ウサビ
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「キレネンコさん達が脱獄したぁ!?」
なんでもないいつもの朝、監獄の隣りの部屋のキレネンコさんが壁に穴を開けたらしい。
その足で車まで確保したそうだ。
「えー…ちょっと聞いてないんですけど。あたしらも行こうよ!お姫!」
「勿論!プーチンも付いて行っちゃったみたいだしね!お嬢っ」
少なからずキレネンコに惹かれていたお嬢と、プーチンに惹かれていたお姫が付いて行かないわけなく。
慌てて壁から身を乗り出すと、カーチェイス直前の彼らの車を見つけたので無理やり乗り込んだ。
多分だが多少待っててくれたと思う。
「キレネンコさん」
「……。」
「何か付いて来てすいません。キレネンコさんと離れたくなかったんですよ」
「…ん」
「ところで、何故脱獄を?」
「…シューズ」
「シューズ?」
「新発売で」
「あー…なるほど、なるほど?」
他愛もない会話が楽しくて仕方ない。
とことん惚れてるのである。
ちなみに今の状況はと言うと、運転手がプーチンさん。
助手席にお姫。後部座席に寝転がるキレネンコさん、とその上に寝転がるあたしお嬢。
まるでキレネンコさんを襲ってる(意味深)みたいだなって、なんちゃって。
段々けしからん気分になっちゃうのは大目に見て欲しい。
だってキレネンコさんの顔がこんなに近くて、あと何センチかなって。
「ねぇキレネンコさん」
「……。」
「キスしても良いですか?」
「あ?」
「だから、キスしても良いですか、って」
「……良いぞ」
「本当ですか?」
「あぁ」
慣れたように目を閉じるキレネンコさん。不慣れなあたしはゆっくりゆっくりと唇を近付ける。
照れながらも唇は重なって、時間が過ぎる。
ずっとこうして居たいっていう気持ちとは裏腹に、唇を離した。
「…きれねんこさん…」
「……ん」
ふと、我にかえると気付いた。
あたしはキレネンコさんが好きで、でもそれは片思いで、まだ互いに好きあっている訳じゃないはずで。
なら、なんでキスさせてくれたのか?
何故嫌がらなかったのか、
嫌がるのも面倒だったのか?
などと突然焦燥感に駆られる。
「…どうした。」
「え?」
「何故泣く。」
「…あ、いや…その」
「…?」
「なんで、キスさせてくれたのかな…って思って」
「……。」
「キレネンコさん、あたしね、……キレネンコさんが好き」
「……。」
「好きだから、キスしたんですが」
「……俺は」
「…?」
「好きとか言われても、」
「…うん」
「困る。」
ああ、やってしまったか。
不快にさせてしまったかな、嫌われたくないな。
「うう、…そう…ですよね…、あたしなんてに言われても…」
「解らない、から」
「え…?」
「好き、は解らない。」
「どういう意味?」
「…俺、真っ当な生き方をしていないもんで」
「あ…」
そういえば一応自分語りしてくれた事があって、若くしてマフィアのボスなったと聞いたかもしれない。
人並みに恋愛知識があるとは言い難いという事かな。
恋愛以外なら色々ヤってそうだな、と思うが今回は追求しないでおく。
「……でも」
「はい?」
「お嬢としたキスは、心地よかった」
「え…」
「さっき、お嬢になら、されても良いと思ったんだ」
「それって…」
「…ん」
「あたしの都合のいい様に考えて良いんですか?」
「あぁ」
なんてこった、こんな展開予想外過ぎて目眩すらする。
しかしそれなら、都合よく事を進めてしまいましょうか。
「キレネンコさん」
「……ん」
「もっとキスしましょう」
「…お嬢が望むなら」
今度は、
「口、ちょっと開けててくださいね」
「…あぁ」
大人なキスを。
終
おまけ
「プーチン…」
「しーっ、今は僕たちお邪魔みたいだよ」
「どっかに車止めよ?」
「うん、あ、お姫ちゃん」
「ん?」
彼から柔らかい頬をすり寄せられ、ほんのり熱を帯びた温かさが気持ちいい。
「僕、お姫ちゃんの事好きだよ」
「あたしもだよ、プーチン」
「キスしてもいい?」
「もちろん」
