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ライブ明けに紫色の髪をなびかせて家路についていただけだった。
知らない顔のヤンキーに、同類と間違えられて絡まれたまでは覚えている。
「い…ってぇな」
「なんだよその目、調子乗ってんじゃねぇよ!」
「っぐ」
腹に鈍い痛みが走る。もれなく顔面も殴られていたらしく、口の中に血の味がする。
なんでこうなった?と記憶を遡る。
そうだ、急ぎ足だった。家路に。
早くお嬢先輩に会いたくて。
「だっさい目隠しなんかしやがって!」
「髪なんかこーんな派手な色でなぁ?馬鹿にしてんのか!あ゙ァ?」
「チッ、うるせ…」
視界が悪いなりに路地裏であるくらいは解る。
視認できるだけで6人。何が目的だろうか、と
腹蹴られた拍子に軽く吐いたらしくて口の中が苦くなる。
俺の大事なバンダナはいつのまにか取られた上に踏まれているようだ。
頭にくるが頭が回らない。
「しっかしなぁ?抵抗しないって事は」
「どんな事してもイイって事だなァ?」
「…っ、おぇ」
もう少し手数が少なければ抵抗できそうなものだが、こう羽甲い締めにされて囲まれているのはあまりにも不利だ。
抵抗させる気も無いくせに全く汚い奴らだ。
「お前よォ、ひょっとしてイジメられるの好きだとか?」
「ぎゃははっ!マゾじゃねぇかよオイ!」
「なぁなぁ、コレ使わねぇ?」
下品な笑みを浮かべる男の手に握られているのは、バチバチと青白い電撃を放つスタンガン。
青白いって事は出力が最大ってわけか、
さすがにマズい、と冷や汗が背中を伝う。
「ちょっと待ったぁ!」
聞き覚えのある声にぼやけた視界が明るくなる。
見上げれば見慣れたシルエット。
「あぁ?んだテメェ?」
「って、ガキかよ…ここはおチビちゃんの来るようなとこじゃないでちゅよ〜?」
「Dくん…!やっと見つけた」
「お嬢…先輩」
ヤンキー共に目もくれない真っ直ぐな視線が交わる。
それにしたってこんな所に飛び込んでくるのは無茶だ。
「ぐ…っ、先輩!」
「何々?このおチビちゃんがセンパイ?」
「威勢だけは良いじゃねーか?なぁ!」
「逃げてくれお嬢先輩!こいつらスタンガンも持ってて…ッ」
「大丈夫!もう通報済だから…っ!?」
男のうちの1人がお嬢目掛けて殴り掛かる。
彼女を傷つけるのだけは絶対に許せない、と根性で拘束を振りほどく。
寸前のところでお嬢は回避して、逆に男の顎を殴る。
「痛ってぇ、このガキ!」
「は、え?まさか当たると思わなかった…もしかしてそんなに強くない?」
「殺されてえようだな…!」
「束になってる卑怯者がイキってるー」
けらけらと笑うお嬢の向こうから、通報を受けた警察が駆け込んでくる。
そいつらの顔がみるみる焦りに染まるのが堪らなく面白かった。
逃げ出そうとする男共に、音がしそうなほどの鋭い目でDは睨み付ける。
「ひっ…!」
「お、覚えてろよ!」
ドタドタと逃げようとする奴らはもう警察に任せる事にしてその場に座り込む。流石に足にきているようだ。
「捨て台詞が小物じゃねーか…お嬢先輩の言う通り大したことなかったみたいだな」
「Dくん、大丈夫?」
「せんぱ…痛ってぇ!」
「もー、ばか!まったく心配かけて」
「お嬢先輩……」
「…でも、手ぇ出さなかったのは偉い」
「え…っ」
駆け寄ってきたと思えば小突かれて、怒ったり哀しい顔をしたりと忙しい先輩。
褒めながら頭を撫でられて…
「…あのさ、」
「はい?」
