「ぶっちゃけて聞くけどさ」
「あ？」
「オトコってのはどんな基準で欲情するの？」
「…基準なんてねぇだろ？そいつらの自由なんだから」
「つまり、あたしの舌舐め刷りに欲情するのもボリスの自由だと？」
「そう言う事。」
「ざけんな」
「ふざけてねぇよ本気でヤりたいって思ってる」
「……ばぁか」
「何とでも言えよ」
「…あたしの事、先輩って呼ばなかったらヤらせてあげる」
「言ったな？なら、遠慮は無しだ。」


口付けがひとつ。またひとつ。

瞼に、鼻に。頬、耳、唇へ
全部俺のものだ。と解らせるように降ってくる。


「ん…くすぐったい」
「せっかくだ、優しくシてやるよ」
「へぇ、意外…んっ」
「…チュッ…ふはっ、余裕だな」
「は…ん」

歯茎を舐められて、舌を絡めとられて、頭がぼぉっとしてくる。


「ボリスのキス…気持ち良いから…好き」
「だろ？俺以外の奴とシたら許さねぇから」
「するわけないでしょ？」
「はっ、違いねぇ」


ゆっくりとした手付きで身体を撫でられる。

首筋から胸まで、緩く、もどかしく滑る大きな掌。

下着越しにゆるゆると胸を揉まれ、鼻に掛かる甘ったるい声が漏れてしまう。


「あ、…ふ」
「すげ…軟らけぇ…」

お嬢は着痩せするタイプなのか？と想定外の質問をされて一瞬返事に困る。


「あれ…もしかしてボリス…初めて？」
「…そんな事………まあ、好きな奴なんて居なかったし」
「嬉しい…」
「あ？」
「あたしも初めてだから」
「…そーかよ」

素っ気ない返事をしつつ彼の心は浮かれていた。惚れた女の処女が貰えるなんて。こんな幸運せな事があるとは。と噛み締める。


「ボリスぅ…」
「あ？」
「…ち…直接触って…」
「何処に？」
「ん…っ、意地悪」
「優しくシてやるっつってんじゃん？して欲しいって言うまで、何にもしねぇよ」
「…悪趣味」
「言わねぇの？」
「……、ち…くび、触って…欲しいの」
「…っ、想像以上にムラムラくるな。言ってもらえたからには満足させてやらねぇと」


ブラを捲り上げられて、待ち焦がれた刺激に身体が悦び跳ねる。

「ひあっ」
「エロい声…、酔いそうだ」
「声…やだぁ…」
「ふん、イイ癖に」

そのまま手を滑らされて、太腿を撫で上げられる。
ぴくりと逃げる様に反応する身体に、また口付けられる。

「…あ、ボリスっ」
「あ？」
「む…胸、舐めてほしい…かも」
「……あぁ、ったく…やっぱ優しくできねぇよこれ」
「なんで？」
「お嬢が可愛いから」
「……ん、」

快楽にに熱かった頬が、羞恥で更に熱くなる。

甘くて、照れ臭くて、頭がクラクラする。


おねだりした通りに、乳首を舐めまわされ。
たっぷりと唾液が絡み、ぬるぬると舌を押し付けられて、たまに歯を当てられる。


「ひっ！あぁ…っ」
「……チュ、れろ」


舌のざらざらとした感触に、背筋がぞくっとする。


「あっ、あっ！」
「そろそろ、か？」
「えっ？あぁっ！」


触れられていないのに蜜でぐちょぐちょの蕾に指を這わされると、反射的に身体が大きくのけ反った。


「お嬢…、イったのか？」
「は…ぅん、ごめっ」
「構わねぇよ。…次は、一緒にな。」
「…うんっ！」


くちゅくちゅと、狭い蕾に指を差し込まれる。
指が三本入ったところで、お嬢が懇願する。


「ボリス…きて」
「ん…行くぜ、力抜いてろよ？」
「く…っ、ぅん」
「あー…、キツ、」
「…あれ？っあたし…処女なのに……そんなに痛くない…っ？」
「ちゃんと慣らしたからな」
「ふぁっ！あ…」
「お嬢、」
「ん…？」
「しっかり掴まってろ」
「え？あ…―――っ！？」


待望んでいた彼自身が、お嬢に深く捩じ込まれる。

「…く…っ！」
「力、抜けって」
「やっ、あっ！あっ！」
「が…っ、ヤベ、お嬢のナカ超気持ち良い…」
「ふぁっ、ぼり…すぅ」
「…っあ？」
「だ…、抱き締めて…」
「あぁッ！」


抱き締められると、彼自身が勢いよく最奥に当たる。

腰を打ち付けられ、パンパンと音が鳴る。


「ひあっ！やっ、あっ！」
「やべぇ…でそ……」
「くぅ、ん…きもち良い…」
「お嬢っ！」
「あっ、だめ…イ…っくうう！」
「俺も…もう、っ！」


押し付けられたナニが一番奥で精液をぶちまける。
びゅくびゅくと脈を感じて身体が震える。


「ぅあ…あつい…」
「っ…あー…めちゃくちゃ出た…」
「…ん、……ふふ」
「あ？何笑ってんだよ」
「幸せだなーって、思ったの。ボリスと繋がれから、嬉しい」
「…そーかよ」
「照れてる？」
「違…っ」
「んっ、ボリス…あんま動かないで…」
「あ、悪い。抜くぞ」
「んぁ……」


ずるり、と水音を立てて、二人の身体が離れる。


「やぁ…ナカから熱いの出てきちゃう…」
「もっかい塞いでヤるか？」
「…ばか」
「冗談。…つか、中に出してよかったのかよ？」
「ん…。ボリスだから、よかったの。」
「そりゃありがてぇ」
「うん、…あれ、なんか急に…眠、い…」
「…お嬢？」

疲労感に瞼が重くなる。少々ハードだったかもしれない。

「寝ちまった、か？」

返事は寝息しか返ってこない。

「参ったな…。まだ身体洗ってねぇし、…ナカに出したやつとか、ちゃんと後始末しとくか」


付き合いたてで触るってだけでも現実味が無いのに、最中に無意識で付けたキスマークが妙に生々しくて事のリアリティを実感させる。


「無理させちまったかな…頑張ってくれてありがとな、お嬢」

軽く体を拭いて時計を見ると現在午前一時。



「明日の任務にお嬢が集中できなかったら…俺のせいだな。ご機嫌取りの文句でも考えとくか」

彼女の額に口付けて同じ布団に入る。
隣に横になるだけで反射的に自身が反応してしまい苦笑いする。

「…集中出来ないのは俺の方かもしれねぇな」




終
2009/11/21
加筆修正2024/07/23