半熟英雄
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今夜もカトリ・デ・オマール内は賑やかです。
賑やかで賑やかで、微かな音はかき消されてしまいます。
微かでない音も、かき消されます。
だから、団欒中あたしの中でバイブが音を立てていても、誰も、気付かないはず、なんです…が……、
「お嬢、なんか音しないか?」
「はひっ!?」
「なんだよその驚き方…」
「いえ…っ、何でもありません…ぅ…っ」
「…?なんか顔赤いぜ?大丈夫かよ」
「ん…っ、…マルティス、大丈夫っ」
「ふーん。まぁいいや」
聞こえちゃった…。
音大きかったかな?
(ローターよりバイブの方が音が大きいんだけど、やっぱり快楽が優先なので。)
「っ…、(ヤバ…イく…ッ)」
「お嬢?」
「ふぁあっ!?」
「な…なんつー声出してんだよ!?」
「すッ…すみませっ」
「ったく…そんなに具合悪いんだったら早く言えよ!」
「へ…?」
「熱あんだろ?さっきからぼーっとしてるし、息遣い荒いし、…こっ…声ヤらしいし…」
「声は関係ないでしょ…」
「いや…だから、声も熱っぽいっていうか」
「んー…、マルティスが看病してくれるなら、大人しく寝てますよ?」
「そんぐらいお安いご用さ!だからとにかく寝てろよ」
「はぁーい」
って、もしも付きっきりで看病されたら、自慰行為を終わらせられない…かも。
(それよりも、さっきせっかくイケそうだったのに…。タイミング悪…)
自慰行為を終わらせるなら、トイレ行くなり何なり理由を付けてバイブを抜けばいい。
と思うんだけど、イかないで終わるなんて気持ち悪くて絶対に無理だ。
(中途半端だったから余計に疼いちゃうよ…。)
「お嬢?」
「ひゃいっ!?」
「ほら、お前の部屋着いたぜ?着替えるなら俺待ってるから、さっさと着替えろよ」
「まだ…着替えない」
「え。私服で寝んの?」
「違っ、…その…、ちょっと汗かいてから寝ようと思って」
「運動すんのかよ?ダメだめ。お嬢に本気で倒れられたら俺…、」
「マルティス…っ」
「あのさ、俺お嬢の事好きだから、あんまり心配かけんなよ?」
「……ッ!」
優しく抱き締められて、マルティスの匂いが鼻腔いっぱいに広がる。
部屋の外だっていうのも忘れて、しばらく抱き合っていると、不意にマルティスが口を開いた。
「…お嬢」
「はい?」
「お前、ナカにバイブ挿れてるだろ?」
「な…っ!」
「バレてねぇと思ったか?」
「なん…で…」
「当たり前だろ?あんな所で1人だけ真っ赤な顔して、しかもたまに喘いでんだから」
「それを含めても…、音、聞こえてたみたいだし…」
「だって俺耳イイし?」
「え…?え?じゃあ、あたしが熱あるとか言ったのは?」
「あいつらにお嬢のエロい声聞かせないように離すための口実だよ」
「じゃあ、…マルティス…」
「ん?」
「その…あの…」
「どーした?」
「抱いて…」
「…いいのか?」
「うん…」
「後悔すんなよ?」
「しないから、早く…」
「………っ」
部屋に入るなりベッドに押し倒されて、深く口付けされる。
舌を絡めて歯列をなぞって、散々弄られた後には軽く酸欠になってた。
唇を離すと銀糸が延びて、切れたそばからまた口付け。
バイブのせいで感じやすくなってるから、胸を弄られるだけで敏感に反応してしまう。
「お嬢の声、本当にエロいなぁ…」
「やっ、違っ…」
「本当はこうやって苛めて欲しかったんだろ?変態」
「違っ!違うぅっ!」
「どこが?こんなにぐちゃぐちゃに濡らして」
「うぅ…もう強姦ごっこやだぁ…」
「えー?まだ始まったばっかだぜ?」
「だって…」
団欒中の自慰から今までの会話まで、全部あたし達が考えた『強姦ごっこ』。
「なんかマルティスに苛められるって精神的にツラい…」
「俺は楽しいけどな」
「……サディスト…」
「違えよ!…好きな子ほど苛めたくなんのは…、男として当然だろ?」
「…ばか」
「何とでも言えよ。事実なんだから」
「…!そんな事言われても…やっぱり苛められるのやだぁ」
「、だよなぁ、それが一般的な反応だと思う」
「でも…、マルティスがしたいなら、好きにしてくれていいよ?」
「マジで!?」
「…で、っでも、条件があるんだから…」
「何だよ?言ってみ、俺お嬢の願いは叶えてやりたいし」
「……その、私とするのに、飽きないでくれたら…いい、よ?」
「…はぁ?」
「だから、飽きて捨てたりしないで…って」
「飽きるわけねぇだろ!俺がどんだけお嬢の事好きか知ってるか?知らねぇだろ?生憎言葉にできるほどちっぽけな愛情じゃねぇからな。よく覚えといてくれ」
「は…、ハイ…」
まくし立てるように言われて、納得したわけでもないのに頷いてしまった。
しかしながら、彼の口からこんなに愛の言葉が聞けるとは、貴重な経験かもしれない。
(カトリイヌさんにも軽々とキスの要求してたしね)
「ねぇ…マルティス」
「んー?」
「その、さっきみたいなキス…たくさんしてほしいな」
「…~ッ!仰せのままに!」
それから繰り返された口付けは、甘くて甘くて胃もたれしそうでした。
(ねぇ、もっと…)
(…そろそろ次の事させろよ…)
終