「ドン引きしたよね?」
「…なんで、そうなるんですか」
「だって…!いつもは猫かぶってたのに、こんな喧嘩買っちゃって」
「お嬢先輩は素敵っす。俺は…そういう強いの好きっすよ」
「…えっ!?」
「もう1回言いますか?好きっす。お嬢先輩、わりとずっと前から」
返事を待たずに語る口が止まらない。
風の噂で知ってたんですよ俺。
ライブでステージに立つ先輩に惹かれる前から
なんだか妙に喧嘩強いって事とか、
実はライブに出る前まで族やってた事だって。
それでも、
「好きなんですよ。お嬢先輩」
「Dぃ…分かった、分かったから、恥ずかしいから止まって」
「…返事、聞きたいっす」
「うん、ちゃんと応えるからとりあえず帰ろ?」
「帰…そっすね、俺…流石にちょい疲れ…」
言い終わる前に、ひょいと担ぎ上げられる。
この身長差でよく上がるな…とか他人事みたいに思う。
「うおっ」
「あ、Dくん脚長いから担ぐのムズい…ちゃんと掴まって?」
「いや、流石にこれは」
「怪我人なんだから介抱くらいさせて。…抱っこの方が良かった?」
「…勘弁してください」
「よろしい」
俺を背負ってるのに軽々と歩き出すお嬢先輩。
家に着いたら、良い返事聞かせてくれるかな。
一悶着あったせいかこの背中にとても安心する。
隙を晒すようで恥ずかしいが瞼が重い。
「…お嬢…せんぱ」
「はぁい?」
「……好き」
「なっ、…寝ぼけてるでしょ、まったく」
「ン…」
「帰って、治療して、そしたらちゃんと言うよ。私も好きって」
都合のいい夢でも見ているのか。
それとも、と考える余裕も無く意識を手放す。
そして帰ってからくらう真正面からの告白に
輩に殴られた時よりずっと目が回ってまた倒れる情けない俺なのだった。
『ばたん、きゅう』
(そんなコミカルに倒れることある?)
(俺、意外と打たれ弱い…かも)
終
知らない顔のヤンキーに、同類と間違えられて絡まれたまでは覚えている。
「い…ってぇな」
「なんだよその目、調子乗ってんじゃねぇよ!」
「っぐ」
腹に鈍い痛みが走る。もれなく顔面も殴られていたらしく、口の中に血の味がする。
なんでこうなった?と記憶を遡る。
そうだ、急ぎ足だった。家路に。
早くお嬢先輩に会いたくて。
「だっさい目隠しなんかしやがって!」
「髪なんかこーんな派手な色でなぁ?馬鹿にしてんのか!あ゙ァ?」
「チッ、うるせ…」
視界が悪いなりに路地裏であるくらいは解る。
視認できるだけで6人。何が目的だろうか、と
腹蹴られた拍子に軽く吐いたらしくて口の中が苦くなる。
俺の大事なバンダナはいつのまにか取られた上に踏まれているようだ。
頭にくるが頭が回らない。
「しっかしなぁ?抵抗しないって事は」
「どんな事してもイイって事だなァ?」
「…っ、おぇ」
もう少し手数が少なければ抵抗できそうなものだが、こう羽甲い締めにされて囲まれているのはあまりにも不利だ。
抵抗させる気も無いくせに全く汚い奴らだ。
「お前よォ、ひょっとしてイジメられるの好きだとか?」
「ぎゃははっ!マゾじゃねぇかよオイ!」
「なぁなぁ、コレ使わねぇ?」
下品な笑みを浮かべる男の手に握られているのは、バチバチと青白い電撃を放つスタンガン。
青白いって事は出力が最大ってわけか、
さすがにマズい、と冷や汗が背中を伝う。
「ちょっと待ったぁ!」
聞き覚えのある声にぼやけた視界が明るくなる。
見上げれば見慣れたシルエット。
「あぁ?んだテメェ?」
「って、ガキかよ…ここはおチビちゃんの来るようなとこじゃないでちゅよ〜?」
