたからって、私の目的を達成しなければ意味が無い。
「…あ」
「?」
「名前、呼んでくれたんですね」
「…だからなんだ」
「ありがとうございます、」
「……。」
ぎこちなく微笑むと、彼は表情ひとつ変えずに私の首に手をかけた。
大きな手でぎりぎりと締め上げられて、呼吸が完全に止まった。
酸素が足りなくなった身体が、強張り痙攣する。
血流も次第に悪くなり、目の毛細血管へ血がまわらなくなり、視界がじわじわとブラックアウトしてゆく。
「…か、……は」
「……お嬢」
「く……ッ」
「…お嬢」
「…、……、」
「好きだ。」
死にかけの身体から、様々な液体が漏れる。
見開いた目からは止めどない涙が。
開きっ放しの口からは唾液に交ざって嘔吐物が。
涙は鼻にまわり寒くもないのに鼻水も止まらない。
脚がガクガクと痙攣して、自分の意思と裏腹に漏れた尿を跳ねあげる。
「好きだ。」
「…、…!……!!」
「お嬢、好きだ」
「!!?」
視界が、塞がってゆく。
『求愛。』
(思い残すことは、無い。)
「…かッ、…ハァ!」
「……。」
「ハァッ!はぁっ、はっ…、あっ…?」
「…お嬢」
「ブロ、リー…?」
完全に視界が塞がる直前に、首を絞める手が離されて、荒く呼吸を繰り返す。
「げほっ、げほっ、…うぅ、今度は何?」
「言っただろ」
「…?」
「好きだ。………お嬢が苦しむ顔が。」
「え…」
なんて歪んだ愛。
それでも私は、
「…嬉しい」
「ふん…」
「嬉しい、ブロリー…大好き…」
「…あぁ、俺もだ」
『迷宮』
(出口の無い迷路。)
(そもそも入口も無い。)
END
あとがき。
『』の中のタイトル、最初の漢字の読みを組み合わせると
『目』『逝』『求』
『め』『い』『きゅう』
『迷宮』
ってわけです。お後がよろしいようで…。
山肌にめり込むほどの勢いで、背中から腰のあたりまで激痛が走った。
身体全体の骨が、痛みにギシギシと軋む。
「げあっ!あうっ」
「…邪魔だ。」
「すみ、ませ…」
「……。」
心底興味が無いという眼で見られて、恐怖に似た感覚を覚える。
ただ一度だけ。
眼が、合った。
「ブロリー…さん、」
「……。」
「…好きです」
アイコンタクトが取れる度に、告白をする。
これは自分の中での恒例行事なわけで、迷惑がられているがやめる気は無い。
「…好きです」
「死ね」
「す…、ごふっ」
今回は勢いが凄かったからか吐血してしまった。
今までこんな事無かったのに、と思いながら吐いた血を拭う。
死ねも初めて言われた。
余程迷惑なんだ。
そもそも何が目的でブロリーに迫っているのか。
目的は無い。
以前一度だけ、助けられたという記憶。
多分本人は助けたつもりは皆無だろうが。
――以前住っていた惑星。そこは、私がサイヤ人として戦闘力が足りないからと飛ばされた星。
そこでは私は性奴隷として扱われていた。
丈夫な身体が仇になって、一日に何度も輪姦された。
痛みに気を失っても行為は終わらなくて、目が覚めたら精の飛沫が身体中にこびりついていたこともあった。
そんなトラウマしかない星を、彼は壊してくれた。
気を失っていたら、サイヤ人の気がなんとかという話声が聞こえた。
久々に外気に触れ、自らの意思で歩いた。
すると、星を破壊した人の奴隷みたいな人が、私を拘束した。
サイヤ人は皆殺しらしい。
死にたくなかった私は、生きる事だけ考えて行動した。
奴隷の人達に、殺さないでくれたら輪姦していいと交渉したら、あっさりと生かされた。
後に、星を破壊した男がブロリーという事を知った。
輪姦されながら、いつかお礼がしたいと考えた。
余談だが、奴隷共はあまり体力が無いらしく、行為は楽でよかった。
―――
そうして、現在に至るまで私はブロリーに言い寄る。
恩返しが何故告白なのか、と問われれば。
それはただの独りよがりなわけだ。
それと、私がブロリーに惚れてしまったから。
自慰する時も、無意識にブロリーを呼んでいる。
好きな人に抱かれたいと身体が訴えてくる。
「あー…、はぁ、はぁう、…死、たくない…」
「……。」
「死にたく、な…、」
「…何故」
「だって、まだ…ブロリーに、好き、て…言われて、ない」
「…知らない」
「ねぇ、…好き」
「意味を、知らない」
「え…」
「すきとはなんだ?」
「…わかんない」
「………。」
「ぁ…、意識…飛…」
血が足りないからか、ダメージの受け過ぎか。意識の糸は簡単に切れた。
その直前に見た彼の顔は、酷く困惑していた。
『目が覚めない夢を見た』
(やけに永い、夢…?)
