ウサビ
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先日のお嬢先輩の猛アタックのお陰で、晴れて恋人同士になった俺たちだが、何故か以前より関係が悪化した。
なんかこう、ギクシャクしてるって感じだ。
倦怠期ってやつか
なんか違う気もする。
「お嬢先輩」
「…なぁに」
「……何かご不満ですか?」
「別に。」
以前なら、敬語はやだって怒ってたとこなのに
今は素っ気無い。
俺がなんかやらかしたか?と自問自答
好きは伝えている筈だし、手だって繋ぐ
じゃあ…愛してる、って言われたいとかそっちの方か?
「…お嬢先輩」
「もー、なに?」
「…その、愛し……、ぅ、」
「んん…?ごめん、なんて?聞きとれなかった」
「……なんでも、ない」
こんな時にへたれてしまう自分が憎い
「…なぁ」
「…今度はなに?」
「何が…、何か気に入らねぇんだよな?」
「な…なんでもない。関係無いでしょ」
「関係なくねぇよ!お嬢先輩は俺の」
「…ボリスの?」
「俺の……」
愛する女だから、と決められたらどれだけ良いか。
実際のところすんなりと言えるわけなく。
「ボリス、の?」
「…ぅ」
怪訝そうな顔で俺を見つめる先輩。
…が、堪らなく可愛い。
先輩っつってもまだ年下だし、年相応ってやつだろうか、と腑に落ちる
「ねぇ…ボリス」
「え?あぁ、何だ?」
「何固まってんのよ」
「あ、悪い」
「いい。それより、さっきの続き早く…聞きたい」
「う、せ…先輩、は、俺の…」
「…うん」
「おれの……っ」
言えるかあんなに恥かしい台詞!と顔が熱くなる。
しかし言わんとする事が分かってるのか、お嬢先輩も照れてる様に見える。
「あいす…あ、愛する、」
「…もう、堅いんだから」
ぐい、と襟を引かれ顔が近付く。
軽く唇が重なり、すぐ離れる。
「な…っ」
「…なんか文句ある?」
「無い…けど、」
キスされたことへの動揺と、告白を遮られた事への疑問で頭がクラクラする。
ふと思い出すと、いつもこうして口付けは先手を取られていて自分からした事が無い
ギクシャクの原因はこっちか?どちらにせよ偶には男を見せないと気が済まない。
「お嬢先輩」
「何よ」
「大好きだ」
「……っな」
「ぁ、…愛してる」
「…言われなくても分かってた、けど…やっぱり言われるの嬉しい」
「お嬢」
「私も愛してる」
「…なら話が早いな」
「え?」
彼女の身体を目一杯優しく抱き締める。
片手を顔に添えて向き合う。
「…驚いても噛むなよ?」
「か?…んぅっ」
最初は優しく口付ける。
唇を重ねては離して息を乱させ、それから長く口付けると息継ぎをするように口が開く。
そこに舌を押し込む。
驚いたのか逃げる先輩の舌を捕まえて、舐めて絡めて吸い付いた。
最中に息継ぎをすると、混じって絡まった唾液がお嬢の唇を伝って垂れる。
「ん、ぁ…」
「…(可愛い…)」
「ん…息…くる、し」
「、ふはっ、悪い」
「あ…っ」
零すのが勿体ない、と唾液を舐め上げ飲み込んだ瞬間にお嬢がその場にへたりこんだ。
「大丈夫か?」
「…なに…今の……」
「俺からの愛情表現」
「うー…急で驚いたけど…気持ち良かった、ボリスはキスも上手かったのね」
「上手い下手は分からんけどな…」
「…それより、もっと」
「ん?」
「もっと、…今みたいなキスしたい」
ああ。
そんな事言われたら歯止めがきかないのに。
零した唾液を指で拭う姿や、続きをねだる視線に
理性など早々に手放すことにした。
「お嬢先輩…」
「ん?」
「続き、シよう」
明日の朝まで寝かせてやれる気がしない
強制終了
2009/10/28
加筆修正2023/05/19
管理人 長月ろっく