ウサビ
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ぶはっ、と大きく吹き出したホットコーヒーがボトムに大きな染みを作る。
香ばしい良い匂い立ち上がる。
こんな情けない姿になった発端はほんの数十秒前の
「お疲れ様です、コプチェフ先輩」
「ん?あぁ、お嬢お疲れ様」
「あの…ちょっと確認したい事がありまして」
「どうしたの」
「…先輩があたしの事好き、って噂、本当ですか?」
「っ!?」
この瞬間に飲んでたコーヒーは…先述の通りである。
「熱ちっ…」
「あっ!大丈夫ですか?」
「あー、一応大丈夫だよ。気にしないで」
「良かった…」
「ところで、」
「はい?」
「誰から聞いたの?俺がお嬢のこと好きだって」
「…先輩の先輩から…とだけ」
「ふーん…」
こんな時人付き合いの多さがアダになる。
先輩なんて言われても枠がデカすぎて見当がつかない。
ってか、誰かにそんな話したっけ?と思い出そうにもそんな記憶もない。
「まぁ、誰からとかそういうのは置いとくか」
「じゃあ、あたしの質問に応えてください」
「…俺がお嬢のこと好きかって?」
「はい」
「んー…そりゃあ運転手として将来有望な部下だし?好きだよ」
「部下として、ですか」
「女として、がよかった?」
「別に…そう言う訳では…」
「本当に?だって悲しい顔してるよ」
「えっ」
ぱっと顔を背けられ、その後少し間を置いてから彼女は控えめに話し出した
「…実は、さっき少し嘘をつきました」
「うん?」
話の筋が急に見えなくなり、返事に詰まる
「あたしが、コプチェフ先輩を好きなんです。」
「えっ」
「きっと以前あたしの居ないところで褒めてくれたんですよね」
「あぁ、あれかな…」
「それが…又聞きでこんな捻じ曲げて解釈してしまって、好きかどうかなんて噂は無かったんです」
そういえば雑談の場で後輩が優秀だと自慢したことがある
巡ってお嬢の耳に入った時には尾ひれがついていたのかもしれない。
「本当にそんな噂だったらいいのに、と思ってあんな聞き方してしまって」
「お嬢…」
「ごめんなさい…」
コプチェフ先輩はすごく怒るだろうか。
嘘つきだから嫌われてしまうか。
嫌な想像ばかり頭を過ぎる。
「…まったく…可愛い奴だなお嬢は」
一呼吸開いて返ってきた返事は全く予想外のもので
「そんなに俺を想ってくれてさ、もしかして男の落とし方知ってたの?」
「…え、っと?」
「俺もお嬢のこと好きだよ」
「…!」
「というか今のでグッときちゃった。彼女になってくれる?」
「い…良いんですか?」
「勿論。だって俺たち両想いでしょ」
「そう…ですけど…」
「だったら細かい事言いっこ無し。好きだよ、お嬢」
「あっ…ありがとうございます!」
嘘から出た誠でこんなに素敵なこと、と浮かれたい
それより先に零したコーヒーをなんとかしなくては。
このままじゃ愛しい彼女を抱き寄せることもできない。
(抱きしめたいよ、ハニー)
(ダーリン、抱きしめて)
終
2009/11/15
加筆修正 2023/07/30
香ばしい良い匂い立ち上がる。
こんな情けない姿になった発端はほんの数十秒前の
「お疲れ様です、コプチェフ先輩」
「ん?あぁ、お嬢お疲れ様」
「あの…ちょっと確認したい事がありまして」
「どうしたの」
「…先輩があたしの事好き、って噂、本当ですか?」
「っ!?」
この瞬間に飲んでたコーヒーは…先述の通りである。
「熱ちっ…」
「あっ!大丈夫ですか?」
「あー、一応大丈夫だよ。気にしないで」
「良かった…」
「ところで、」
「はい?」
「誰から聞いたの?俺がお嬢のこと好きだって」
「…先輩の先輩から…とだけ」
「ふーん…」
こんな時人付き合いの多さがアダになる。
先輩なんて言われても枠がデカすぎて見当がつかない。
ってか、誰かにそんな話したっけ?と思い出そうにもそんな記憶もない。
「まぁ、誰からとかそういうのは置いとくか」
「じゃあ、あたしの質問に応えてください」
「…俺がお嬢のこと好きかって?」
「はい」
「んー…そりゃあ運転手として将来有望な部下だし?好きだよ」
「部下として、ですか」
「女として、がよかった?」
「別に…そう言う訳では…」
「本当に?だって悲しい顔してるよ」
「えっ」
ぱっと顔を背けられ、その後少し間を置いてから彼女は控えめに話し出した
「…実は、さっき少し嘘をつきました」
「うん?」
話の筋が急に見えなくなり、返事に詰まる
「あたしが、コプチェフ先輩を好きなんです。」
「えっ」
「きっと以前あたしの居ないところで褒めてくれたんですよね」
「あぁ、あれかな…」
「それが…又聞きでこんな捻じ曲げて解釈してしまって、好きかどうかなんて噂は無かったんです」
そういえば雑談の場で後輩が優秀だと自慢したことがある
巡ってお嬢の耳に入った時には尾ひれがついていたのかもしれない。
「本当にそんな噂だったらいいのに、と思ってあんな聞き方してしまって」
「お嬢…」
「ごめんなさい…」
コプチェフ先輩はすごく怒るだろうか。
嘘つきだから嫌われてしまうか。
嫌な想像ばかり頭を過ぎる。
「…まったく…可愛い奴だなお嬢は」
一呼吸開いて返ってきた返事は全く予想外のもので
「そんなに俺を想ってくれてさ、もしかして男の落とし方知ってたの?」
「…え、っと?」
「俺もお嬢のこと好きだよ」
「…!」
「というか今のでグッときちゃった。彼女になってくれる?」
「い…良いんですか?」
「勿論。だって俺たち両想いでしょ」
「そう…ですけど…」
「だったら細かい事言いっこ無し。好きだよ、お嬢」
「あっ…ありがとうございます!」
嘘から出た誠でこんなに素敵なこと、と浮かれたい
それより先に零したコーヒーをなんとかしなくては。
このままじゃ愛しい彼女を抱き寄せることもできない。
(抱きしめたいよ、ハニー)
(ダーリン、抱きしめて)
終
2009/11/15
加筆修正 2023/07/30