起きなきゃ。
起きてまた告白しなきゃ。
でも、目が覚めない。
意識が戻らない。
無様に倒れている自分を客観視する夢。
早く起きろお嬢。
「…お嬢」
ブロリーが、呼んでる。
「…お嬢?」
名前なんて、初めて呼ばれた。
「お嬢、死んだのか?」
早く、早く早く早く。
起きろお嬢。
と、自分を叱咤したところで傷が回復するわけでも血が戻るわけでもない。
とうとう夢の世界も黒く染まってきた。
このまま真っ暗になったら、本当に死んでしまう気がする。
『逝きたくない。』
(誰か、誰か、助けてよ)
「お嬢っ!」
「…、……!?」
「やっと…起きたか…」
「う…、え?…ここ、どこ?」
「……医療室」
「私、生きてるの…?」
「…。」
「どうして助けたの?」
「…お前を、」
「ん?」
「殺す意味、が、無いから」
「……そっか。」
危く自惚れるところだった。
わざわざ生き長らえさせてもらえたからって、私の目的を達成しなければ意味が無い。
「…あ」
「?」
「名前、呼んでくれたんですね」
「…だからなんだ」
「ありがとうございます、」
「……。」
ぎこちなく微笑むと、彼は表情ひとつ変えずに私の首に手をかけた。
大きな手でぎりぎりと締め上げられて、呼吸が完全に止まった。
酸素が足りなくなった身体が、強張り痙攣する。
血流も次第に悪くなり、目の毛細血管へ血がまわらなくなり、視界がじわじわとブラックアウトしてゆく。
「…か、……は」
「……お嬢」
「く……ッ」
「…お嬢」
「…、……、」
「好きだ。」
死にかけの身体から、様々な液体が漏れる。
見開いた目からは止めどない涙が。
開きっ放しの口からは唾液に交ざって嘔吐物が。
涙は鼻にまわり寒くもないのに鼻水も止まらない。
脚がガクガクと痙攣して、自分の意思と裏腹に漏れた尿を跳ねあげる。
「好きだ。」
「…、…!……!!」
「お嬢、好きだ」
「!!?」
視界が、塞がってゆく。
『求愛。』
(思い残すことは、無い。)
「…かッ、…ハァ!」
「……。」
「ハァッ!はぁっ、はっ…、あっ…?」
「…お嬢」
「ブロ、リー…?」
完全に視界が塞がる直前に、首を絞める手が離されて、荒く呼吸を繰り返す。
「げほっ、げほっ、…うぅ、今度は何?」
「言っただろ」
「…?」
「好きだ。………お嬢が苦しむ顔が。」
「え…」
なんて歪んだ愛。
それでも私は、
「…嬉しい」
「ふん…」
「嬉しい、ブロリー…大好き…」
「…あぁ、俺もだ」
『迷宮』
(出口の無い迷路。)
(そもそも入口も無い。)
END
あとがき。
『』の中のタイトル、最初の漢字の読みを組み合わせると
『目』『逝』『求』
『め』『い』『きゅう』
『迷宮』
ってわけです。お後がよろしいようで…。