今夜は長くなるかもね。
本当に終
2009/10/10
加筆修正 2021/04/21
なんでもないいつもの朝、監獄の隣りの部屋のキレネンコさんが壁に穴を開けたらしい。
その足で車まで確保したそうだ。
「えー…ちょっと聞いてないんですけど。あたしらも行こうよ!お姫!」
「勿論!プーチンも付いて行っちゃったみたいだしね!お嬢っ」
少なからずキレネンコに惹かれていたお嬢と、プーチンに惹かれていたお姫が付いて行かないわけなく。
慌てて壁から身を乗り出すと、カーチェイス直前の彼らの車を見つけたので無理やり乗り込んだ。
多分だが多少待っててくれたと思う。
「キレネンコさん」
「……。」
「何か付いて来てすいません。キレネンコさんと離れたくなかったんですよ」
「…ん」
「ところで、何故脱獄を?」
「…シューズ」
「シューズ?」
「新発売で」
「あー…なるほど、なるほど?」
他愛もない会話が楽しくて仕方ない。
とことん惚れてるのである。
ちなみに今の状況はと言うと、運転手がプーチンさん。
助手席にお姫。後部座席に寝転がるキレネンコさん、とその上に寝転がるあたしお嬢。
まるでキレネンコさんを襲ってる(意味深)みたいだなって、なんちゃって。
段々けしからん気分になっちゃうのは大目に見て欲しい。
だってキレネンコさんの顔がこんなに近くて、あと何センチかなって。
「ねぇキレネンコさん」
「……。」
「キスしても良いですか?」
「あ?」
「だから、キスしても良いですか、って」
「……良いぞ」
「本当ですか?」
「あぁ」
慣れたように目を閉じるキレネンコさん。不慣れなあたしはゆっくりゆっくりと唇を近付ける。
照れながらも唇は重なって、時間が過ぎる。
ずっとこうして居たいっていう気持ちとは裏腹に、唇を離した。
「…きれねんこさん…」
「……ん」
ふと、我にかえると気付いた。
あたしはキレネンコさんが好きで、でもそれは片思いで、まだ互いに好きあっている訳じゃないはずで。
なら、なんでキスさせてくれたのか?
何故嫌がらなかったのか、
嫌がるのも面倒だったのか?
などと突然焦燥感に駆られる。
「…どうした。」
「え?」
「何故泣く。」
「…あ、いや…その」
「…?」
「なんで、キスさせてくれたのかな…って思って」
「……。」
「キレネンコさん、あたしね、……キレネンコさんが好き」
「……。」
「好きだから、キスしたんですが」
「……俺は」
「…?」
「好きとか言われても、」
「…うん」
「困る。」
ああ、やってしまったか。
不快にさせてしまったかな、嫌われたくないな。
「うう、…そう…ですよね…、あたしなんてに言われても…」
「解らない、から」
「え…?」
「好き、は解らない。」
「どういう意味?」
「…俺、真っ当な生き方をしていないもんで」
「あ…」
そういえば一応自分語りしてくれた事があって、若くしてマフィアのボスなったと聞いたかもしれない。
人並みに恋愛知識があるとは言い難いという事かな。
恋愛以外なら色々ヤってそうだな、と思うが今回は追求しないでおく。
「……でも」
「はい?」
「お嬢としたキスは、心地よかった」
「え…」
「さっき、お嬢になら、されても良いと思ったんだ」
「それって…」
「…ん」
「あたしの都合のいい様に考えて良いんですか?」
「あぁ」
なんてこった、こんな展開予想外過ぎて目眩すらする。
しかしそれなら、都合よく事を進めてしまいましょうか。
「キレネンコさん」
「……ん」
「もっとキスしましょう」
「…お嬢が望むなら」
今度は、
「口、ちょっと開けててくださいね」
「…あぁ」
大人なキスを。
終
おまけ
「プーチン…」
「しーっ、今は僕たちお邪魔みたいだよ」
「どっかに車止めよ?」
「うん、あ、お姫ちゃん」
「ん?」
彼から柔らかい頬をすり寄せられ、ほんのり熱を帯びた温かさが気持ちいい。
「僕、お姫ちゃんの事好きだよ」
「あたしもだよ、プーチン」
「キスしてもいい?」
「もちろん」
今夜は長くなるかもね。
本当に終
2009/10/10
加筆修正 2021/04/21