「Dくん…!やっと見つけた」
「お嬢…先輩」
ヤンキー共に目もくれない真っ直ぐな視線が交わる。
それにしたってこんな所に飛び込んでくるのは無茶だ。
「ぐ…っ、先輩!」
「何々?このおチビちゃんがセンパイ?」
「威勢だけは良いじゃねーか?なぁ!」
「逃げてくれお嬢先輩!こいつらスタンガンも持ってて…ッ」
「大丈夫!もう通報済だから…っ!?」
男のうちの1人がお嬢目掛けて殴り掛かる。
彼女を傷つけるのだけは絶対に許せない、と根性で拘束を振りほどく。
寸前のところでお嬢は回避して、逆に男の顎を殴る。
「痛ってぇ、このガキ!」
「は、え?まさか当たると思わなかった…もしかしてそんなに強くない?」
「殺されてえようだな…!」
「束になってる卑怯者がイキってるー」
けらけらと笑うお嬢の向こうから、通報を受けた警察が駆け込んでくる。
そいつらの顔がみるみる焦りに染まるのが堪らなく面白かった。
逃げ出そうとする男共に、音がしそうなほどの鋭い目でDは睨み付ける。
「ひっ…!」
「お、覚えてろよ!」
ドタドタと逃げようとする奴らはもう警察に任せる事にしてその場に座り込む。流石に足にきているようだ。
「捨て台詞が小物じゃねーか…お嬢先輩の言う通り大したことなかったみたいだな」
「Dくん、大丈夫?」
「せんぱ…痛ってぇ!」
「もー、ばか!まったく心配かけて」
「お嬢先輩……」
「…でも、手ぇ出さなかったのは偉い」
「え…っ」
駆け寄ってきたと思えば小突かれて、怒ったり哀しい顔をしたりと忙しい先輩。
褒めながら頭を撫でられて…
「…あのさ、」
「はい?」
「ドン引きしたよね?」
「…なんで、そうなるんですか」
「だって…!いつもは猫かぶってたのに、こんな喧嘩買っちゃって」
「お嬢先輩は素敵っす。俺は…そういう強いの好きっすよ」
「…えっ!?」
「もう1回言いますか?好きっす。お嬢先輩、わりとずっと前から」
返事を待たずに語る口が止まらない。
風の噂で知ってたんですよ俺。
ライブでステージに立つ先輩に惹かれる前から
なんだか妙に喧嘩強いって事とか、
実はライブに出る前まで族やってた事だって。
それでも、
「好きなんですよ。お嬢先輩」
「Dぃ…分かった、分かったから、恥ずかしいから止まって」
「…返事、聞きたいっす」
「うん、ちゃんと応えるからとりあえず帰ろ?」
「帰…そっすね、俺…流石にちょい疲れ…」
言い終わる前に、ひょいと担ぎ上げられる。
この身長差でよく上がるな…とか他人事みたいに思う。
「うおっ」
「あ、Dくん脚長いから担ぐのムズい…ちゃんと掴まって?」
「いや、流石にこれは」
「怪我人なんだから介抱くらいさせて。…抱っこの方が良かった?」
「…勘弁してください」
「よろしい」
俺を背負ってるのに軽々と歩き出すお嬢先輩。
家に着いたら、良い返事聞かせてくれるかな。
一悶着あったせいかこの背中にとても安心する。
隙を晒すようで恥ずかしいが瞼が重い。
「…お嬢…せんぱ」
「はぁい?」
「……好き」
「なっ、…寝ぼけてるでしょ、まったく」
「ン…」
「帰って、治療して、そしたらちゃんと言うよ。私も好きって」
都合のいい夢でも見ているのか。
それとも、と考える余裕も無く意識を手放す。
そして帰ってからくらう真正面からの告白に
輩に殴られた時よりずっと目が回ってまた倒れる情けない俺なのだった。
『ばたん、きゅう』
(そんなコミカルに倒れることある?)
(俺、意外と打たれ弱い…かも)
終
